「ほっ」と。キャンペーン

イタリア強化週間とか言っておきながら、第一弾が昼メロ調な話題になってしまったので、今回は知的な方向で行こうと思います。とは言っても、書いてる人間が知的じゃないので内容は相変わらずですが、紹介する本は知的だよ!(たぶん....)

先月、友人・朝夕様が来日の折、気合いを入れて神保町巡りをしたのであった。朝夕さんこそ真の知的な方であり、そしてその守備範囲はマンガから歴史書と幅広く、何かと学生時代からお世話になりっぱなしなのですが、そんな朝夕さんが本屋の棚で見つけた本が私の頭から離れなくなってしまったのでした。
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西洋ルネッサンスのファッションと生活
チェーザレ・ヴェッチェリオ著、挿画 加藤なおみ訳
ジャンニーヌ・ゲラン・ダッレ・メーゼ監修・序文

ティツィアーノの弟子だったチェーザレ・ヴェッチェリオが1590年に出版した『Degli Habiti Antichi et Moderni di Diverse Parti del Mondo(世界各地の古代及び原題の服装)』から約3分の1を紹介。地域、階層、職業、男女別のさまざまな服装を描いた木版画とその解説を見開きで掲載。


そのときに即決して買わなかったのは、私にとってホイホイと買える定価ではなかったからです。そして、ただの図版と解説だけだったら、別に買うこともなかっただろうと思う。グッときたポイントを箇条書きにしてみます。

 ・巻頭にメディチ家所蔵の手彩色カラー図版が72点もついている
 ・監修者序文がイタリア語/日本語のバイリンガルである
 ・イタリアだけでなく、他のヨーロッパ諸国、中東、アジア、アフリカの服装も掲載
 ・巻末の訳注、作者の生涯、服飾用語解説、織物用語解説が充実

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本文はこんな感じです。「日本の青年」の図版も1点アリ。ただし丁髷でも着物でもないけど、もしかすると年代的に遣欧使節の服装かな? 図版を見てるだけでも、階級の違いや職業の違いが服装に現れているのが一目瞭然でなかなか興味深いんですが、本文の解説和訳に、ところどころイタリア語が記載されていて<例:飾りひも(passamani)>、そこから巻末の用語解説に飛ぶと、語源や歴史も含む詳しい説明がなされているのに脱帽。

アラビアゴムと熱したスプーンで巻き毛をつくっていたこと、ヴェネツィアで台付き木靴が流行った理由、イヤリングが宗教的倫理から中世に一時廃れて14世紀に復活したこと、亜麻布の下着が好まれたわけ、といった話がいろいろと書いてあって、読み物としてもとても面白い。

巻末だけでも読んでみて〜とおすすめしたい1冊です。古本でも気軽に買える値段じゃないもんなあ。おかげさまで、この本と天秤にかけられた本が数冊、図書館で借りる本リストに移動されました。こうして図書館本リストがどんどん長くなっていく.......。

フィレンツェ国立図書館をはじめイタリア各所の中央図書館や古文書館が所蔵しているという、原書をいつか見てみたい。2刷は市場にも出ているようですけど、私には現物を買える資金も身分もないので、ただ見たいだけ。
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by rivarisaia | 2007-04-30 20:05 | | Comments(4)

昨日、衝撃的なことが起きたので、今日は急遽予定を変更。

巨星墜つ....とメールが飛び交い、具合が悪いとは知っていたけどまさかそんな、まだ早すぎる、心の準備が、と愕然としたのが、チェリストであり指揮者でありピアニストでもあった巨匠ムスティスラフ・レオポリドヴィチ・ロストロポーヴィチ氏、逝去のニュースでした。

20世紀は遠くになりにけり、と漠然と思う。落ち込む友人と「ロストロがいなくなっても、○○がいるじゃん、の○○に入る人がいないのよ」という話をしていて、気分がどんよりしてしまった。クラシック界チェロパート巨匠席にポッカリと大きな穴が空いてしまったかのようだ。

ソビエト時代、ソルジェニーツィンをかくまって国籍を剥奪されたり、ベルリンの壁が崩壊したときに真っ先にかけつけてチェロを弾いたりと、人道的でエネルギッシュな人でもありました。そんな彼のお茶目な一面は、ロシア語通訳者、米原万里さんのエッセイでも知ることができます。
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ロシアは今日も荒れ模様』米原 万里著 日本経済新聞社


