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ウルトラマン

ジャック・パランス(『シェーン』で有名ですが、個人的には『シティ・スリッカーズ』が好き)、
ロバート・アルトマン(地味だけど『ゴスフォード・パーク』がけっこう好き)、
フィリップ・ノワレ(やっぱり『ニュー・シネマ・パラダイス』のアルフレードですよね)と
訃報続きの11月ですが、実相寺昭雄氏もお亡くなりになってしまった。

子どもの頃たまに再放送を見るくらいで、ウルトラマンには全然詳しくないため、お前が語るな!という気もしますが、そんな私にとっていちばん印象に残ってるエピソードが「怪獣墓場」(第35話)。戦う気のない哀愁ただよう怪獣(シーボーズ)に困り果てるウルトラマン、という図式が新鮮だった。空を見あげて泣き、地面を蹴って拗ねる怪獣なんて初めて見ました。しんみりとした気分になる話ですが、今思えばテーマは深い。


そのエピソードの監督が実相寺さんだったりします。


そして実相寺さんといえば、有名なのが「カレーライスのスプーン」エピソード(第34話「空の贈り物」)。私はこれを見た記憶がないのですが、家人に言わせると「いちばん衝撃的で印象に残っているエピソード」。

ハヤタ隊員がカレー(もしかするとハヤシライス?)を食べてたスプーンでウッカリ変身しようとする場面が、ヒーローにあんなマヌケな行動をさせるとは何事か!と大問題になったといういわくつき。しかし、家人は子どもの頃、TVの前で一瞬ポカーンとした後、「あっ!ウルトラマンもまちがえるんだ」ととても親近感が湧いたらしい。

こういうエピソードがたまに入ることで、ヒーローや怪獣にグッと感情移入しやすくなったのかもしれないなあとフと考えたりしました。だって、そんなに興味なかった私にすら、強烈な印象を残したわけですから。ウルトラマンと怪獣に対するつくり手側の愛情も感じます。つくる側も大好きだったんだね。

「追悼・実相寺監督、ウルトラマンの夕べ」をひっそりと家でやろうかな。大昔に放送したTBS系のドラマ「ウルトラマンを作った男たち」(三上博が実相寺さん役を演じている)も、脚色はあるのでしょうがなかなかおもしろかったですよ。
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by rivarisaia | 2006-11-30 23:16 | 日々のよもやま | Comments(6)

大英雄

『楽園の瑕』のディレクターズカットが出るらしいという記事を、ちょっと前にもにかるさんのblogで拝見し、思い出した映画が『大英雄(東成西就)』。

ウォン・カーウァイの『楽園の瑕』が公開に間に合わず、ジェフ・ラウが急遽、同じ出演者で撮影の合間に8日間で撮ったというので有名なやつです。正直に告白しますと、初めて観た時はそんな事情はつゆ知らず、金庸の「射[周鳥]英雄伝」も読んでおらず、やたら出演者が豪華なのに超ベタなストーリーに一瞬ドン引きしたのも事実です。

それなのに! たまに思い出しては観てしまう。観れば観るほど味が出るスルメ昆布のような映画でありました...。ダメな人は何度観てもダメだと思うんですけどね。香港スター勢ぞろいの豪華キャストによる、華やかな新春かくし芸大会のようだわ。

えええ!と言われそうですが、私は、この映画のトニー・レオン(梁朝偉)がとっても好きだったりします。だって、こんな顔なんでございますよ。
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張學友との殺し合いかけあい漫才の挙げ句、唇が腸詰めのように腫れあがってしまい、涙目で演技するトニー・レオンが最高にイイ!このアヒル唇トニーが目の前に出現したら、なんでも言うことを聞いてあげると思う。そんな訴求力のある目の演技がすばらしいです。『カンフーハッスル』のアヒル唇はこれのオマージュだと思いました。

レスリー・チャン(張國榮)とレオン・カーフェイ(梁家輝)のデュエットも忘れられません。

ベタな香港映画のギャグについていけるかどうかの踏み絵となる映画かもしれませんし、1度観てダメだ...と思っても、夜中に突然思い出してまた観たくなる可能性を秘めた魔の映画ともいえるでしょう。

惜しいことに、北京語吹き替え版しか観たことないです。けたたましい声でトニーが笑うのが、恐ろしいです。広東語版DVDを買えってことか?『楽園の瑕』とセットで販売...無理か。
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by rivarisaia | 2006-11-29 23:58 | 映画/香港・アジア | Comments(2)

アンダルシアの犬

何度観ても、ワンシーンの記憶しか残らない映画というのがありまして、私にとってその代表作が『アンダルシアの犬(Um Chien Andalou)』、1928年の映画です。監督はルイス・ブニュエル。脚本にサルヴァドール・ダリが参加しているシュールレアリズムの極致と言われている作品です。

じつは、ついさっき観たばかりなのです。著作権の切れた映画のフリーアーカイブを発見し、ぐじゃぐじゃと検索していて、17分と短いのでついウッカリ観てしまいました。過去に2度ほど、ついウッカリこの映画を目にする機会があったのですが、「アンダルシア=眼球」の印象しかない。

