「ほっ」と。キャンペーン

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昨日の続きです。

弱火になっていた心の灯火が轟々と燃えさかる炎になったのは『無間道(インファナル・アフェア)』が原因と書きました。多分、この映画がなかったら、ジョニー・トー(杜[王其]峰)の映画を観まくる日々はなかったでしょうし、ひいてはエリック・ツァン(曾志偉)、ラウチン・ワン(劉青雲)、チャップマン・トー(杜[シ文]澤)、ラム・シュー(林雪)、という太めの侠萌え〜な状態に陥ることもなかったでしょう。ラム・シューは微妙かもしれませんが、常に注目してしまうキャラなのでお仲間入りです。太めとジョニー・トーさんと何の関係が?などと、あまり突っ込まないでください。

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             エリック、ラウチン、チャッピー、ラムシュー!
          こうして並べるだけで鼻血出そうなんですけど、どうよ。


レスリー・チャン(張國榮)、トニー・レオン(梁朝偉)、レオン・ライ(黎明)も大好きなんですけど、やはり、知名度アップのために太めの方々のほうをひとつ宣伝しておかないと。しかし、あまり太いと言うな〜と怒られそうなので、この辺で自粛しておきます...。


もうひとつ、功夫映画に端を発する「燃え」な気分というのも私の中に常に存在しておりましたが、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』(以下『ワンチャイ』)や『スウォーズマン』の時に、私の周囲はざっくり二分されました。つまり、ド派手なワイヤーアクションに「燃え〜!」となった人々と、「引く〜」となった人々です。当然、私は「燃え」派です。

なぜ、壁をやすやすと駆け上がれるのだ、なぜ布や針が凶器になるのだ、人間離れしすぎている、と散々言われたものですが、今なら内功がどーしたこーしたと気の効いたことのひとつも言えるのに、当時は「だって、達人だもん」としか答えられない私でありました。


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         『ワンチャイ』の名バトル「ドニー先生vsリンチェイ」。
 ドニー先生の手にかかれば一反の布も凶器と化す。タオルで真似した人は私だけではないはずだ。


あまりにワイヤー多用なのもどうなのよ、と最近ではちょっと思っているのですが、良くも悪くも飛ぶアクションの市民権向上に一役買ってくれたのが『グリーン・デスティニー』と『HERO』です。『グリーン・デスティニー』はチャン・ツィイー(章子怡)がムカツク!という話はさておき、これまでの動的なワイヤーとは対照的な静的なワイヤーに感心しつつ、ユンファが、ぶ、武芸を!というハラハラ感がありました。『HERO』は、映像がキレイなのはもちろん、長年待ってた「ドニー先生vsリンチェイ!」に涙。

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    この夢の対決を何度観たことか。チャリーンという刀の音が涼やかなのよねー。


金庸やら古龍の武侠小説を読むようになり、大陸の武侠ドラマまで見るようになったのは、この2本のおかげ。武侠ネタをつかめば、チャウ・シンチーの映画で笑いも倍増するというものです。

しかし、やっぱり「人が飛ぶのがおかしい」という人もいるので、詳しくは岡崎由美さんと浦河留さんが書いた『武侠映画の快楽』(三修社)を読むとナットクしてもらえると思うんですが、簡単に書くと功夫映画では人は飛びませんけど、武侠映画で人が飛ぶのは普通の仕様です。

スーパーマンだってスパイダーマンだって飛ぶじゃないか。飛ばなかったら話にならないだろう。それと同じです。技です、技。そもそもワイヤーアクション自体が、その技=軽功を映像化するべく発明されたものです。確かに最近の「お前ら軽功ばっかりじゃん!」というワイヤーばかり重視した映画にもやや疑問があり、武侠とは「武術+任侠」なのに、どっちかが欠けている気がしても「武侠だ」と言われるのも腑に落ちないのですが。

