2006年 09月 08日 ( 1 )

らくだの涙

以前アメリカに住んでいた時に、友だち大人数で動物園に遊びに行ったことがあります。その動物園の一角にラクダがおり、それを見たアラブ系の友人2人(正確にはモロッコ人とカタール人)が大喜び。「懐かしいなー、ラクダだよ。こっちに呼んでみよう!」と言って、何やらよく分からない言葉で声をかけ始めました。

すると驚いたことに、遠くの方にいたラクダがわらわらと寄ってきたのでした。
私たちが「ラクダ〜、カモーン」と呼んだ時は見向きもされなかったのに。

なぜだ?

「このラクダはアラブの方から来たに違いないよ。だから英語が通じないのさ。ハハハ」と、得意げな2人はしばしラクダと歓談。いや、私たちには本当に親しげにラクダと会話をしているように見えた。ラクダは柵から首を突き出して、たいそう嬉しそうだったのです。

そんなことを思い出した映画がこれ。

らくだの涙(The Story of the Weeping Camel)
監督 ビャンバスレン・ダバー(Byambasuren Davaa)、ルイジ・ファロルニ(Luigi Falorni)

モンゴルに暮らす4世代の遊牧民一家。ある日、若い母ラクダが難産の末に白い子どもを産む。ところが、出産の苦しみから受けたショックのせいか、母ラクダは子どもに乳をあげようとしない。このままでは子ラクダが死んでしまうと心配した家族は、遠い町から馬頭琴の演奏者を連れてきて、母ラクダに音楽療法を施すことに...。

b0087556_2051447.jpg


いやはや驚きのドキュメンタリーです。

監督は、「ラクダが子どもを拒絶することがあり、モンゴルではそれを治療するのに音楽を使う風習がある」のを知っていて、映像化を試みたそうです。

そんな風習は初めて知りましたが、これがうまくいかなかったことはまずない、というから驚きです。歌の歌詞は、ラクダに対しては「HOOS」ヒツジには「TOIG」という4文字を繰り返すのみ。意味もなければ決まったメロディーもないらしい。

モンゴルの大自然の美しさとか、5才くらいの少年が一人前にラクダを乗りこなしているのもスゴイのですが、何といってもこの音楽療法には心底驚きました。

一体どうして...? 

遊牧民には家畜に音楽を聴かせるという習慣があるらしいのですが、音楽のもつ不思議な力を目の前で見せられた感じです。

ちなみに、我が家で飼っている猫は男性が話すイタリア語に反応します。かつてイタリア語の学習テープを聴いていたら、狂ったようになっていました。そのことをイタリア人女性に話したら、「あー、イタリアの男はアニマルだからね。何か近いものを感じたんじゃないの?」と言ってましたが、うーむ...。
[PR]
by rivarisaia | 2006-09-08 20:53 | 映画/アジア | Trackback | Comments(6)

見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
プロフィールを見る