「ほっ」と。キャンペーン

今までやるやる詐欺だったけど、この春からはもっと真面目にイタリア語やるんだよ、という決意のもと、結構前に買って放置していたイタリア語のテキストを引っ張り出しました。

じゃじゃーん!
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『Boccaccio Cinque Novelle』(Bonacci editore)

「Classici Italiani per stranieri(外国人のためのイタリアの古典)」のシリーズより、ボッカッチョの『デカメロン』から5つの話が収録されてます。友だちに「デカメロンか....エロいの?」って聞かれたんですけど、ざっと見た感じでは特にエロくない以下の5話ですよ。

4日目第9話(心臓を料理して妻に出す話)
5日目第8話(ナスタージョ・デリ・オネスティの話)
7日目第4話(トファーノの井戸の話)
6日目第10話(修道士チポッラの話)
8日目第3話(カランドリーノの魔法の石の話)
最初に収録されている、「妻の愛人の心臓を料理して妻に食べさせる」というグロい話が記憶に残っていて、あ、それ原文で読んでみたいと思ったのでした。そりゃいいとして、このテキストの中ページどうなっているかというと、こんな感じ。
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上の灰色の枠の中におおまかなあらすじが書いてあって、原文と現代イタリア語訳が見開き対訳になって掲載されていて、左右の灰色の枠に訳注があるという親切設計です。

果たしてこれ、私に読み解けるのかしら....。よくわからないけど、最初の話くらいがんばってみるね。



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by rivarisaia | 2016-04-08 10:38 | ラテン語・イタリア語など | Comments(0)

先日、イタリア人に聞いた「ジャッロ」と「ホラー」の違いの話をしたついでに、イタリア語の色の話でも。

すでに記した通り、イタリアでは、ミステリのことをジャッロ(Giallo)と言います。シャーロック・ホームズもアガサ・クリスティもジャッロ。「Giallo」とは「黄色」という意味です。

これは、モンダドーリという出版社から出ていた「IL Giallo Mondadori」というミステリ・シリーズの表紙が黄色だったことに由来します。つまり黄表紙だ。こちらはそのシリーズから出ているアガサ・クリスティの『オリエント急行殺人事件』。

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確かに黄色ですね。いまでもこのシリーズはクラシック・ミステリ・シリーズとして出てるっぽい。公式ブログもあるし。

ちなみにシリーズの1冊目は、1946年の『Perry Mason e l'avversario leale』(E.S.ガードナーのペリー・メイスンシリーズ『おとなしい共同経営者』)。

モンダドーリから出ている最近のミステリの表紙は別に黄色じゃないんですが、どこかに黄色が使われているのはやっぱりジャッロだからでしょうか。謎だ。

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さりげなくタイトル文字が黄色だったり、表紙に黄色い輪っかがついてる。真偽のほどは定かじゃないけど、ミステリだからなのか?と考えてしまうわ。

そしてジャッロの中で細かく「il poliziesco/警察物」「il Noir/ノワール」「il thriller/スリラー」「il romanzo di spionaggio/スパイ小説」とわかれてるので、イタリアの本の通販サイトやお店でミステリを探すときは「Giallo」の複数形「Gialli(ジャッリ)」というカテゴリを見ます。

前回説明したように映画もミステリならジャッロ。ジェシカおばさんもコロンボ刑事もそうだし、CSI や Law&Order もジャッロです。

ちなみに怪奇小説は「il romanzo nero/romanzo=小説、nero=黒」。黒い小説…というと松本清張を連想してしまう私ですが、フランケンシュタインやドラキュラなどのゴシックホラーもここに入ります。

ロマンス小説は「il romanzo rosa/rosa=ピンク、バラ色」。直訳するとピンク小説に(笑)。ここはバラ色小説と考えたほうがロマンス度があがるかしら。

ポルノは「a luce rossa/赤い光の」となり、ポルノ映画は「film a luci rosse(←複数形なので語尾が変わる)」。何故に赤なのかと言うと、聖書に出てくる娼婦ラハブが窓から赤い紐を垂らしたエピソードからきているという説や、歓楽街で赤いランタンが使われているからという説などがあって、よくわかりません。あ、でも日本も歓楽街に関しては「赤線」っていうし、遊郭の印象も緋毛氈や赤い布団だったりしますね。