冗談でしょう、ホントに!?というようないたずら心満載のロストロのエピソードが掲載されています。米原さんは、本書の中で、

音を言葉で描写させたら、ムスチスラフ・ロストロポービッチの右に出る音楽家をわたしは知らない。


と書いているわけですが、これは同感。じつは、ロストロポーヴィチ氏が指揮する演奏会にアマチュア末席の演奏者として参加したときに、言葉だけでなく全身で音を表現して指導する彼を目の前で見た。彼が指揮棒を振ると、旋律に感情があふれでるというか、演奏全体の音色がそれまでと全然違ったものに変化するの。あれは本当に不思議で、奇蹟が起きているかのようでした。
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by rivarisaia | 2007-04-28 23:52 | | Comments(6)

中華圏とイタリアは似てはいないけど、何か通じるものを感じる私。

と、書くと「どこが?」と聞かれるわけですが、当たり障りない解答としては「かたやローマ帝国、かたや中国四千年、と歴史が深い」とか「とにかく "食” が大事。麺も食べるし」とか、まあその辺りが無難。あとは、家族重視で非常にコネ社会だったり、ちょっとユルイ面があったりするところも通じてるかも.......。

さあそんなわけで、勝手にイタリア強化週間。1回目は、イタリアの雑誌の話でも。

イタリア語学習者はご存知だと思いますが、イタリアには
フォトロマンゾ(fotoromanzo)
なるカテゴリーの雑誌が存在します。フランスやスペインなどでも売ってるのかしら?

直訳すると「写真(foto)+小説(romanzo)」。日本でもたまにありますが、絵の代わりに写真を使ったマンガです。実物を見る前に、私がイタリア人数名から仕入れた情報は以下のような内容であった。


・内容はベタな恋愛モノが多く、読者ターゲットは女性。
・とにかくいっぱい種類が出ている。
・本屋には売ってないので、edicola(新聞や雑誌の売店)で買う。
・しかし自分で買うのは恥ずかしい。
・基本的には買って読むというより、美容院で読む雑誌。


彼らにイタリアで買ってきてとお願いしたが、「恥ずかしいから絶対イヤだ!」と言われてしまい、結局自分で買ってくることに。
地下鉄の売店のおばちゃんに「フォトロマンゾを買いたいんだけど、日本に持って帰るのでストーリーが続いてないやつが欲しい」と聞いたところ、

「私はそんなもの読まないから、よく知らないわね(キッパリ)! 
このへんに置いてあるのが全部そうだけど、読み切りねえ......」


親切なシニョーラと2人して雑誌をあさること数分。結局「あなた、この3冊にしなさいよ」とシニョーラに勧められるがままに購入したのがこちらです。ジャーン。

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価格は大体1冊2〜3ユーロ。雑誌名が「KISS」っていうのもベタですが、ストーリーの題名も「愛の誘惑」「愛の終着駅」「絆が結ばれるとき」と、かなりベタ。

後日、購入を拒否したイタリア人に「ほんとに買ってきた〜!」と大爆笑されたが、買うのがそんなに恥ずかしい代物なんですか。

では、中身をチラッと見てみましょう。
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イタリアだから格別におシャレ〜ということもなく、妙なファッションやら激しいインテリアもかいま見ることができます。



「髪の色が濃く、瞳が青い」というのがいわゆる「カッコイイ男性」とされるそうで、登場人物の男性はみな黒髪に青い目。ストーリーは写真から把握できそうですが、読み切りのせいか意外と展開が早くてボー然。特に「愛の終着駅」にいたっては、回想シーンが頻繁に入ってくる上に、唐突なセリフが多すぎて大筋以外はサッパリつかめない有様。

辞書を引きつつ読んでいると「なぜ新聞でも小説でもなく、こんなものを読んでいるのか......」とハッと我に返る瞬間もなきしもあらずですが、イタリア土産のひとつにいかがでしょう。


ああ〜、記念すべき1回目がくだらない内容になってしまった....。次回はもっとマシな話題にしようっと。
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by rivarisaia | 2007-04-27 19:51 | | Comments(8)

ハタと気づいたら、ブログを始めて1周年でした。

何だかこう、メジャーでもマニアックでもない、微妙にズレてる中途半端な隙間産業的雑記におつきあいいただいている皆様、いつもありがとうございます。
これからも、広くユルく綴っていく所存でございますので、ゆる〜くお付きあいくださいませ。

ところで。

えーっと、2カ月ごとにアクセスキーワードの上位に『宇宙から来たツタンカーメン』がランクインするのがナゾなんですが、この周期には何かあるのでしょうか。

そして、劇場公開中の映画についても書いてると言うのに、それを押しのけて毎月のように『ベニスに死す』と『カリギュラ』が上位にくるのもナゼだ! なあに、ひょっとしてイタリアがお好き人も多いのかしら。(いや、なんか違う気がするけど....)

