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ブーリン家の姉妹

ヘンリー八世にまつわる実際のエピソード(史実とされているもの)って濃いですよねえ。アン・ブーリンの部分だけに注目してもじゅうぶん濃い。それを考えると、映画はけっこうあっさり味に感じました。

ブーリン家の姉妹(The Other Boleyn Girl)』監督:ジャスティン・チャドウィック

メアリーとアンという対照的な姉妹ふたりにバランスよく迫ってしまったせいなのか、全体的に駆け足気味で進むせいなのか、理由はよくわかりませんが、何かが薄まっちゃった感じ。画面が妙に小綺麗だったせいかなあ。

たとえて言うなら、ビーフシチューを期待したらコンソメスープだった、でもおダシの牛はいい肉つかってますよ!という感じ(意味不明ですか…)。

つまり、元の話がおもしろいし、女性陣の配役もピッタリだったのでそれなりに楽しめますが、個人的にはどこか物足りなかったのです。それを考えると『エリザベス』はやっぱりよくできてたなー(『ゴールデン・エイジ』は微妙ですが)。

しかし、なんだかんだ言って途中からテューダー朝ファッションに注目しっぱなし。ヘンリー八世を演じるには、エリック・バナはヤセすぎではないかと思ってましたが、あの異様なまでに肩幅を強調するちょうちん袖上着のおかげで、どっしりした体格に見えましたね。恐るべし、ちょうちん袖+マント。肩パッドはどのくらい入っているのか、気になって、気になって仕方がない。

そして女性陣の衣装が「わーお姫様のドレスってステキ〜」状態だったのはもちろんですが、それよりも目が離せなかったのは頭飾りです。

たとえば。
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左のカチューシャっぽいタイプはわかる。右側の頭巾タイプもわかる。

しかし、どうにもよくわからないのは、
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このカクカクしたタイプ(左の女性がアナ・トレント)。これは一体どのようになっているのか。どうやって装着するのか。髪の毛をどのようにたくしこんでいるのか。つけ心地はいかがなのか。長持ちする代物なのか、それとも消耗品に近いのか。頭を激しく動かしてもズレたり外れたりしないのか。

このカクカクタイプの頭飾りは辞書によると「Gable hood(またはGable headdress)」と呼ばれておりまして、その由来は、てっぺんがとんがっているかたちが "Gable(切り妻屋根)"に似ているからだそうでございます。

"Tudor Gable Headdress" を特集したサイトも見つけましたが、ステップ・バイ・ステップを読んでもいまひとつ仕組みが複雑でよくわからない…。女性のかぶりものの歴史本(もちろん豊富な図解つき。装着ハウツーがあったらなお可)がほしい。

そんなわけで、話自体は薄味だったかもしれませんが、かぶりものにひたすら心奪われたという点では大変充実した1本でございました。

「ブーリン家の姉妹」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
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Commented by まるま at 2008-11-11 07:54 x
『ミツバチのささやき』のアナ・トレント狙いで観たいと思っていますが、かぶりものにも注目しなくては。それにしても切り妻屋根が由来とは、ネーミングの発想っていろいろなんですね。
Commented by rivarisaia at 2008-11-12 01:14
アナ・トレントは妙に落ち着きのある女性に成長しておりました。
薄い、薄いと書きましたが、もとの話が濃すぎるのかも。

かぶりもの、じっくり見てきてくださいませー。
どうやらフードの下に「Coif」と呼ばれる白ずきんをかぶってるらしいという記述もネットで見ましたが、もっと詳しく…という気持ち。

別のハウツーサイトも見つけちゃった。↓
www.createthemood.uklinux.net/Gable%20headdress/workshop_gable5.htm

自分の毎日にまったく関係ないかぶりものにここまで過剰反応。
私はいったい何をしているんでしょうか…。
Commented by まるま at 2008-11-12 07:29 x
度々恐れ入ります。別のハウツーサイトもすばらしい! これはもう、かつてヌンチャク(リーさま、ステキ)をお手製された春巻さんに、「Tudor Gable Headdressをつくって21世紀のジパングに広めよ」とブーリン家の姉妹からお達しが下ったのではないでしょうか…。
Commented by rivarisaia at 2008-11-12 17:10
やっぱり自作してみないとダメでしょうか(笑)
とりあえず画用紙か何かでつくってみるべきか。
でも実際にかぶって歩いたら、近寄りがたい変な人ですよねー。

別のハウツーサイトを見ると、どうやらピンで止めてたらしきことは判明しましたが、うしろのベール部分がどうひっついてるのかもナゾですよねえ。昔の人はいろいろなものを考えますよねー。

ロココ時代の超高く結い上げた(しかも船などを付けてたらしい)髪型にも過剰反応してしまう私です。あれも実物のカツラを見てみたいものです。

by rivarisaia | 2008-11-10 22:02 | 映画/洋画 | Comments(4)