ついでに書いておくと、新聞記事やニュースのことを「la cronaca(クロナカ)」というのですが、これも次のように色で表現します。

la cronaca nera=黒い記事=社会欄、犯罪記事
la cronaca rosa=ピンク/バラ色の記事=有名人の結婚、おめでた、ゴシップなど
la cronaca bianca=白い記事=家庭欄、あるいは地元の公共機関の情報など

色で表現するっておもしろいですよねえ。他にも調べたら、まだまだありそう。
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by rivarisaia | 2011-08-14 23:55 | ラテン語・イタリア語など | Comments(0)

雑用を片付けていたら週末が終わってしまい、あれれ?な気分でいっぱいです。いろいろやろうと思ってたのに……ま、いいか。来週やれば。

最近まったく触れてないラテン語ですが、つい先日、ヒストリーチャンネルで古代ローマの番組を見ていて、いつになくヤル気が出ている今日このごろ。新しいテキストがほしいところですが、そういや、うちにはこんな本がある。
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Fairy Tales in Latin: Fabulae Mirabiles
Victor Barocas著、Susan Schearer編集、Brad Rhodes絵、Hippocrene Books刊

白雪姫や赤ずきん、といったなじみ深いおとぎ話をラテン語で読んでみよう!という主旨の本です。アメリカのAmazonで評価が高かったので、昨年購入。本書には長所と短所があります。

●長所

(1) 字が大きくて、ひとつの話が約3ページと短いので、気軽に読める。

長ーい文章を解読中、わけがわからなくなって撃沈!ということがありません。おお、キケロよ、なぜ君の文章はそんなにまどろっこしいのだ…などと涙目になることもない。

(2) 元の話を知っているので、単語の意味が簡単に想像がつく。

これは初心者学習者にとって重要です。ラテン語の単語は変化しまくりなので、うっかり勘違いすると、文章の意味が変わってきちゃう。たとえば、「母が・太ったブタを・食べました」と「豚が・太った母を・食べました」では、全然意味が違うじゃない?

元ネタを知っていると、解読するのがマジで楽なんですよ...。

●短所

(1) 元の話を知りすぎているがために、辞書を引かずに推測だけで読んでしまう。

学校に通ってたときは、本当に毎晩泣きながら辞書をひいていた。先生の指摘に備えて、すべての単語の意味のみならず、格変化までもビッチリとメモしていた。それが逆にタメになったわけですが、元ネタを知りすぎているうえに、先生の激しいツッコミがないと思うと、ほんとに辞書ってひかなくなるもんですね…。

さらに、これが肝心なんですが、

(2) 挿絵がヒドイ(笑)

いや…その、まあ何ですか、堅いラテン語の本にも挿絵を入れて親しみやすくしよう、という心意気は買う。でも、この絵はあんまりだ。グリム童話の大昔の挿画を使うのではダメだったの? だって、こんな絵なんだよ。。。

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左が白雪姫の挿絵、右は裸の王様の挿絵。もっとマシな絵もあるんだけど、見れば見るほど雑な絵なのだった。

結論としては、やっぱり学問に近道なし、せっかく読むなら『ガリア戦記』などに挑戦したらいかがか?という気分になったのでした。初心者が息抜きで読むにはいいかも。たぶん、読み終わったあかつきには、「難しくてもちゃんとしたのを読もうかな〜」という気持ちになると思います。

似たような本で『Fairy Tales from Before Fairy Tales: The Medieval Latin Past of Wonderful Lies』というのがミシガン大学から出ていて、こちらは表紙の絵や内容説明をみると、本書よりも本格的でおもしろそうです。ちょっとほしいが、中世ラテン語ときたもんだ。私が手を出すのは、まだまだ先の話…でも先に買っておくという手もあるか…。
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by rivarisaia | 2009-11-09 01:25 | ラテン語・イタリア語など | Comments(0)

