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輝ける青春

3月ですね。春です。春のどよめき第1弾は、やはりフランス映画祭でリヴェットの『アウト・ワン』が上映されることでしょうか(詳細は公式サイトで)。英語字幕というウワサを聞いたけど、本当? いずれにしても上映時間12時間40分という時点で、私には自信がない。2日にわけて鑑賞するにしても1日約6時間。この映画ですら劇場に行けなかったのに?

輝ける青春(La meglio gioventù)』マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督

b0087556_20184613.jpg60年代から21世紀初頭のイタリア。ニコラとマッテオという2人の兄弟を中心に、あるひとつの家族の37年間を描いた壮大なドラマ。

イタリア映画祭で軽食付き上映があったかと思うのですが、6時間という尺に尻込みした私。岩波での上映にも行かなかったのですが、イタリア人の知人が軒並み大絶賛していたので、昨年末にようやく2日にわけて自宅で鑑賞。

家族の物語、兄弟の物語、夫婦の物語と、さまざまな視点からドラマを味わうこともできると同時に、イタリア近代史も伺い知ることができるという、すばらしい映画でした。物語の背景にさまざまなイタリア事情が詰まっています。

 1966年のフィレンツェ大洪水と被災した貴重な書物の救出
 60年代トリノの自動車工場での労働争議から学生運動の激化
 70年代のテロの時代と赤い旅団
 80年代のシチリア・マフィア

家族の誰かが何かしらの形でイタリアの社会情勢に直接関わっているところが、都合がよいと言われればそれまでなんですが、歴史の流れをつかむのに役に立ちました。そして何といってもメインは「イタリアと精神病院」でしょうか。

b0087556_20192168.jpg物語の中心に、精神病院で虐待されていた少女ジョルジアを兄弟が救い出そうとするというエピソードがあります。この事件をきっかけに兄ニコラは精神科医になり、精神病院廃止の運動にかかわっていくようになります。イタリア版DVDのジャケはジョルジアの顔。

イタリアには、いわゆる公立の精神病院がありません(精神科はあるけど、長期入院施設がない)。精神病院で患者に対する虐待が行なわれていたこともあり、治療の場に適していないと考えたバザーリア医師が改革運動を開始。1978年にバザーリア法が成立すると、徐々に公立の病院が廃止され、2000年にゼロになりました。患者を閉鎖病棟に閉じ込めるのではなく、自宅あるいはグループホームなどで生活しながら医療機関の治療や往診を受けるという地域密着型の体制をとっています。コミュニティ・サービスの充実度などのマイナス課題も抱えてはいるでしょうが、プラスの面も大きい。やるときはやるイタリアなのでした。

私もそろそろやる気を出したいものですが、さすがに『アウト・ワン』の12時間は気力が続かないかと...。

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by rivarisaia | 2008-03-02 20:44 | 映画/洋画 | Comments(0)