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そんな疑問が出たら初心に返れ、ということで、今度はショウブラザース(邵氏、以下ショウブラ)の映画に回帰するハメになったのも、自然の流れ。昔は気づいていなかったが、今となっては恐ろしいくらいの武打星の宝庫ですね。左から陳観泰、岳華、羅烈、王羽、傅聲。ホレボレしますね。
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劉家良師父の上には劉家輝、狄龍、小侯。『男たちの挽歌』で渋い兄さんだった狄龍は、若い頃は美青年。
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でもいちばん好きなのは姜大衛! 誰ですか、武芸がヘタだと言うのは! それも愛嬌ですから。
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昨日、今日と、女優はどうした、女優は!というくらい無視していますが、好きな女優もたくさんいるんですけど、キリがないから割愛。昔の女優さんにも、キレイでしかも強い!という方がたくさんいらして、本当にすばらしい。タイミングよく、キングレコード様からDVDがわんさか出たりするし...。おまけに、来年からはゴールデンハーベスト社の70年代クンフー作品のリリースですって!?(参照:電影宣伝自由人さま)ひいいい。

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         こんな気分でもあります。嬉しい叫びなのかもしれませんが。


最近の映画もふくめて、ただでさえ海外DVDに散財しているというのに、もうどうしたらいいの〜!!と絶叫する日々はまだまだ続く...。こうして振り返ってみると、興味対象が広く浅くな自分は節操なさすぎ、と思ってたのに、一応流れがあったことがわかりました。そう、リー様を源流に浅いけど、ゆったりと清水の流れる川が...。川幅が細くなることはあっても、水は決して枯れることはないだろうと確信しました。そんなわけで、いつもお世話になっている皆さま、これからもどうぞよろしくお願いします。


...と、うまくまとめたつもりで、ハッと気づいたら、ジェイ・チョウを盛り込む余地がなかったじゃん...。これはまた後日だ。
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by rivarisaia | 2006-10-31 21:34 | 映画/香港・アジア | Comments(12)

去年は仕事、そして今年も仕事とヤボ用のダブルパンチを受けつつ、何とか奔走したTiFFが終わってしまいました。来年こそは昔みたいにジャンジャカ観ようと決意を新たにいたします。だって、TiFFで上映されても、劇場公開もなければDVDにもならない映画が多いんですもの。ぜひ劇場公開めざして、関係者の皆様よろしくお願いします。観に行きますから!


ところで、数週間前、リアル知人にショウブラとかジョニー・トーとかジェイ・チョウなどの話をしていたところ、「やっぱり冬ソナに始まる人気は根強いですね」と言われて腰が抜けるほど驚いた今日この頃です。ごめん。チャングムは好きだし、グエムルも絶賛だが、私が強く押しているのは香港を中心とする中華圏だ。しかも発端はペさんではなく、リー様だ。

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                  リー様のすてきな微笑み


よく考えてみると、中華圏映画に興味のない友人・知人に対して私も不親切でした。やや反省しつつ、過去をふり返ってみようと思います。


同年代の人ならわかるはずですが、子どもの頃に第2次「ブルース・リー」ブームが到来したのが、そもそもの発端です。たぶん『死亡遊戯』公開の頃。少女マンガにもヌンチャクが小道具として登場したほど、当時のブルース・リーのインパクトは凄まじく、私たちはそうじの時間に怪鳥音を発したり、家でいそいそとお手製ヌンチャクをつくったりしていたわけです。

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            ヌンチャクに後頭部を直撃される子ども続出。
         ブルース・リーのヌンチャクさばきの偉大さを身をもって知る。


そうこうしているうちに、そんな功夫迷の私たちの前に新たなる希望の星が登場します。ジャッキー・チェン(成龍)です。お酒が飲めるようになったら、酔拳できるね!と、大きなカン違いをしていた時代に突入。サモ・ハン・キンポー(洪金寶)も「デブ=にぶい」という既成概念をうち砕き、デブでも恐ろしいほど身軽に動ける、という大きな衝撃を与えました。

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             ジャッキー兄さんと偉大なるサモ・ハン兄貴
 改めて考えてみると、太めの侠が好きなのはサモ・ハンがルーツにあるのか?



