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画家と庭師とカンパーニュ

ついこの間、『サーカス象に水を』はキャラが皆ステレオタイプで今ひとつだ、と文句たれたばかりですが、世の中にはキャラが皆ステレオタイプだからこそイイ!というものも存在する。

寅さんのシリーズもそれに該当しますが、フランスの田舎を舞台にした映画もそうかもしれない、という気がしてきました。私の友人の多くが「眠かった」と言った『田舎の日曜日』といい、『クリクリのいた夏』といい、フランスの田舎には何かあるにちがいない。

画家と庭師とカンパーニュ(Dialogue Avec Mon Jardinier)
監督は『クリクリのいた夏』のジャン・ベッケル
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華やかで充実した生活を送っていそうなのに、じつは人生うまくいってない都会生活者の画家(ダニエル・オートゥイユ)と、地味で苦労の多い生活を送っていたのに、じつは豊かで幸せな人生なんじゃないの?という田舎労働者の庭師(ジャン=ピエール・ダルッサン)という、このうえなくステレオタイプなふたり。

田舎ときどきパリを舞台に、基本的にはこのふたりのおじさんが延々しゃべっている映画ですが、これが何だかよかった。気づけばいつものフランス田舎マジックにかかっており、後半に物語が大きく動く出来事があっても、それもまたセラヴィといった具合に穏やかな気もちで受け入れることができるから不思議だ。

私が「オイ!」と突っ込みたかったのは、具合が悪いって言ってる人をルーブル美術館に連れていくなよ〜ということくらいでしょうか。

それにしてもフランスの田舎であれば、なぜかおおらかな気分になり、ちょっとくらい毛虫が発生しても許せそうである(→まだ根にもってる)。ヤブ蚊も少なそうでうらやましい(→うちの庭は蚊だらけ)。

エンディングでモーツァルトの「クラリネット協奏曲 イ長調 K.622 第2楽章」が流れてましたけど、フランスの田舎の風景にこんなにぴったりハマるとは。クラリネットのやわらかい音色とやすらかな曲調のせいかしらね。これにはヤラレました。
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by rivarisaia | 2008-09-10 16:49 | 映画/洋画 | Comments(0)