ロシアは今日も荒れ模様とロストロポーヴィチ
2007年 04月 28日
昨日、衝撃的なことが起きたので、今日は急遽予定を変更。
巨星墜つ....とメールが飛び交い、具合が悪いとは知っていたけどまさかそんな、まだ早すぎる、心の準備が、と愕然としたのが、チェリストであり指揮者でありピアニストでもあった巨匠ムスティスラフ・レオポリドヴィチ・ロストロポーヴィチ氏、逝去のニュースでした。
20世紀は遠くになりにけり、と漠然と思う。落ち込む友人と「ロストロがいなくなっても、○○がいるじゃん、の○○に入る人がいないのよ」という話をしていて、気分がどんよりしてしまった。クラシック界チェロパート巨匠席にポッカリと大きな穴が空いてしまったかのようだ。
ソビエト時代、ソルジェニーツィンをかくまって国籍を剥奪されたり、ベルリンの壁が崩壊したときに真っ先にかけつけてチェロを弾いたりと、人道的でエネルギッシュな人でもありました。そんな彼のお茶目な一面は、ロシア語通訳者、米原万里さんのエッセイでも知ることができます。
冗談でしょう、ホントに!?というようないたずら心満載のロストロのエピソードが掲載されています。米原さんは、本書の中で、
と書いているわけですが、これは同感。じつは、ロストロポーヴィチ氏が指揮する演奏会にアマチュア末席の演奏者として参加したときに、言葉だけでなく全身で音を表現して指導する彼を目の前で見た。彼が指揮棒を振ると、旋律に感情があふれでるというか、演奏全体の音色がそれまでと全然違ったものに変化するの。あれは本当に不思議で、奇蹟が起きているかのようでした。
巨星墜つ....とメールが飛び交い、具合が悪いとは知っていたけどまさかそんな、まだ早すぎる、心の準備が、と愕然としたのが、チェリストであり指揮者でありピアニストでもあった巨匠ムスティスラフ・レオポリドヴィチ・ロストロポーヴィチ氏、逝去のニュースでした。
20世紀は遠くになりにけり、と漠然と思う。落ち込む友人と「ロストロがいなくなっても、○○がいるじゃん、の○○に入る人がいないのよ」という話をしていて、気分がどんよりしてしまった。クラシック界チェロパート巨匠席にポッカリと大きな穴が空いてしまったかのようだ。
ソビエト時代、ソルジェニーツィンをかくまって国籍を剥奪されたり、ベルリンの壁が崩壊したときに真っ先にかけつけてチェロを弾いたりと、人道的でエネルギッシュな人でもありました。そんな彼のお茶目な一面は、ロシア語通訳者、米原万里さんのエッセイでも知ることができます。
『ロシアは今日も荒れ模様』米原 万里著 日本経済新聞社
冗談でしょう、ホントに!?というようないたずら心満載のロストロのエピソードが掲載されています。米原さんは、本書の中で、
音を言葉で描写させたら、ムスチスラフ・ロストロポービッチの右に出る音楽家をわたしは知らない。
と書いているわけですが、これは同感。じつは、ロストロポーヴィチ氏が指揮する演奏会にアマチュア末席の演奏者として参加したときに、言葉だけでなく全身で音を表現して指導する彼を目の前で見た。彼が指揮棒を振ると、旋律に感情があふれでるというか、演奏全体の音色がそれまでと全然違ったものに変化するの。あれは本当に不思議で、奇蹟が起きているかのようでした。
Tracked
from 1010 Radio
at 2007-05-02 09:08
タイトル : チェロ奏者ムスティスラフ・ロストロポービッチ氏の死去によせて
世界的に有名なロシアのチェロ奏者で、指揮者のムスティスラフ・ロストロポー ビッチ氏が4月27日、モスクワで亡くなった。 栄光の巨匠と呼ばれたロストロポービッチ氏は、60年に亘って精力的な芸術 を行い、南極大陸を含む世界の全ての大陸で数千にも及ぶコンサートを開い た。 またロストロポービッチ氏は数多くの国際賞を受賞、世界30カ国から勲章を授 与されているほか、50を超えるアカデミーや大学の名誉会員、名誉教授の称 号を与えられており、授与された多くの賞の中には高松宮殿下記念世界文化 賞が含まれている。 ...... more
世界的に有名なロシアのチェロ奏者で、指揮者のムスティスラフ・ロストロポー ビッチ氏が4月27日、モスクワで亡くなった。 栄光の巨匠と呼ばれたロストロポービッチ氏は、60年に亘って精力的な芸術 を行い、南極大陸を含む世界の全ての大陸で数千にも及ぶコンサートを開い た。 またロストロポービッチ氏は数多くの国際賞を受賞、世界30カ国から勲章を授 与されているほか、50を超えるアカデミーや大学の名誉会員、名誉教授の称 号を与えられており、授与された多くの賞の中には高松宮殿下記念世界文化 賞が含まれている。 ...... more