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そして今観たばっかりなのに、またもや「眼球、剃刀で真っぷたつ」しか思い出せないんですが、どうしてですか? しかも、そのシーンはさすがの私も「うげっ!」となるので、横目でチラ見しただけなんですよ。あとはちゃんと目をパッチリ開けてみたのに、例の場面しか思い出せません。これがシュールレアリズム・マジック!というやつなのでしょうか。

掌に蟻が?ああ...そんなシーンがあったかもしれないね。ピアノも出てきた気がするけど、よく思い出せない。まるでアルツハイマーになった気分で呆然としています。なぜに「アンダルシア」で「犬」なのか、またもやわからずじまいなのでした。ううむ。
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by rivarisaia | 2006-11-28 23:57 | 映画/洋画 | Comments(6)

剪紙芸術欣賞

見慣れると「あースゴイね」で終わってしまいがちな中国の切り紙細工。じっくり観察するとおもしろい。
そんな1冊がコレ。

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剪紙芸術欣賞』中国電影出版社 110ページ、タテ35.4×ヨコ25.1cm 定価42元

正直に言うと中の切り絵よりも、造本が気に入って購入したのですが、改めて見てみると何かに役に立ちそうな図案がいっぱい。年賀状にもいいかもしれない。めでたい感じがするし。
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造本は和本のような紐綴じです。片隅ではこのようになっています。大判ですが、和紙のようなくにゃくにゃした紙なので軽い。ただし、本棚にしまう時は腰がナイので要注意です。

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最初の15ページが序文(切り絵の歴史)、最後の3ページが手法と使う道具についての説明文ですが、残りはこのように、めでたい切り絵が満載。赤と黒の二色刷りなところもまた、めでたさ高いです。
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by rivarisaia | 2006-11-27 23:48 | | Comments(2)

Lex Reitsma

映画祭三昧の日々が終わり、そろそろ年末進行の仕事の大波が押し寄せてきそうな予感。年末から来年にかけて、仕事の波間に本の整理をしよう!と密かに決意しました。そして愛蔵書をここで公開(自慢?)するのよ。ほほほ。

そんな今日の1冊はデザイン書。オランダのグラフィック・デザイナーLex Reitsmaの作品集です。オランダのオペラ座のポスターを長年手がけている方です。
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Lex Reitsma 10 jaar affiches voor De Nederlandse Opera + ander werk
出版社はオランダのBIS Publishers。186ページ。
(英語のタイトルは『Lex Reitsma 10 years of posters for De Nederlandse Opera + other work』)

オペラのポスターにしては画期的なデザインで、タイポグラフィーや色の使い方も大胆なので好きなのですが、しかし本書を買った理由は造本にありました。所々に異なる用紙が挟み込んである点が凝っていたり、版型が小ぶり(タテ24×ヨコ16.7cm)でソフトカバー(表紙は厚紙のフランス折り)という点も軽くてすばらしい。厚くて重い作品集はジャマなので嫌なのです。よほど好きな人じゃないと買えませんよ。重いから。

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中ページの見開きはこんな感じ。5年くらい前に仕事の資料になるかも〜と自分に言い訳して買ったのですが、今見ても古い感じはしないし、おそらく5年後に見ても古い感じはしないだろうと思う。こういうポスターが街に貼ってあるところを想像するだけで楽しいし、ある意味うらやましい。
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by rivarisaia | 2006-11-26 23:58 | | Comments(0)

パフューム

本日は東京シネフェスにて、『パフュームーある人殺しの物語(Perfume-The story of a murderer)』を鑑賞。監督はトム・ティクヴァ。来年の3月から一般公開なので、ネタバレはできるだけナシで、原作と比較しつつサラリと箇条書き。

・小説と映画は別物!と思ってましたが、原作を完璧に映像化しているのに驚いた。スピルバーグだったら無理だったような気がする。

・心配してた「香り」と「悪臭」を映像で見せる工夫というか演出はお見事。スクリーンから「香り」「匂い」が伝わってきました。

・18世紀パリの悪臭漂う市場の情景は、まさにそう、こんな感じだと思う。

・原作読者のみなさん、ラスト近くの「えー!」なシーンも映像化でしたよ。ははは。

・小説版よりも主人公の孤独感や切なさが描かれており、主人公がとても人間的だった。(小説では非常に悪魔的だったんだよね...)