異国の友よりクリスマスカードが届きはじめて、やばい…今年もまた出遅れた、という気分でいっぱいのわたくしです。そういえばクリスマスって今月でしたっけね!すっかり気がまわってませんでしたよ。リースも発注してない。そんな私は、もはやだれも覚えてないかもしれませんが、一応カトリックの人…。

ちなみに私のように不信心な、というか別に不信心ではないんですけど、とにかく毎日曜にミサに行かない信者のことを、イタリア語で「non praticante:ノン・プラティカンテ」と言います(毎日曜にミサに出席する人は praticante という)。

そんな"non praticante"な人々が「やばい…今年もほとんどミサに出なかったよ…」と肩身のせまくるしい思いでいっぱいになりながら教会に行く日、それがクリスマス。余談ですが「今年こそはがんばって来ようと思います…たぶん…」という自信ない気分で教会に行く日がイースター。ううう。

さて。
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クリスマス気分を盛り上げるべく、本日よりクリスマスの歌やら賛美歌やらをガンガンかけまくることにしたんですが、ハタと気づきました。そういえばイタリアのクリスマスの歌を知らないなーということに。

インターネットにお伺いをたててみたものの、あんまり出てこないのね。なぜ?

たくさん見つかるのは、「きよしこの夜/Astro del Ciel」「ホワイト・クリスマス/Bianco Natale」とイタリア生まれのクリスマスソング「Tu Scendi dalle Stelle:星空から降りてくる」くらい。イタリア語版の賛美歌の歌詞はどこで見られるのかしらね。

もう1曲「イタリアのクリスマスの歌」でヒットするのは、「Adeste Fideles」。
これはクリスマスミサでは外せない賛美歌「神の御子は今宵しも/O Come, All Ye Faithful」のことですが、タイトルからも察せられるように、歌詞は思いっきりラテン語なのであった。イタリアの教会ではこの曲はラテン語で歌うのがデフォルトということ? 検証すべくこの冬イタリアに行きたいところですが、そんなお金と時間はない。

とりあえず、「Adeste Fideles」はラテン語の歌詞を覚えようと思います。

歌詞はwikiにありますのでコチラをご覧の上、みなさまもラテン語で歌ってみるとよいかと思います。基本ローマ字読みでOK。「V」の発音は古ラテン語では「ウ」なので、「Venite」は「ウェニーテ」です。

上のサイトでは繰り返しの部分が2パターン表記されてまして、「plurimus vetus」は古いラテン語、「plurimus vulgaris」は俗ラテン語バージョンです。

あ、一緒に歌うのに見本も必要ですね。では、Andrea Bocelliさんバージョンをどうぞ。


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by rivarisaia | 2008-12-09 23:06 | ラテン語・イタリア語など | Comments(4)

ええっと、とりあえず、キリのいいところでラテン語のクラスを終了した私です。もう気力も体力も続かないので、今後は自宅で自習を…と宣言したいところですが、大量の宿題から解放されたとたん、何もしてません!

でもあれだけ泣かされてきたのに、キレイサッパリ忘れ去るわけにはいかないので、たまに本とか学習サイトなどを眺めたりしてるんですが、眺めるだけかよ!というツッコミはさておき、話はWikipediaに飛ぶ。

どこまで信用できるのか謎とはいえ、Wikipediaにはラテン語版が存在する。内容はそんなに充実してないけど、ラテン語で記事を書く人が存在していること自体、エライ!としか言いようがありません。

つらつら眺めておりましたら、『スターウォーズ』の項目があるじゃないですか。
泣ける…。

そこで以前、コチラでイタリア語版をやりましたので、ラテン語版も一応メモしておこうと思います。何かの役に立つかもしれませんしねえ。

スターウォーズBella Stellaria
遠い昔、遥か彼方の銀河系でDiu, diu abhinc in galaxia ultra, ultra
フォースとともにあらんことをVis Vobiscum

「願わくはXXとともにあれ(May XX be with you)」は「XX vobiscum」だけでいいのねー。 たとえば「平和とともにあれ」は「Pax vobiscum」です。
「vobiscum」が「with you」にあたりますが、この場合の "you" は複数なので、単数なら "tecum" だと思います。これは応用が効くので、ぜひご活用ください(って、いつ、どこで?)。

ジェダイの騎士Eques Iediensis

Equesは騎士という意味ですが、ジェダイのラテン語訳「Iediensis」(自分用メモ:語尾が「-is」なので第三変格)の出典元をみて、驚愕。

2007年のハーヴァード大学卒業式での、チャールズ・ジョセフ・マクナマラさんという学生によるラテン語の式辞なんですけど、さすがハーヴァード!

