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『ゴモラ』の著者サヴィアーノさんのこと

今年のTIFFは、結局時間の都合がつかず『ゴモラ』しか観られない(と思う)。
(*映画の感想はコチラ

そして『ゴモラ』といえば、過去にもココとかココに書きましたが、昨日、著者のサヴィアーノさんがイタリアを離れるかも、というニュースが出てましたね。著書が世界中で出版され、映画化もされて、それがカンヌで話題になり、さらにアカデミー賞のイタリアからの出品作品になったことで、カモッラが激怒し、クリスマスまでに彼(と護衛官たち)を暗殺する指令を出したという情報があったのだそうだ(警察は真相確認中)。

以前は、サヴィアーノさんがナポリで家が借りられないという話を書いたんですけど、その後の話では家を借りるどころの話じゃなくなっていて、危険が及ばないように友人や家族から離れて、警察と一緒に次々と拠点を変えながら暮らすはめになっていました。2年間も。だから
「人生を取り戻すためにしばらくイタリアを離れて、ようすをみたい。……自分自身、自分の本、自分の成功のせいで捕われの身のように生きている。どうしてこんな生活を続けていかなくちゃいけないのかわからない。成功なんてくそくらえだ」

と言う気持ちはよくわかるし、本当に耐えられないだろうと思う。国外に出れば安全なのかはやや不安ですが、少しでも平穏に暮らしてほしい。そしてサヴィアーノさんは、自分のことをまるで息子のように思い粘り強く護衛してくれる警察官たちにもとても感謝していると言ってました。

彼が若くして背負ってしまったものが大きすぎて、あまりにも気の毒だ。

カモッラ問題、どうにも解決策がなさげにみえますが、いっぽうで今年の6月、カモッラのカザレージ・クランの大ボス、フランチェスコ・"サンドカン"・スキアヴォーネら16人に終身刑の判決が下っています。これはちょっと画期的(判事もカモッラに脅迫されてたはずだし)。ただし、そのうち2名のボスが逃走中。指名手配されてます。

カザレージは、『死都ゴモラ』の感想でも書いたように、廃棄物ビジネスを手がけ、セメント市場を独占し、流通販売ルートやビジネス、選挙などをコントロールするなど、経済を牛耳ってる厄介な存在なのでした。

余談ですが、10年続いたこの裁判は、ローマ帝国の圧政に対抗したスパルタクスのように、カザレージに立ち向かおうということで、「スパルタクス裁判」と呼ばれてます。そうだね、こうやって政府と市民ががんばって少しずつ解決していくしかないですね…。

ところで、ロイターの記事でイタリアの新聞「La Repubblica」が「レパブリカ」になっているのが気になる〜。英語圏では英語読みするだろうけど、日本の報道でのカナ表記はイタリア語にあわせてレプッブリカ、またはレプブリカにしたほうがよいのではないだろうか。

●参考までに

・英国Telegraphの"スパルタクス裁判"判決記事(英語)はコチラ
・サヴィアーノさんイタリアを離れたい、というLa Repubblicaの記事はコチラ(イタリア語です。読んだら泣けてきた。でも、すみません、私の語学レベルが低すぎて日本語に抄訳できません。英語版の抄訳ならコチラにあります)
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Commented by makrele at 2008-10-18 05:13 x
この『ゴモラ』の作者サヴィアーノさんについて、ドイツでも新聞で1ページ使って扱われていました。
かれの作品についての紹介や、今おかれている状態など・・・。
本当に大変そうです。
ペン1本では戦えない世の中ですね、どの国も。
Commented by rivarisaia at 2008-10-19 20:17
ドイツでもそんなに大きく扱われてたんですね!へええ!
私がたまに聞いてるイタリアのラジオ放送でも当然のことながら、議論が超白熱してましたが、そのラジオ局はミラノなので、南部だったら言い分がまた違うのかなあと思ったりしました。
書き続けたいらしいですが、ほかの本が書けなくなっちゃってる状況で、それも辛いだろうなあ。

まだ若いから狙われやすいっていうのもあるんでしょうか。
ある程度地位を確立した人だとカモッラも狙いにくいとか、そういうのは関係ないのかな。よくわからない…。
by rivarisaia | 2008-10-17 03:04 | 映画や本の雑記 | Comments(2)