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自転車泥棒

そういえばイタリアで自転車ときたら、この名画があったのを思い出しました。

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自転車泥棒(Ladri di Biciclette)』(1948) ヴィットリオ・デ・シーカ監督

初めて観たときの「どんより感」が半分トラウマのようになってしまい、ああ、このどんより感がネオレアリズモなのね(えっ、そうなの?)、とボー然としたものです。

何ともやるせない気分になるため、もう二度と観ない!と誓うのに、テレビで放映するたびに観てる気がするのはなぜだろう。そこが名画のチカラなのだろうか。とても理不尽な話なのだが、「あー、そういうことありますよね......」となんだか共感できるし、よく観ると主人公に協力してくれるやさしい人たちがいたり、ちょっぴりコミカルなシーンがあったりと、ただ暗いだけではないのでした。

ローマのお父さんが自転車を盗まれて、途方に暮れて自転車泥棒をする、というだけのストーリーなのに、ここまで身悶えさせる映画になるとは、いや、すばらしいです。

お決まりの私のリアクションは、ラストシーンで「きっと明日はいいことがあるからさ、元気だしなよね!」と親子に向かってつぶやくこと。そうでもしないと、気持ちの行き場がない。

さて、この映画で私はとても気になるシーンがございます。それはトラットリアで親子が食事する場面。父親とレストランに入ったブルーノ少年が、後ろを振り返ると金持ちの子どもが家族とご飯を食べているわけですが、この子どものスカした嫌味な表情ときたら、夢に出そうだ。

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  ヘーンだ。びんぼうにんが! とでも言いたげなこの憎らしい表情。きいいっ!


これホントに絶妙ですね。この表情のせいで、場違いで肩身がせまく何とも居心地の悪い空気をなぜだか私も疑似体験。

ちなみに、このときに親子が頼んだ食べ物は、日本語字幕ではどうなってたか覚えてませんが、「モッツァレッラ・イン・カロッツァ(Mozzarella in carrozza)」でした。直訳すると「馬車の中のモツァレラ」→「馬車に乗ったモツァレラ」。パンの間にモツァレラをはさんで、卵をつけて揚げるか焼くかしたやつです。レシピでも載せると親切なんでしょうが、つくり方も人によってさまざまなので、甘くないフレンチトーストの間にチーズが入っている感じと思っていただければよいかと思います(すいません、めんどくさがりなもので)。

ブルーノ少年も、金持ちの子どものマネして、うにーんとチーズ伸ばしてましたね。どうでしょう、朝ごはんにでもつくってみて、朝から『自転車泥棒』ごっこ。どんよりしちゃうでしょうか。
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Commented by もとのじ at 2007-06-07 11:22 x
俺も好きですねえ、この映画。つい見てしまう。
続けて『砂の器』を見たくなる。

中学校の時に初めて見たんですが、そのあまりにも救われない、しかも唐突で突然終わるラストに「はぁ!?」と思ったものです。

追い詰められた設定のほうが「家族愛」って強く伝わるもんなんでしょうかね。
Commented by rivarisaia at 2007-06-07 23:39
>もとのじさま、
あのラストは「ええー!?」でした。 お父さんと息子は素人さんだそうですが、2人の歩き方で配役を決定したとimdbに書いてありました。歩き方は確かに.....納得。

『砂の器』! 当然最初の映画版ですよね〜。ああ何だかまた観たくなってきましたよ。父子の放浪......。やっぱり哀愁漂わせて歩くっていうのが、ポイントなんでしょうか。
Commented by まるま at 2007-06-09 08:37 x
小学生の頃、親戚そろって楽しい夏休みを過ごしていたら、コーエン兄弟好きの伯父と父から「これは傑作だからみんな集まれ!」と号令がかかり、いとこたち全員テレビの前に集合させられて鑑賞しました。ディズニーアニメ以外の西洋の映画を観たのは本編が初めてでした。「何これ、かわいそうすぎるじゃん。とうもろこし食べる気なくなったよ。もう花火もやりたくないよ。それにどうしてカラーじゃないの?」というのが正直な感想でした。でもその後なぜか機会があると観てしまう。名画なんですねえ。
Commented by まるま at 2007-06-09 08:45 x
続けてすみません。当時はコーエン兄弟が活躍する前で時系列がずれていますが、なぜか兄弟そろってコーエン兄弟好きな伯父と父なので、書いてしまいました……。

次回『自転車泥棒』を観るときは金持ちの子どもの表情に注目します!
Commented by rivarisaia at 2007-06-10 00:09
>まるまさま
そのエピソード、何だかおもしろい。とうもろこし食べる気がなくなっちゃったんですね(笑) 初の西洋映画がこれだというのは、どうなんでしょう。最初の1本にしては重いですよねえ。

金持ちの子どもの表情は、イヤーな感じなので要注目です。
この子どもは男子なのか女子なのか、いまだによくわからないんですけど、どっちだろう。
by rivarisaia | 2007-06-05 23:40 | 映画/洋画 | Comments(5)