あなたは古代ローマの人ですか?と言いたくなるくらい流暢なラテン語の演説。しかも大学生活をスターウォーズになぞらえて語るというバカバカしくも高度なことをー!

YouTubeに映像があるのでご覧あれ。
また、原文と英訳が「Harvard Magazine」にありましたので、勉学の役に立てたいと思います。

ちなみに、彼の演説から以下の単語も拾いました。

ライトセーバー Ensis Lucifer
文中では「enses luciferos」となってますが、ラテン語の名詞は語尾が変化しますので、これは「"複数の"ライトセーバー"を"」という形(第三変格の複数対格)とみた。したがって単数・主語の形なら「Ensis Lucifer」です。

では、英語字幕つきでマクナマラさんの式辞をどうぞ。すごすぎる…。



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by rivarisaia | 2008-10-08 23:39 | ラテン語・イタリア語など | Comments(0)

イタリアの13と17

疲労困憊しました。何だ、あの試合(笑)。後半、かなりおもしろかった。ルーマニアもすごいと思ったし、何とかイタリアも次につながった....のでしょうか。ブッフォンが手足を使ってPK止めたときはキーパーのそこぢから、止めてみせます気合いで!!という鼻息を感じました。それはそうと、夜中にあ〜〜〜!だの、ギャーー!だの、ノーーーー!だの、イエスイエスイエス!だの、近所迷惑な私である。

世間一般では不吉な印象の13日の金曜日ですが、イタリア人にとって13はそんなに不吉ではなく、逆にラッキーナンバーだったりします。だから、なんか勝ちそうな気もしたんですけど、結局1-1で引き分けました。ルーマニアvsイタリア。

イタリアで不吉な数字は「17」です。なぜなら、

17をローマ数字で示すと「XVII」
 ↓
XVIIを並び替えると「VIXI」になる
 ↓
「VIXI」はラテン語「VIVO(生きる)」の1人称完了
つまり「私は生きた=今は死んでいる」
 ↓
死....超不吉....。

なんで並び替える必要があるのかよくわかりませんが、そういうことです。
なので17日の金曜日がとてつもなく不吉な感じがするらしい。

ええっと次のフランス戦が17日だが、大丈夫か。でも金曜じゃないしね、そんな迷信を気にしてもしょうがないわよ!(誰に対して言ってるのか不明)

連日仕事とEUROの両立がツライので(誰も両立しろとは言ってないけど)さすがにもう寝たいのですが、こうなってはオランダとフランスも生で見ないといけない気分になってきますね...。明日は休みだし。あっ、試合が始まってしまったので、ではまた〜。

追記:オレンジ熟してますYO! もう何、あの怒濤の後半。おめでとう!
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by rivarisaia | 2008-06-14 03:47 | ラテン語・イタリア語など | Comments(2)

忙しいですけど、ラテン語も相変わらずひいひい言いながらやってます。
古典ラテン語なので中世ラテン語にまで到達してませんが、到達できそうにないね!と自信がついてきた今日この頃。

その理由はいろいろあるわけですが、こんな辞典を買ってしまい、ますます負の自信がついたのでした。いいのか、そんなことで、自分!

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Dizionario di Abbreviature:Latine ed Italiane
(略字辞典:ラテン語ーイタリア語)
Editore Ulrico Hoepli Milano刊

中世といえば、写本の時代。写本といえば、当然手書きです。手で書き写すのはとても大変で苦労の多い、ハッキリ言って死にそうな仕事でした。冬なんて光を入れるために、窓ガラスが存在しなかった窓を全開。凍え死にしそうな環境で座りっぱなしで写していたわけですよ。同じ文字なんてちまちま写してられっかよ!となるのも至極もっともなことです。

で、まあ頻繁に使われる言葉は略字で書いていたのでした。それは知っていた。知っていたけど、こんなに略字が山ほどあるのは知らなかったのよ!