こうした状況であれば、ツイ・ハーク(徐克)とリー・リンチェイ(李連杰)の『少林寺』やら『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズにはまり、ジョン・ウー(呉宇森)の『男たちの挽歌』で香港ノワールにはまっていくという流れは、もはや自然という以外にないでしょう。ウォン・カーワイ(王家衛)の『欲望の翼』を観に行ったのも、元をただせば『男たちの挽歌』のレスリー・チャンが出ていたからでした。

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 世界一辮髪の似合う男リンチェイ(ジェット・リーじゃなく、あくまでもリンチェイ)
 そしてドニー先生ことドニー・イェン(甄子丹)のアップがでかいのは仕様です


その後、チャウ・シンチー(周星馳)との笑撃の出合いなどもあるのですが、まわりを見渡せば話にのってくれる人はごくわずか。ややテンション押さえ気味だが、それでも香港映画や中国映画はチェックつつ、このまま自分の中で下火になっていくのかしらという頃に、ガツンとやられる映画が公開されたことは、「お前を離さないゾ〜」という香港および中華映画界からの魔の手かもしれません。

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グリーン・デスティニー』(2000年、アメリカ/中国)と『HERO』(2002年、香港/中国)で忘れかけてた武侠の世界をやんわりと思い出していた矢先、吸い寄せられるように劇場に入った『無間道(インファナル・アフェア)』で完全にノックアウト。もう一生ついていきます!テンション上げます!と心に決めたのでした。

『無間道』はわかるが、ナゼここでグリーン・デスティニー? そしてショウブラはどこに出てくるのか? と謎が謎を呼ぶなか、明日に続く!
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by rivarisaia | 2006-10-30 18:25 | 映画/香港・アジア | Comments(6)

イザベラ

日本でも、もっとパン・ホーチョン(彭浩翔)の映画を上映すべきだ、と切に思うのは私だけではないはずだ。日本版のDVDも出してください!

と、いうわけで。

イザベラ(伊莎貝拉)
監督:パン・ホーチョン(彭浩翔)
キャスト:チャップマン・トー/イザベラ・リョン/J.J.ジャ/デレク・ツァン

返還が直前にせまるマカオ。冴えない警察官シン(チャップマン・トー)は、バーで出会って口説いたヤン(イザベラ・リョン)から実の娘だと告げられる。動揺しつつもシンとヤンは一緒に暮らし始めるが...。

イザベラ公式サイト

あらすじを書くとなんてことはなさげな話に思えるのですが、観終わった後にじんわりとくる、とてもいい映画でした。何度でも観たい。

異国情緒あふれるマカオの街に漂うノスタルジックでけだるい空気の中、ファドの旋律にのって静かに、そしてゆるやかに変化していく心情とやがて生まれる償いの気持ち。

彭浩翔といえばコメディ!という印象が強いけれど、こういう雰囲気の映画も撮るんだなあ。まだまだ引き出しをたくさん持っていそうな監督ですね。

そして、チャップマン・トー(杜[シ文]澤)。私は大好きですが、この映画のチャップマン・トーはこれまでとひと味違います。すごくカッコいいではないか!思わずクラッときました。どうしましょう...(動揺中)。冴えない、駄目な男なのに魅力的。チャッピーの背中に哀愁を感じるとは思いもよらなかった。イザベラ・リョン(梁洛施)も勝ち気に見えて、実は孤独を抱えている少女を好演。彭浩翔のキャスティングが見事にはまってましたね。それからデレク・ツァン(曾國祥、エリック・ツァンの息子)は、誰かに似ている...。

マカオに行ってみたくなっちゃった。しかも劇中、アンソニー・ウォン(黄秋生)があまりにうまそうに食べているシーンがあるので、映画の後に中華を食べに行ってしまったのであった...。


ティーチインでは、監督が「黄秋生のシーンはすべて4時間で収録したが、その間にハンバーガー7つ、麺4杯、肉3皿くらい食べているので、美味しいはずがないのに美味しそうに見えるのは彼の演技力のおかげ」と言ってました。いろいろ驚くことがあったティーチインでしたが、それは多くの人が書くだろうから省略...。
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by rivarisaia | 2006-10-29 04:52 | 映画/香港・アジア | Comments(0)

