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恐怖分子

東京国際映画祭.....と聞くと、なぜか思い出すのが、エドワード・ヤン。『クーリンチェ少年殺人事件』を上映した年、当時の私は異国にいたのでTiFFには行ってないのですが、なぜか日本の友人が次々に「クーリンチェがすごい、すごい」と手紙に書いてきたのでした。そこで、何がすごいんだかよくわからないけど、とにかくすごいらしい、という印象はしっかり心に刻み込まれました(後日、観たけど確かに傑作だった)。

そして、月日は流れ、まさか追悼特集を観ることになるとは誰が想像しましょうか。もう新作は観られないのね。

時の流れを感じつつ、今年のTiFF、私はこれでスタート。

恐怖分子』監督エドワード・ヤン(楊徳昌)

人は生きていると、ポタポタと雨漏りのよう溜まってくるモノがあり、この映画に出てくる人たちもみなかなりギリギリまで水が入っているコップを内側に抱えているような感じ。水はちょっとずつこぼれていくけど、決して空にはならない。でも中には勢いよくひっくり返してガッシャンとコップごと割れちゃう人もいる。この映画の女性小説家の夫(医師)がそうでした。

彼は家に帰ってくるたびに、腕をまくってやたらと念入りに手を洗う。別に強調されていたシーンでもなく、何気なく画面に映るんだけれども、最後の緊迫した15分程度の時間に、ああそういえば、彼はごしごし手を洗う人だったよね、と思い出しました。おそらく本人は、自分のコップがどうして割れちゃったのか、最後までわからなかっただろうな、と思う。

ところで、権利の関係で『クーリンチェ〜』は上映されないのですが、権利をもっている人が、傑作だから金になるだろうと思っているなら大間違い。傑作=儲かるという図式はそんなにないのです。まあ、映画に限ったことではないですけどね。
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by rivarisaia | 2007-10-21 23:24 | 映画/香港・アジア | Comments(0)