イタリア書房にイタリア語のペーパーバックを買いに行った時に、この略字辞典を発見。思わず使うあてもないのに買ったはいいけど、眺めていて一瞬気が遠くなりました。中ページはこのような感じで、夥しい数の略字が....。
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こ、これは....。暗号か何かにしか見えん。
数字なら読めるか?と期待しつつ、数字のページを開いてみると.....

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「1438」はどー見ても「2938」にしか見えないです。

下から3つめの「14ojj」が
「1502」というのはこれいかに!?

参りました。
もう写本読めるようになるかも〜とか口走りません。
すみません。初心に返り、地道に進みます。ははは。
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by rivarisaia | 2008-04-27 23:59 | ラテン語・イタリア語など | Comments(2)

イタリア語の歴史

イタリア語学習者(+ラテン語学習者)のための本が出ました。また、ずいぶんターゲットの狭そうな本ですけど、本当にありがとう白水社。

イタリア語の歴史 俗ラテン語から現代まで
ヴァレリア・デッラ・ヴァッレ&ジュゼッペ・パトゥータ著 草皆伸子訳

b0087556_2352424.jpgこれまで、なんでラテン語なんてやってんの、もう誰もしゃべってないんでしょう、と何度も言われ、自分でもなぜでしょうね状態だったんですが、本書の出だしにイキナリ目からウロコの1節が。
"言語には、普通の意味での誕生や生や死はない。イタリア語はラテン語から発生(つまり誕生)したのではなく、ラテン語の延長だ。(中略)早い話、イタリア語は今日のイタリアで使用されているラテン語だと言うことができる。"

つまり、スペイン語は現在のスペインで使われているラテン語だし、フランス語はフランスで使われているラテン語だ、という主張。そうか、そうよね! 今度から、ラテン語は今でも使われてるよ、と切り返してみよう。

実際の単語や文章を例に出して、言語の移り変わりを説明しているので、イタリア語を習っている人はとても興味深く読めると思います。さらに注釈に人名の解説が載っているところがなにかと便利。現代ラテン語(イタリア語)がちっとも進歩しないので(むしろ後退している気すらする)、今年こそ何とかしたい私でした。
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by rivarisaia | 2008-02-05 23:58 | ラテン語・イタリア語など | Comments(8)

羅和辞典で泣く

ラテン語、なぜだか今年も続けている私。

昨年は「学生時代にもこんなに勉強したことはなかった(泣)」が皆の合い言葉。先生は厳しいけれどユーモアのあるお方で、生徒らをたまに持ち上げては落とす、というツッコミのタイミングが絶妙(あの先生じゃなかったら宿題やらなかった)。

そして今年の先生もすばらしい。とにかく解説がめちゃくちゃ面白い! 「え、そうなの?」というネタをサラリと言うので、発言を一言も聞き漏らせない。ああ、続けてよかった。

さて、ラテン語学習者必携のラテン語辞典。最高峰はやはり「Oxford」(英語)だと思うのですが、1冊目はやはり日本語の辞典が欲しいところ。大学書林か研究社の2冊しかなく、前者がお値段が高いので研究社のほうを購入しました。


羅和辞典』研究社 増訂新版 田中秀央編

ところで先日、「この辞典、泣けるね......」と家人がしみじみいうのである。

辞書にはたった2ページほどの「まえがき」があり、そこには淡々と以下のような内容が記されていた。

「Festina lente(ゆっくり急げ)」の言葉を胸に、羅和辞典の編纂を思い立った田中先生が、たった1人でペンを手にしたのは昭和10年3月。そして昭和17年に、若き学徒、斎藤信一氏が仲間に加わるも、作業半ばにして斎藤氏は戦争の犠牲に。その後、田中先生はまたもや1人で努力を続け、ついに出版にこぎつけたのは、昭和27年6月のことだった。


