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山猫:追記

以前、イタリア人の知人に『山猫』の舞踏会シーンについて聞いたら、第一声で「オエッ」と言われました。うむ、何だか正しい反応のような気もします、オエッ。

舞踏会というと、ドレスのお姫様が踊る華やかな社交界!というイメージで、確かに『山猫』でも華やかな社交界なんですけど、なんとなくドロリとしたものを裏に感じます。

華やかさとは裏腹に、だんだんと虚しくなっていくサリーナ伯爵。着飾っていても近親婚のせいで猿みたいに振る舞う令嬢たち、扇子で扇いでも扇いでも流れ落ちる汗、汗、汗、品性のかけらもなく金や権力の話をする人たち。見た目は綺麗だけど、内面はオエッとくる社交界。時代が移り変わって、かつて獅子であり、山猫であった貴族の誇りも地に落ちた、みたいな感じなんですかね。さあ、これからは山犬と羊の時代だ。

舞踏会のエキストラには本物の貴族の方々が参加しており、8月に行われたパレルモの撮影では、大量の蝋燭の炎と人々の熱気で、灼熱地獄だったらしい。シャンデリアを見ても、何本も蝋燭を使っていますので、これは火を点けるだけでも大変そう。暑さで失神するキャストが続出....っていうのも納得。

細かい部分にこだわるヴィスコンティらしく、食器や小道具も本物を使用しているそうなので、歴史はちょっと....という方は、貴族のお屋敷インテリアや小道具、衣装に注目するといいかもしれません。タンクレディ(アラン・ドロン)が、だんだん下品な雰囲気になっていくのも、さりげない見所のひとつ。ノブリス・オブリージュ(noblesse oblige:高い身分に伴う義務)じゃなくてただの野心家だった、みたいなところが、アラン・ドロンにぴったりです。
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Commented by ゆずきり at 2007-07-07 00:10 x
エキストラはホンモノの貴族・・・くわしく覚えていませんが、今度見る機会があったら、エキストラの方々の顔をとっくり見てみよう。
タンクレディは、最初に支持していた革命軍(だっけ?)を簡単に裏切っててさすがアランドロンだよと思いました。
Commented by rivarisaia at 2007-07-07 18:59
>ゆずきりさん
「本物の貴族を登場させたい」とヴィスコンティが言い出して、シチリアの貴族を集めたそうですよ....。最後には皆さん役になりきったらしいです。

そうそう! タンクレディは最初の革命軍はサッサと裏切ってしまって、本当に「あ〜、だからアランドロンなのか、この役は」と私も思っちゃいました。
by rivarisaia | 2007-07-05 23:00 | 映画/洋画 | Comments(2)