白い果実

昨日のジェフリー・フォードの続きです。こっちが本題だったとも言えます。

世界幻想文学大賞受賞、3部作の第1弾ということで、これまた私は「どうせなら3作全部邦訳が揃ってから一気読みする」とスルーしてきたのですが、『シャルビューク夫人の肖像』で繰り出されるキーワードの数々にすっかりやられてしまい、さっそく読んだのでした。

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白い果実(The Physiognomy)
ジェフリー・フォード著 山尾悠子、谷垣暁美、金原瑞人訳 国書刊行会

「盗まれた白い果実を捜せ」と命令された主人公の話なんですが、あらすじを読んでもサッパリ意味がわからないばかりか、読む気も起きないと思うので割愛いたします。現に、私も長いことスルーしてきたし。

本書のキーワードはこんな感じです。

「純粋なる美」という幻覚薬、青い鉱石と化す鉱夫たち、人狼の少女、旅人の木乃伊、硫黄採掘場、サイレンシオ、甘き薔薇の耳、珊瑚の都市、クリスタル球の中の楽園、魔物、両脚測径器(カリパス)、緑のヴェール...

未来のような、それでいて馬車が出てくるので昔のような、ファンタジックな世界にいきなり放り込まれるうえに、主人公が傲慢な性格。そのあたりで面食らう人もいそうなので、おそらく『シャルビューク夫人〜』のほうが幅広く読者ウケしそう。

ストーリーよりも、この悪夢のようでもあり、ユーモアがあって魅惑的で奇妙な世界にすっかりハマッてしまい、読み終わるのが惜しいくらいだった。気に入るかどうかは相性だろうなあ。

それはそうと、翻訳者の人数が3人も!と驚いたのですが、普通に訳すと「ペラペラな」エンタメ小説になってしまうと危惧し、訳文をさらに作家の山尾氏がリライトするという過程を踏んでいます。どんな原文なんだ、と原書もパラパラと当たってみてナットク。難しい文章じゃないだけに、かえって日本語にするのが難しそう。

第2部の『記憶の書』はもう刊行されてますが、いつ読もうか思案中...。3部の邦訳はいつ出版されるのかしら。いっそ原書で読むというのもアリかも。

追記:第2部と第3部はコチラに
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by rivarisaia | 2007-03-20 18:20 | | Trackback | Comments(0)

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