戦争と出版界の不況で辞書編纂作業は何度も頓挫しつつ、完成までじつに17年もの歳月が流れていたのであった。すごいなあ、田中先生の情熱というか、コツコツと続ける地味な努力。戦中、戦後とご自身の生活も大変だったろうに。

ふと辞典のトビラページを見ると、

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ああ!ここにも「Festina lente(ゆっくり急げ)」の金言が!! 泣ける.....。

ちなみに、どの先生も口をそろえて「ラテン語はねえ、辞書をきちんとひけるようになるまでに数年かかりますからねえ」とおっしゃる。何をまたそんな大げさな!と思ってましたが、ハイ、その通りでした。辞書、使いこなせてません.....。「Festina lente」が身にしみる今日この頃。
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by rivarisaia | 2008-01-18 21:53 | ラテン語・イタリア語など | Comments(2)

ラテン語の世界

来週から勉強関連は夏休みモードに入るので、なんだか勢いあまっていろいろ書き連ねちゃったので、またもやラテン語ネタでいいですか。すでに食傷気味の人もいるかもしれないけどさ。

そんなわけで、ラテン語ですが、じつは発音が重要で、「アー」と音を伸ばすか伸ばさないかで意味が変わったりします。私は古典の発音で学んでいますが、なぜ大昔の人の発音がわかるのか?

そんな悩めるビギナーにおすすめの本がこれ。

ラテン語の世界—ローマが残した無限の遺産』 小林標著 中公新書

ラテン語を習ってない人でも、言語学や言葉に興味があれば楽しめる本。ラテン語の歴史や発展のしかた、ほかの言語に及ぼした影響などがわかりやすく書いてあるし、何より著者の知識の豊富さとラテン語への愛情が感じられる点がいい。本書によると、研究や資料などから、紀元前1世紀の発音はかなり正確に復元できているらしい。なるほど。

ところで、塩野七生さんが『ローマ人の物語:勝者の混迷』の巻末で「日本ではラテン語の発音がドイツ式」と記しているのですが、ドイツ式って何? 要はドイツ式=古典式ということ?

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たとえば、キケロはドイツ式(古典式)だと「キケロ」だが、イタリア式だと「チチェロ」である、と塩野さんは書いているのですが、私の知り合いのイタリア人数名に聞いてみると、「古典ラテン語の発音なら、イタリアでもキケロって発音するよ」と当然のように言うんだけど......。

さらに「ドイツ式で妥当なのか」と問う塩野さんは、その理由も3つほど挙げていて、

 1. 当時の落書きから発音を推測するとイタリア式が妥当
 2. 教会式がイタリア式を採用している
 3. ラテン語で書かれた当時の文章を声を出して読むと、ドイツ式ではリズムが崩れる

ううむ.....。しかし、1番に関しては、日本の昔もそうだけど、庶民と貴族の発音は違っていたのではないかという気がするし、2番はキリスト教以前のローマとはあまり関係ないような気も。

3番に関しては、おそらく塩野さんはイタリア語の発音のほうが耳になじんでいるから、そう感じるんだろうなあと思う。フランス人に聞いてみたら、フランス式のほうがリズムがよい!と言いそうだ。

『ラテン語の世界』には、初期のキリスト教には社会の下層部の信者が多かったので、ラテン語も彼らに合わせてあり、古典ラテン語の知識を身につけた人からは嘲笑されるような種類のものだったようだ、なんて話も書いてあった。長い歴史のなかで、ラテン語にもイタリア式、フランス式、ドイツ式......という訛りが生まれていくのでした。学習者は、発音のバリエーションに臨機応変に対応できればいいのではないかと思う(私の場合、まずは古典式だ)。

よく考えてみると、ラテン語で歌を歌う人たちは大変だよね。ドイツの作曲家だからやはりドイツ式で......いやいやこれは教会式で.....この曲はやはり14世紀フランス式で....とやっているのだろうか。たぶん、そうなんだろうと思う。
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by rivarisaia | 2007-07-17 20:29 | ラテン語・イタリア語など | Comments(4)