折しも、来週からはイタリア映画祭が始まるゆえ、明日から1週間くらいはイタリア強化週間ということにしてみたいと思います(あくまでも予定)。中華圏だけでなく、イタリアにも興味があって、それは...という詳細はまた明日〜。

イタリア映画祭については公式サイトをご覧下さい。
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by rivarisaia | 2007-04-26 22:27 | 映画や本の雑記 | Comments(4)

シェルブールの雨傘

ここ最近、東京では毎週水曜に必ず雨が降っているような気がしますが、5月になったら爽やかに晴れるんでしょうか。

雨、雨、雨〜傘くらい華やかな色のものを買おうかしら〜、ということで、
本日は『シェルブールの雨傘(Les Parapluies de Cherbourg)』(1963)、ジャック・ドゥミ監督です。

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傘屋の娘ジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)には自動車修理工の青年ギイ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)という恋人がいた。将来、結婚しようと誓う2人だが、そんなある日、ギイに召集令状が届き....


初めて観たのは高校生のとき。スタートから終わりまでずっと歌い通しだということを知らなかったため、仰天したのを覚えています。最初の10分で「いつまで歌うつもり....まさか延々この調子!?」とおののきながらの鑑賞。一緒に観た友人は、「ヒロインに共感できない!」と怒ってましたが、私は共感もなにも、「最後まで〜みんな〜歌っていたね〜」とこちらも歌い出したい気分でいっぱいだった。

それでまあ、つい最近、ミュージカル嫌いの家人に何も言わずにこれを見せて反応を伺ってみた次第です。そんな家人は、案の定「あのさあ...これってこの調子で最後まで歌うの...」と不安げだったが、途中から「ここまで来たら、逆に歌いきって欲しいね!」と割り切っていたようす。

再見すると新たな発見もありまして、まずヒロインへの共感問題についてですが、私としては「若い2人だし、しょーがないわよねえ。ま、結果的に2人ともよかったじゃないの」と余裕をかますことができた。それは、2度目の鑑賞で生まれた余裕か、それとも大人の余裕なのか、どっちだ?

それはさておき。以前、「tototitta!」のminaco.様が「壁紙映画」というジャンルを発見しまして、私の目からウロコが落ちたわけですが(こちらのエントリ参照)、『シェルブールの雨傘』もまさに王道を行く「壁紙映画」だったと再認識。

ピンク、ブルー、紫、緑、縞柄、花柄...と、よりどりみどり。ちょっと抜き出しただけでも、はいこの通り。
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これだけカラフルなのに、雪のラストシーンは白黒モノトーンが基調になっている。そんなところに深い意図を感じますね。

「戦争と恋人たち」というテーマのせいか、ついくらべたくなってしまう『ひまわり』ほど沈んだ気分にならないのも、全体のトーンが華やかなせいでしょうか。

そんなわけで、傘くらいは派手な色にしたほうが気分が晴れるかもしれないなーと考えている今日この頃でした。
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by rivarisaia | 2007-04-25 18:12 | 映画/洋画 | Comments(2)

映画『薔薇の名前』でヒャッホー!と心躍ったシーンは写本室のようすだった、という私は、以前こちらで告白した通り、写本好きです。好きなだけで詳しくないけど。前は、ファクシミリ(複製)でいいから欲しいわ〜と書いたのですが、あれは冗談です。シロウトがそんな高いもの買ってどうするよ!