TiFFでは、『Crazy Stone』よりも先に、こっちを先に観たんだった。

おばさんのポストモダン生活(姨妈的后现代生活)
監督:アン・ホイ(許鞍華)
キャスト:スーチン・ガオワー/チョウ・ユンファ/ヴィッキー・チャオ
音楽:久石譲

上海で独り暮らしをしている「おばさん」は、お人好しで、つい他人の世話を焼いてしまう性格。そんな「おばさん」を取り巻く人間模様...。

おばさんのもとに甥っ子のクァンクァンがやってきた、という始まりの映画なので、おばさんとクァンクァンの心の交流がずーっと描かれるのかしら、と思いきや、そうではなく、都会で暮らす初老の独身女性の喜怒哀楽人生、という感じでした。

前半はユーモアあふれる展開だったのに、だんだん淋しくなっていくおばさんの生活...。後半は、ちょっと他人事として笑ってられない気分になったのは私だけ? いや、でも人生ってこういうものかもしれないわね...。ラストのおばさんは元気そうなんだけど、やや哀愁を感じてしまい、何とも言えない余韻が残る映画でした。

それにしても、チョウ・ユンファですよ。誰ですか、あなたは! と叫びたくなるような怪しいユンファに爆笑。100%怪しいオーラを発揮しているのに、おばさんったら〜! でもそんなユンファも、本当は純粋な気持ちをもってる弱い人なんだよね。

おばさんを取り巻く人々は、どこか心に弱いところがある人ばかり。でも現実はそんなものだ。そういう意味では、人物の描写が秀逸。

おばさんのその後がちょっと気になります。
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by rivarisaia | 2006-10-27 23:57 | 映画/香港・アジア | Comments(2)

東京国際映画祭にて昨日観た映画が、私の「今年観た映画ベスト」にランクイン決定。DVDも欲しいが、スクリーンでもう1回観てもいい。そんなわけで、ぜひこれは劇場公開をお願いしたい〜!! そうなったらゼッタイ観てね!

と、今日も仕事の打ち合わせ後のランチタイムで周囲に熱く語ってきた映画が、これです。

Crazy Stone(瘋狂的石頭)』 監督・脚本:ニン・ハオ(寧浩)
出演:グオ・タオ/バオ・シホン/リユ・フア/テディ・リン

前回チケットが取れずに泣いた『モンゴリアン・ピンポン』のニン・ハオ監督による最新作。中国では今年の夏に公開され歴史的大ヒットを記録したコメディーです(by TiFF 公式サイト)。音楽はファンキー末吉が担当。


立ち退きが迫られている工場の土地から、高価な翡翠が見つかった。工場側は経営難から脱するべく翡翠の展覧会をすることに決定。社員の包世宏(グオ・タオ)らが警備にあたることになる。ところが、地上げ屋に雇われた香港の怪盗や、うだつのあがらない3人組の強盗、工場長のドラ息子が、それぞれ翡翠を盗み出そうとひそかに画策していた。水面下で争奪戦が繰り広げられるなか、包世宏は翡翠を守りきることができるのか!?


大好きなのに、最近なかなかお目にかかれない、良質の犯罪喜劇。『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』とか、エルモア・レナードの小説や映画(『ゲット・ショーティ』など)が好きな人は、絶対に気に入るはず。

巧妙に編まれたプロットが最後には一本の糸になっていくさまが、なんとも壮快で、笑いに必須の「間」の取り方がこれまた絶妙のタイミング。そして、それぞれのキャラクター設定がよい。どこか抜けてる男たちばかりだけど、みんな一生懸命なのだ。中国映画ってベタなんでしょとか、笑いがあっても暗いんでしょと敬遠する人でもイケるはず。そんな先入観など、この映画で吹き飛ばされてしまえ!