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peque-es at 2007-04-30 13:36
春巻さん、音楽をやられるのですね。共通点が見つかったようで嬉しいです。
音楽ってひとつの魔法ですよね。
オーケストラなんか、指揮する人の感性によって大きく変わると思います。私は曲名や音楽家などに本当にうとく、この方の名前も知らなかったのですが、きっと音の魔法を熟知して、それを楽しみながら人に伝える事のできた人なんだと想像しました。
音楽ってひとつの魔法ですよね。
オーケストラなんか、指揮する人の感性によって大きく変わると思います。私は曲名や音楽家などに本当にうとく、この方の名前も知らなかったのですが、きっと音の魔法を熟知して、それを楽しみながら人に伝える事のできた人なんだと想像しました。
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cazorla at 2007-04-30 19:02
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rivarisaia at 2007-04-30 20:17
>ぺけさん、
ぺけさんの「スペインの音色」は密かにちょくちょく見て(聴いて?)います。
音楽は子どもの頃にちょっとやって、今の楽器(弦)は、大人になってから始めたので、まったくもってダメダメです。譜読みも大変で、ああ、ピアノが弾けるといいのになあ、と思うこともしばしば。
指揮者の感性で大きく変わるというのには、本当にその通りだと思います。そんな私もじつは曲名や音楽家にうとくて、とりあえず自分が好きなわずかなものしか知らない有様だったりします。
楽しみながら人に伝える事はなかなか難しいですよね。本当に惜しい人がいなくなってしまった。
ぺけさんの「スペインの音色」は密かにちょくちょく見て(聴いて?)います。
音楽は子どもの頃にちょっとやって、今の楽器(弦)は、大人になってから始めたので、まったくもってダメダメです。譜読みも大変で、ああ、ピアノが弾けるといいのになあ、と思うこともしばしば。
指揮者の感性で大きく変わるというのには、本当にその通りだと思います。そんな私もじつは曲名や音楽家にうとくて、とりあえず自分が好きなわずかなものしか知らない有様だったりします。
楽しみながら人に伝える事はなかなか難しいですよね。本当に惜しい人がいなくなってしまった。
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rivarisaia at 2007-04-30 20:22
>cazorlaさん
ああ、身近な人と年齢が同じというのはなおさらショックですよね....。
感性が豊かだなんて嬉しいですが、それを自分の音楽に反映できないのがツライ。ロストロポーヴィチの爪の先でいいから、乗り移ってほしいくらいです。
ああ、身近な人と年齢が同じというのはなおさらショックですよね....。
感性が豊かだなんて嬉しいですが、それを自分の音楽に反映できないのがツライ。ロストロポーヴィチの爪の先でいいから、乗り移ってほしいくらいです。
当ブログにコメントいただきありがとうございました。
今になって存在を知ったというのが悔やまれる程、偉大な人ですね。
クラシックは聞かない自分ですが、今度演奏を収録したCDを聞いてみます。
本当にありがとうございました。
今になって存在を知ったというのが悔やまれる程、偉大な人ですね。
クラシックは聞かない自分ですが、今度演奏を収録したCDを聞いてみます。
本当にありがとうございました。
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rivarisaia at 2007-06-02 21:51
>だいまつさん、
こんにちは! ああ、そのNHKのドキュメンタリーが観たかったです。
バッハの無伴奏もいいですし、ドボルジャークのチェロ協奏曲もいいですよー。
こちらこそ、ありがとうございました。
こんにちは! ああ、そのNHKのドキュメンタリーが観たかったです。
バッハの無伴奏もいいですし、ドボルジャークのチェロ協奏曲もいいですよー。
こちらこそ、ありがとうございました。
by rivarisaia
| 2007-04-28 23:52
| 書籍
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