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ノーカントリー

殺人鬼がどうこうというサスペンスというよりは、昔も、そしておそらくこれから先も変わらない、アメリカなるものを描いた映画。人によっては期待はずれになるかもしれませんね。特に後半。でも、いろいろな解釈ができる深い映画です。しかも、さりげない演出で多くを物語るところがすごい。

b0087556_20115882.jpgノーカントリー(No Country for Old Men)
監督ジョエル&イーサン・コーエン

体調絶不調で観るはめになったんですが、見入ってしまって調子悪いことは忘れてました。やっぱりコーマック・マッカーシーとは相性が合わないと思ったけど、映画はとてもよかった。

ジョシュ・ブローリンが『アメリカン・ギャングスター』の悪徳NY警官とは別人のようなベトナム帰りのテキサス人。そして『海を飛ぶ夢』の優しげな瞳の中年男性とはこれまた別人のハビエル・バルデム。あの妙なおかっぱ頭が不気味さを倍増していると評判ですが、私は安藤忠雄を思い出しました。忠雄カットはやっぱり変な髪型なんだな。

古き良き時代なんてどっかにいっちゃったよ、今は理解不能なことが起きるおかしな世の中なんだよ、でもよく考えたら「古き良き」は幻想で、昔から世の中は不条理な血と暴力の世界だったし、これから先も変わらないよ、そもそも死が不条理だし、死んだら安らかな世界が待ってるけど、それまでは人生、山道を歩んでいかなきゃなんないんだよ、ただかすかな希望はあるよね、みたいな話だと感じまして、それを黄昏れたトミー・リー・ジョーンズに体現されると、そうですよね......とこちらも黄昏れずにはいられません。

さて、個人的なツボだったのが、前半のテキサコの店のおじさんと殺し屋シガー(ハビエル)のコイントスの場面。人々がフレンドリーなのがテキサスのいいところで、実際、商店やスーパー、コンビニの店員にやたらと話しかけられて、会話がはずんじゃうような土地柄です。今はどうか知らないけど、昔はよく他州から引っ越して来た人が「なぜ、こんなにフレンドリーなのか?」と軽くカルチャーショックを受けていたものです。

そんな典型的なテキサス人よろしく、フラリと入ってきた忠雄カットの殺人鬼にもいつもの調子で話しかけてしまい、突っかかられて困惑しつつも、コインの裏表を当てさせられるおじさんが味わい深い。おじさん、気づいてないだろうけど、それは本当にラッキーコインだよ! 取っておいたほうがいいよ!

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Commented by minaco. at 2008-03-28 00:26 x
こちらで上映されるのは来月か、さ来月になりそうですが、ハビエル=安藤忠雄にしか見えなくなりそうです!に、似てる…。
「忠雄カット」ハビエルは、以前も「ペルディータ」とゆうB級バイオレンス映画でも珍妙なヘアスタイルしてました。前髪チョッキンのストレート・ロングヘアで、一見ハビエルと解りません。あれは一段と濃かった。

ところで、最近ジョシュ・ブローリンが流行ってる気がしますね。半年で新作3本も公開されるとは。
Commented by rivarisaia at 2008-03-28 19:22
>minaco.さん
かたや世界の建築家、かたや最強の殺し屋、ということで突き抜けた人に許されるヘアスタイルなんでしょうか。

思わず「ペルディータ」の画像を検索してしまい、ひっくりかえりそうになりました。誰、アンタ!?という感じですね。おまけに「AIRBAG」という映画のハビエルも尋常な濃さではありません。忠雄カット、いたってフツーに見えてきました....。

ジョシュ・ブローリンは渋くなって返り咲いてますよねー。それともダイアン・レインがあげまん妻なのか。
by rivarisaia | 2008-03-25 20:29 | 映画/洋画 | Comments(2)