座席がかなり前だったので、首が痛くなるかも...と心配したのに、グイグイ引き込まれて、そんなことはまったく気になりませんでした。大爆笑の連続で、ここしばらくはコカ・コーラの缶を見るたびに思い出し笑いしそうです。たまらないですよ、小道具の使い方も。
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by rivarisaia | 2006-10-26 21:32 | 映画/香港・アジア | Comments(3)

中華ままごとセット

そのうち実家の押し入れの片付けをしようよ!ということになりまして、先日、おそるおそる愚妹と偵察をしてみました。


       この「CHINESE DINING SET」って箱はなんだ!
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       箱が光ってるので、右下のキャラクターをアップ!不気味...。
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中身は普通にミニチュアおままごとセットでした。未使用。意外にかわいいかもしれない。Made in 上海だ。
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どうやら妹が小学生の頃に、中国から来たお客様からもらったお土産のようです。「あ、それ北京ダックセットだよ!欲しいならあげるよ!」と言われたのだが、北京ダックは単に箱に印刷されてるだけじゃん。まあ、のっけからこんな調子で、どうやら気を引き締めて押し入れを探索せねばならぬゆえ、日を改めて出直すことにいたしました。封印した何かが解き放たれそうで恐ろしゅうございます。
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by rivarisaia | 2006-10-24 23:49 | モノ | Comments(2)

アラビアの夜の種族

最近「メタフィクション」に取り憑かれている気がしてなりません。

数ヶ月前、たまたま知人と「メタフィクションがどーのこーの」という話をしていて、それ自体はいいかげんな会話だったのですが、その数日後、書評の本を読んでいると、やたらと「メタフィクション」という言葉が目に付く。ブログやサイトを覗けば、誰かが「メタフィクション」について何か書いている。挙げ句の果てには、仕事の文書でも「メタフィクション」が言及され、薄気味悪さを感じつつ、つい昨日、何気なく読了した本が超メタフィクションでトドメを刺されました。
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アラビアの夜の種族』 古川日出男 著 (角川書店)今年の7月には文庫も刊行(全3巻)。

聖遷暦1213年、ナポレオン率いるフランス艦隊は、エジプトに攻め入ろうとしていた。知事のイスマーイールは、このままではマムルーク朝が滅亡してしまうと不安に駆られる。そんなイスマーイールに側近のアイユーブが耳打ちしたひとつの策略。それは読む者を破滅に導く書物、『災厄の書』をナポレオンに献上しようというものだった。ところが...。

2001年に出版され、第55回日本推理作家協会賞、第23回日本SF大賞を受賞してます。今さら読んだのかよ!と前に勧めてくれた知人には言われそうですが、はい、今まですっかり忘れてて、昨日読みました。えらい満足感のある本でございました!早く読めばよかった。

『災厄の書』を献上すると決めたまではいいが、ところがそんな書物は存在しなかった、というのが話の発端。語り部に物語を語らせ、それを『災厄の書』としてしたためる。語り部によるストーリーと、ナポレオンが迫るエジプトのストーリーが交互に出てくるのですが、「ナポレオンはいいから、早く語り部に続きを!」などと思ってしまい、仕事があるのに読書に没頭していた私自身があやうく破滅するところでした。

ときどき妙にセリフがくだけているのに違和感を覚える人がいそうですが、そこは馴れさえすれば大丈夫です。また、「ウィザードリィ」の世界観と重なるので、ウィザードリィ・ファンなら気に入ると思うよ、と言う人もいます。ウィザードリィをやってない私でも、阿房宮やら迷宮にはクラクラしましたから、ウィザードリィ・ファン以外でも大丈夫です。

とにかく読み終えた瞬間の私のひとことは、「なに、この多層構造!(驚嘆)」でした。
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by rivarisaia | 2006-10-23 23:57 | | Comments(0)

スネーク・フライト

あー!これはアメリカの映画館、それも大学近くの学生であふれる週末の映画館で観たかったあああ!

と、思うB級バカ映画『スネーク・フライト(Snakes on a Plane)』。あらすじは必要ないですね。「飛行機に数千匹のヘビが!ウギャー!」という一言に尽きます。そのシチュエーションだけでこれだけ引っ張れるのは、監督がデヴィッド・R・エリス(『セルラー』『デッドコースター』)で、主演がサミュエル・L・ジャクソンだからだと思う。

特にサミュエル兄貴。さすがハリウッドを代表する説教役者...。自分が護送する証人に説教し、スチュワーデスに説教し、パニックを起こす乗客に説教し、しまいには「Enough is enough!」(その後のセリフが大笑い)とブチ切れてました。やたらとイキイキ説教してた気がするのは、絶対に気のせいじゃないと思います。兄貴の説教と言えば、『ディープ・ブルー』でとんでもない事態が起きたので、今回もフイを突かれるんじゃないかとハラハラしましたけどね。

