2010年 09月 14日 ( 1 )

ゴキブリたちの黄昏

今年の夏は高温多湿の亜熱帯ジャングルのようで、またダメ押しのように大雨による冠水に見舞われたりもした東京でしたが、みなさまお元気ですか。私は暑さと湿気のせいで絶好調とはとてもいえず、低調でしたが元気です。ベランダの草花はハーブを除いてすべてドライフラワー化しましたが。

しかしですよ、みなさん。今年の夏はね、何故か家の中で1匹もアレを見なかった! ルリクチブトカメムシの幼虫とシバンムシは発生したけど、アレは見てないんですよ!

アレとは、折にふれ本ブログで言及してますが、G ではじまる黒い甲虫のことです。

さて、心底 G 嫌いなこの私が、何を血迷ったか「主人公が G」という日本映画を観たことがあります。タイトルは書くのもイヤだが、ズバリ

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ゴキブリたちの黄昏(Twilight of the Cockroaches)』監督:吉田博昭

なんで観てしまったのかにはちゃんと理由がある。その昔、異国で生活をしていたときに、「あーー!もうたまには日本語の映画が観たいよね!なんでもいいから、日本語、日本語!」という気分になり、たまたまそんな時期に大学の映画館で日本語の映画を上映していたのだ。それがよりによってコレ。

基本的には G はアニメーションで、それを実写と合成というものすごい映画。視点はあくまで G。一応 G は擬人化されたマンガチックなかわいいキャラクターになっているが、しかし、所詮みんな G。そしてときどき、実写になる G。

読みたくないでしょうが、ざっくりとしたあらすじ。

とある独身男性(小林薫)の家は、G たちにとってパラダイス。片付け嫌いの男性宅で、ヒロイン(声:浅野温子)や仲間の G たちは、人間との平和的な共存生活を送っていた。いっぽう、とあるキレイ好きの独身女性(烏丸せつ子)の家は、G たちにとって地獄のような戦場と化していた。多くの G が毒ガス(殺虫剤)にやられ、あるいは罠(ホイホイ)に捕われの身となり、愛する家族の名前を呼びながら死んでいったのである。

ところが、この男性と女性が付き合い始めたことをきっかけに、パラダイスだった男性宅に異変が起こる。それは大虐殺の幕開けだった.....。


うむー。これは.....。

ヒロインとその恋人のラブストーリー、戦火の中で自分を守って死んでいく恋人、そしてヒロインのお腹には恋人との子どもが...という、かなり感動的な物語にしようとはしているものの、ちっとも感動できなかった。だってみんな G だから。

後半は未曾有の大虐殺。ヒロイン以外の G は皆殺し。そしてラストは毒ガスを浴びながらも外の世界に脱出したヒロインの G が、自分を助けるために死んだ恋人を想いながら

「私、おなかの中の子とたくましく生きていくわ。きっと毒ガスに免疫のある子どもたちが生まれてくることでしょう。人間には負けないわ」


と子孫繁栄を誓うという、観てるこちらは背筋がうすら寒くなるオチで終わった。

ドブネズミが主人公なのに気もち悪いとは思わなかった『冒険者たち(ガンバの冒険)』とくらべて、なんですかねこれ。でも先日、久々に『冒険者たち』を読み返して微妙な気分になったのは、庭でネズミを目撃して鬱々とした後遺症でしょうか。

本作のそのほかの声優陣は、宮川一朗太、平田満、柳生博、北林谷栄、鳳啓助、古川登志夫、ハナ肇、伊武雅刀、古尾谷雅人、丹波哲郎など、豪華です。でもみんな G。

そしてさきほど家人から恐ろしい話を聞きました。なんでも7月頭に、家のドアを開けたら、手の上にデカイ G が落ちてきたらしい。「ヤツらはいるんだよ、確実に!」と真顔で言われたんですけど、このまま私は姿を見ないで秋に突入したいです。
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by rivarisaia | 2010-09-14 00:37 | 映画/日本 | Trackback(1) | Comments(6)

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