2017年 09月 13日 ( 1 )

The Twelve Lives of Samuel Hawley

アクション&バイオレンス+クライム・サスペンス+謎の死にまつわるミステリー+父と娘のロードトリップ+ティーンの少年少女のロマンス+少女の成長物語……という、もりだくさんの1冊です。

「タランティーノのようなひねりの効いたプロット」という紹介文もどこかで読んだ気がする。それも一理あるかも。ページターナーで面白かった。

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The Twelve Lives of Samuel Hawley』Hannah Tinti著、Dial Press

いい意味で予想を裏切る展開だったので、詳細はあまり知らずに読むのをおすすめ。そこで、あらすじはざっくりとだけ書きます。身体に12の銃痕を持つ男 Samuel Hawley と彼の娘で聡明でタフな Looの話。

幼い頃に母親を亡くしたルーは、父親のサミュエルとともに各地を転々として暮らしてきた。やばい裏稼業に手を染めていた父親は、身の安全を守るため、ルーにも幼いうちから銃の扱いやサバイバルの方法を教え、ひとつの場所に長居することもしなかった。しかし、ルーも十代になり、そろそろ腰を落ち着けるべきではないかと、親子はある小さな港町に越してくる。

そこはルーの母親リリーの故郷だった。

ルーは高校に編入し、サミュエルは漁師として生計を立てはじめ、初めはよそ者扱いされていた親子も、いろいろな出来事を経てだんだん町の人々から受け入れられるようになる。長いこと友人ができなかったルーにもついに気になる存在の同級生があらわれたり、疎遠になっていた祖母(リリーの母)とも少しずつ歩みよっていったりする。しかし、サミュエルの過去がじわじわとふたりを追いかけてくるのだった

そもそも母親リリーの死は本当に事故だったのか。

そしてサミュエルの身体の12の銃痕にはどんな真実が隠されているのか。

おもにルーを中心にした現在の章と、第1の銃痕、第2の銃痕……という形で明かされるサミュエルの過去の章が交互に展開する構成になっています。

因果応報とはよく言ったもので、自らの行いにはそれに応じた報いがいつかやってきて、うまく切り抜けたつもりでいても必ず後で代償を払うはめになる。それなりに小さなツケを払いながら生きてきたサミュエルとルーも、前に進むために過去と向き合い、きっちりと清算しなくてはならなくなる時がやってくる。

バイオレンスに満ちているものの、どこかファンタジーのような雰囲気も漂っている。サミュエルが裏稼業で取引しているブツが麻薬などではなくて意外なブツである点も理由のひとつかも。

何度も切ない気持ちになりながらも、最後は何かを成し遂げた清々しい気分で本を閉じました。登場人物たちのその後が気になる〜。どうなったかな……。


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by rivarisaia | 2017-09-13 22:22 | | Trackback | Comments(0)

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