ヘビに襲われるシーンなど、結構グロイ場面もあるものの、サミュエル兄貴の爽やかな説教のおかげで気分的には相殺され、すっきりした気分で映画館を後にしました。

おまけ:超脇役のキックボクサーのお兄ちゃん。彼には侠気を感じる。地味だけどすばらしいわ。
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by rivarisaia | 2006-10-22 18:05 | 映画/洋画 | Comments(4)

中南米の歴史は背後に米国の影がちらつく内戦の歴史。日本からは物理的にも心理的にも遠い場所なので、世間の関心が向かない傾向にありますが、だからこそぜひ観てほしいのが、
イノセント・ボイス 12歳の戦場(Voces Inocentes/Innocent Voices)』。

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監督はルイス・マンドーキ。14歳でエルサルバドルからアメリカに亡命したオスカー・トレスの自伝的な脚本がベースになっています(ルイス・マンドーキも脚本に参加)。

政府軍と農民が中心となったゲリラ軍FMLNとの内戦が続く、1980年代のエルサルバドル。少年たちは12歳になると、政府軍によって強制的に徴兵されてしまう。11歳のチャバ(カルロス・パディジャ)が住む小さな町クスカタンシンゴでは、政府軍とゲリラとの戦いが拮抗し、日に日に銃撃戦が激しくなっていた。


いつどこで銃撃戦が起きるかわからない生活。家の中も安全ではなく、銃撃戦が始まってしまえば、銃弾がトタンの壁を貫通して室内に飛んでくる。流れ弾を防いでくれるのはマットレスだけ。

たとえ死と隣り合わせの状況にあっても、そこで暮らす人には毎日の生活があり、平和なひとときもある。子どもたちも隠れるように生きていたのではなく、友だちとプロレスごっこをしたり、好きな女の子とデートをしたりもする。もちろん、そんな楽しい時間は、ほんのつかの間なんだけど。

何の前触れもなく、学校に政府軍の兵士があらわれ、名前を呼ばれた生徒はトラックに乗せられて強制的に連れて行かれる。ゲリラ軍の兵士の叔父をもつチャバの心はゆれる。政府軍に入るのか、ゲリラ軍に入るのか。どちらも兵士になるのは変わりないが、子どもたちの選択肢は2つしかない。政府軍の抜き打ちの徴兵を逃れるために、屋根に隠れる子どもたち。
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重苦しく退屈な映画でもなければ、単なるお涙頂戴映画でもなく、泥沼のような現実の中で必死に生きる11歳の子どもの葛藤や感情を描ききった演出と脚本は、すばらしいとしか言いようがありません。そして、その脚本を書いたオスカー・トレスが過酷な子ども時代を生きのびて、アメリカに渡ることができなければ存在しなかったであろう、本当に細い、細い、クモの糸を綱渡りして生まれたような映画です。

National Geographic Newsでトレス氏は次のように語っています。「僕自身の話にすぎないのではなく、今もこうした悪夢の中に生きている子どもたちの話でもあるのです」。

未見の方は必見。



1998年のリサーチでは、世界で30万人の少年兵(少女も含む)がいると言われており、2006年の国連の推測ではその数は25万人まで減少しているとされているものの、実際には数を調査するのは不可能(ソース: The Coalition to Stop the Use of Child Soldiers)。
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by rivarisaia | 2006-10-21 18:52 | 映画/洋画 | Comments(2)

芸者チョコ

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モノはモノでも、食べ物。フィンランドに出張に行っていた親から、お土産で大量のチョコレートをもらいました。ピンクの包み紙は「GEISHA」チョコです。何が芸者なんだかよくわかりませんが、これがいちばん美味しいかった。

それはそうと、もらった時は「こんな大量に〜!」と驚いたのに、中毒のようにムシャムシャ食べてしまい、もうあらかたナイ。あの量をこの短期間で消費してしまったかと思うと、うすら寒い感じもしますが、チョコレート中毒なので仕方ありません。やれやれ。
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by rivarisaia | 2006-10-20 22:16 | 食べ物 | Comments(2)