時祷書の本2:The Master of Mary of Burgundy

先日に引き続き、時祷書のビジュアル本第2弾です。そう、これらは複製版(ファクシミリ)ではなくて、要はふつうの「絵画の本」みたいなものです。1冊の写本に着目して、なるべく多くのページを解説付きで紹介してくれるので、ファクシミリは高額すぎてとても手がでないけど写本が好き〜!という人に最適。もうあらゆる写本でこの手の本を出してほしいものです。

b0087556_1850509.jpgThe Master of Mary of Burgundy:
A Book of Hours for Engelbert of Nassau

(マリー・ド・ブルゴーニュの時祷書の絵師による
「ナッサウ領主エンゲルベルトの時祷書」
George Braziller, Inc.刊

ややこしいタイトルですが、マリー・ド・ブルゴーニュの時祷書の絵師が制作した「ナッサウ領主エンゲルベルトの時祷書」。私はマリー・ド・ブルゴーニュの時祷書だと勘違いしました。「Master」を「絵師」と訳してしまいましたが、たぶん絵師だよねえ。それとも職人?

本書はてのひらサイズの大きさで、げ、ミニ本!?と思いきや、解説には実物の大きさに近くしたとありました。この本も図版ページ+解説ページという構成なんですが、見開きで図版を紹介しているページがけっこうあります。

図版ページの見開きはこんな感じ。
b0087556_19254494.jpg

余白を残したシンプルなデザインもきれいだし、かなり描き込まれているページも装飾のバランスがいいと思う。モチーフには鳥や花が多いところが、ブルゴーニュ公国!そしてフランドル!という感じがする。ちなみに孔雀の羽根はエンゲルベルトの紋章に言及しているそうです。

今のところ、時祷書ならこの絵師の作品がいちばん好きかも。こうなると「マリー・ド・ブルゴーニュの時祷書」も気になりますが、2種類あるのよね(ベルリンとウィーンがそれぞれ所有)。いっそのこと、2冊ともシリーズにして出してほしいわ!。

ナッサウ領主エンゲルベルト(1451-1504)は、フィリップ美公(狂女フアナの夫)と関係が深かった人で、その縁でこの写本がエンゲルベルトに与えられたのではないか、とのことです。フィリップ美公は、マリー・ド・ブルゴーニュとマクシミリアン1世(後の神聖ローマ皇帝)の息子です。

●メモ
写本の制作年代:1480-90
写本の言語:ラテン語 原書サイズ:140×80mm
現在はオックスフォードのボドリアン図書館が所有
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Commented by peque-es at 2008-03-09 13:40
羨ましい!(笑) 手のひらサイズっていうのが、又いいですね。
でも下の記事のコメントに書かれていたサイトに行ってみたら、どっちも英語がずら~っ、ぎっしりで、私じゃ「欲しい本」に行き着けなさそう…それに、買う前にやっぱり手に取ってみたいかも…
ヨーロッパの蚤の市や古本市みたいなので、こんなのが出てたら楽しいだろうな~…優柔不断で中々買えない予感もしますが(笑)
でも本の発行者、どちらも英語名ですね? 元の国では、こういう本は出てないのかしらん?
そういえばウィーンの楽譜屋さん、裏の部屋に新旧取り混ぜて「中古の楽譜」が一杯置いてあったのですが、短い旅行では結局何も買えなかったし…う~む
Commented by rivarisaia at 2008-03-10 14:19
そう、買ってみないと中味がよくわかんなかったりするのが、賭けでもあります。確実にタイトルと著者、内容がわかってる本ならいいんですけどね。

元の国でも出ていそうですけど、気づかないだけなのか、それとも高額のちゃんとした複製版しか出してないのか、どっちでしょうね? 中古の楽譜いいなー。でも買うとなると、選び出しちゃって結局買えないということになりがちかも。
by rivarisaia | 2008-03-06 22:37 | | Trackback | Comments(2)

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