・余談ですが、香りの都グラース(フランス)の街がいい感じで、とても行きたくなった...。香水工場の見学もできるみたいですよ。グラース観光局のサイトはコチラ

私はなかなか楽しみましたが、数人で観てみんな感想が違ったので、賛否両論かもしれないですねー。とりあえず、「自分の香水をつくったらどーよ」という話に花が咲くのは必須です。
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by rivarisaia | 2006-11-25 23:57 | 映画/洋画 | Comments(4)

招き猫

銀座にて、家人が「招き猫と目が合った」そうで、九谷焼の招き猫が家にやってきました。
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高さ10センチくらい。ポーズが可愛らしいうえに、顔に愛嬌があって、やや我が家の猫に似ているような気もしないでもない。招いているというよりも、「オヨヨ!」と言っているかのような妙な態度。横から見るとポーズが微妙なのがわかるかしら。
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by rivarisaia | 2006-11-24 23:52 | モノ | Comments(0)

黒社会から少林寺へ

おととい、昨日と『黒社会』の余韻にひたってたんですけど、いつもの通り、考えが横にすべっていき、気づいたら少林寺とか洪家拳などについて考えてました。


黒社会は清朝の秘密結社に由来する
 ↓
清朝の秘密結社といえば、スローガンは「反清復明」
 ↓
ときたら、南少林寺....


「反清復明」っていろいろな映画や小説で重要キーワードだよなあ。いつもお決まりのように出てくるので、気にしてませんでしたが、次からはもうちょっと注意を払うことにしようと思います。

こういう時なんですよ、前に紹介した『図説中国文明史』が家にあるといいなあと思うのはー! いや、でも南少林寺とか洪家拳は出てないと思うのだが...。

南少林寺は伝説と言われてたけど、実在したのではという説もあるようで、以下Wikipediaから抜粋。

南少林寺に関するものと思われる嵩山少林寺で発見された古文書や福建省に南少林寺のものと思われる遺跡が発見され、現代では実際に存在したのではないのかという説がでてきている。

まあ、興味深い!そこのところ詳しい本がないか探してみよう。
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by rivarisaia | 2006-11-23 18:54 | 映画や本の雑記 | Comments(2)

黒社会2

黒社会にはじまり、黒社会に終わった私のフィルメックス。ということで、『黒社會 2 以和為貴』です。

「1」を日本で公開するなら、「2」も公開しないとダメですよ。だって2本で1セットになっているような作品ですもの。「1」の2年後を描いている本作品、いつか詳しく書くかもしれないので、今回も箇条書きでサラリといきます。

・エグいシーンがあると散々言われていたので覚悟してましたが、そんなに恐れることはありませんでした。酷いけど、あからさまな映し方じゃなかったし。コーエン兄弟の某作品を思い出した人がたくさんいるにちがいない。

・むしろ王天林の階段落ちの方がアイタタタ...でした(って本人が落ちてるわけじゃないが)。取り残された犬はちゃんと誰かに世話してもらえるのかしら。

・ヤムヤムの子どもの行く末も心配だったりします。少年は強くたくましく生きられるのでしょうか。

・「ヤムヤムと釣りに行く」=「人生で避けたいことのひとつ」とインプットされそうです。

・ルイス・クーは基本的にビジネスマン。会長になりたかったのはビジネス発展のためなんだよーん!といくら主張しても、一度ハマった泥沼からは抜け出せないのであった。しかも、これからは守りに入らなきゃいけないので大変よねえ。

・公安はさらに一枚上手であった。これは中国では上映できそうにないですね...。
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by rivarisaia | 2006-11-21 19:35 | 映画/香港・アジア | Comments(4)

黒社会(エレクション)

気づいたらフィルメックスが始まってたりするわけですが、本日はジョニー・トー(杜[王其]峰)監督の『エレクション(黒社會)』を観てきました。

あれ? チケット取れないとか言ってなかったっけ? そうなんですけど、大変お世話になっている方からご一緒しましょうというお誘いが。本当に感謝してます。ありがとう。

そんなわけでDVDの封印を解かず、劇場で日本語字幕つきで観られることになったのですが、字幕がなければ、確かに叔父貴たちが多すぎて把握できなかったかもしれません。もう1回観てみないと細かく整理できないわ。低気圧とともに持病の偏頭痛が訪れているので、サラリと箇条書きで思ったことを。公開前なのであらすじは割愛。

・ニック・チョンがレンゲ食ってた。レンゲをバリバリと...。血を吐くんじゃないかと心配しました。

・姜大衛が出てた! あら〜。

・サイモン・ヤムはいつも通り冷静な知能犯を好演してましたが、レオン・カーファイが 『ラマン』の頃からは想像もできなかったガラの悪い役を熱演。怖いよ...。

・会長に選ばれたものが手にすることができる「龍頭棍」の争奪戦が起きる。こういうシンボル的な物があるのが興味深い。丐幇の「打狗棒」に似てますね。

・さりげなく黒社会のルーツである中国の秘密結社「洪門会」(三合会)の儀式が挿入されていた。「洪門会」は、17世紀、少林寺焼き討ちの際に生き延びた5人が、満州族の清王朝を打倒し、漢民族の王朝を復活させるべく、血の誓いを交わして設立したのが始まりだそうです。「龍頭棍」といい、伝統があるのねえ。時代とともに内情は変化しているわけですが。

影が薄かったルイス・クーは明日のパート2で活躍予定です。ちなみにラム・シューはいかにもラム・シューらしい役柄でした!
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by rivarisaia | 2006-11-19 23:18 | 映画/香港・アジア | Comments(4)