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イタリア・マフィア:ペッピーノの百歩

マフィア映画は好きな私ですが、実際のマフィアはごめんです。イタリアのマフィアが恐ろしいのは、その存在が見えない(誰がマフィアなのかわからない)ところ。

ゾンビは見た目がゾンビだから戦いようも逃げようもあるけど、ボディ・スナッチャーは誰が乗っ取られているのかわかんないから非常に困る、という状況に似てます。

さて、こちら実話の映画化です。

ペッピーノの百歩(I cento passi)』監督マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ

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1950〜70年代のシチリア。マフィアの関係者の息子であるペッピーノは、叔父の死に疑問を抱いたことをきっかけに、マフィアに反感を抱くようになる。新聞を発行し、ラジオ局を立ち上げて、マフィアを糾弾するペッピーノ。ついには議員に立候補しようとするが.....。


どんなに無茶をしても、ペッピーノの身の安全が守られていたのは、彼自身が反発していたマフィアのボスのおかげだった、という何とも皮肉な現実があるのですが、それにしても彼の活動ぶりには凄まじいものがあります。

彼の行動に困惑し反発する家族。それでも負けないペッピーノ。あんまり熱くなりすぎると大変なことになるから、その辺でやめといたら.....と、即座に思ってしまうヘタレな私。しかしこの「そんなに熱くなりすぎないほうがよいかと....」という弱腰な気持ちは、現実の多くのシチリア人たちがマフィアに対して抱えている気持ちそのものなのでしょう。

しかし、少なくともペッピーノの行動は無駄ではなかった。1996年、ようやくマフィアのボス、ターノが起訴され、最近も大物マフィアが次々と逮捕されるようになり、市民が団結して抗議活動を行なうようにもなった。これはシチリアにとってかなりの進歩だと思う。

リアルなマフィアについては、『イタリア・マフィア』(シルヴィオ・ピエルサンティ著、ちくま新書)がおすすめ。プロローグからして背筋が凍る本ですが、マフィアの実態がよくわかります。

追記:シチリアといえば、レオナルド・シャーシャを忘れてたよ!ということでシャーシャの小説『ちいさなマフィアの話』についてはコチラ
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Commented by peque-es at 2008-01-30 13:09
スペインの語学学校時代のイタリア人の友達、レジオ・カラッブリアとか言って、確かやはりマフィアの強い(?)地方の出身なのですね。で今は高齢のお父さんがひとり、その土地に残っているのですが、数年前に彼女に会った時に、お父さんが、何とか自分が生きている間に土地を処分しようとしているみたいだ…というような事を言ってました。自分が死んだ後、残された家族(別居の奥さんと娘二人)では、ちゃんと処分する事ができない、マフィアに太刀打ちできないで、安く手放さざるを得なくなると思ってるんだろうって。
何だかマフィアというものが、急に身近に感じられた話でした。
Commented by rivarisaia at 2008-01-31 02:09
そう、カラブリアもマフィアの力が強いと聞いてます。カラブリアのマフィアは「ンドランゲタ」という名称で、変な名前と思ったので覚えてます。語源は何だろう。

それにしても、お友だちのお父さんの土地処分の話は、今も生活に密着したところにマフィアの存在がちらついているのか、と考えさせられますね。

旅行者はあまり感じないというか、その土地で暮らしている人にしかわからないことかもしれないけど、これは根差してしまってる問題だから即解決するのは難しそう(特に南部イタリア)。

去年は、ナポリのパン職人がマフィア(ナポリはカモッラ)の経営する違法パン屋に対抗して無料のパンを配った、というニュースを見ました。違法パン屋!と驚いたら、「違法パンは昔から問題」とサラリと言われてさらに驚きました。

少しずつ変えていくしかないと思うけど、まずは市民が団結するしかないのかなあ。
by rivarisaia | 2008-01-29 21:22 | 映画/洋画 | Comments(2)