そんなただの写本好きのために存在する大絶賛本がこちら。

Masterpieces of Illumination: The World's Most Beautiful Illuminated Manuscripts from 400 To 1600
Ingo F. Walther, Norbert Wolf 著 Taschen刊
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ハードカバー504ページ、タテ31.8cm×ヨコ25.4cm、厚さにして4cmというデカイ本。あまりの大きさと重さに書見台がほしくなる。普通に開いてたら、いつか背が破壊するんじゃないかしらね。

5世紀から17世紀までの装飾写本が、時祷書や聖書から説話や科学書にいたるまで網羅されてまして、写本1冊ごとに、出版日、国、サイズ、記述言語、制作依頼者、過去の所有者、写本の内容に関する簡単な説明つき。巻末には写本作家のバイオグラフィーのリストまである。それで4,250円ってあり得ない定価だ。

これだけの本をこの定価で出版できるのは、出版社がTaschenだからでしょう。刷り部数がケタ違いだから安くできるんだろうなーという気がいたしますね。写本好きは1冊持っていて損はないとみた。

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中ページはこんな感じ。写本1冊あたりの図版の点数よりも大きさ重視です。カリグラフィーを学んでいる人にも役に立ちそうですね。ラテン語、イタリア語、フランス語はもちろんですが、ヘブライ語やペルシャ語の写本もあります。

もうひとつ注目したいのは、インデックスを除く全ページのノンブル(ページ数)脇に変なキャラクターがいること。 たとえば222ページと350ページはこんなキャラ。
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見開きごとにすべてキャラクターが違うところが泣かせる......。

まだ全部読み終わってないんですけど、読むというよりは辞典のように使っているといったほうが正しいかもしれません。詳しい人だったら内容について深い感想が書けるんだろうけど、私には無理です。とりあえず、便利!とだけは言っておきましょう。
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by rivarisaia | 2007-04-23 17:40 | | Comments(4)

ウンベルト・エーコの小説は読み応えがあって、充実した読書時間が過ごせる上に読み終わった後の妙な達成感が好きなんですが、この達成感は再読時にも味わえるのでした。

難解だ、難解だ、と言われつつも、今にして思えば日本語訳でいちばん読みやすい本はやっぱりこれです。

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薔薇の名前』 ウンベルト・エーコ著 河島英昭訳 東京創元社

『フーコーの振り子』については前にサラリと書きました。すいません、『前日島』は息も絶え絶えになりながら読んだもので、今はスルーさせてください。

ところで、あえて「日本語訳」と書いたのにはわけがあります。

当初は英語版を買おうとしていたところ、アメリカ人の友人が「おもしろいんだけどさー、1ページに知らない単語がいっぱい出てきて....ううう」と言っているのを聞いてやめた。君らが知らない単語は、たぶん私も知らないだろう。

そんなわけで邦訳で読んだ際に、しみじみと「英語だったら読めなかったであろう。ありがとう!」と実感したものでした。

後日、今度はイタリア人の友人に、「ラテン語とか出てくるから読んでない...。ラテン語の部分は日本語でどうなってるわけ?」と聞かれる。ラテン語の部分は邦訳ではカタカナ表記です。読みにくいので、正直に言うと私はナナメ読みでした。

『薔薇の名前』は、知識があればより深く、知識が無くても基本が推理小説なのでちゃんと楽しめる、という点がいいですね。よくわからない部分は「へー」とつぶやいて先に進んで構わないと思うのですが、おかげさまで2度、3度と読み返しても毎回新鮮な発見が(笑)。この本から自分の興味が派生していくのが気持ちいいです。映画も何度観てもすっばらしい。


さて、私はなぜ今頃エーコの話をしてるんでしょう。それは新作(といっても数年前に出た本)の邦訳は一体いつになったら出るのか?という発作がまた起きたからです。

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出る、出る、とウワサだけは聞いている『Baudolino』は、話のうまい嘘つきな騎士バウドリーノが語る奇想天外な冒険物語。中世、十字軍、コンスタンティノープル、聖杯...とキーワード的にはバッチリだ。

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つづいて『La misteriosa fiamma della regina Loana(英訳:Mysterious Flame of Queen Loana)』は、記憶喪失に陥った書籍商の話。イタリアの大衆文化の寄せ集めから人間の記憶を紡ぎ出すそうです。おもしろそう。こちらの邦訳は.....まだ先ですよね....。

翻訳は大変だろうと容易に推察できるので、急かしたくはないんですけど、待ちくたびれてきました。それともこれは、私にエーコを英語またはイタリア語で読め!ということなのか、読み終える前に邦訳出るんじゃないのか、と考え続けて早数年。また、『薔薇の名前』でも読むか。


追記:『Baudolino』の感想はコチラ
『Mysterious Flame of Queen Loana』も読みました。コチラ
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by rivarisaia | 2007-04-20 23:58 | | Comments(2)

この人の撮る写真というのは、人や犬に向けた眼差しがあたたかいというか、ユーモアがあって絶妙の瞬間をとらえているといいますか...とにかく私は「あんな表情のチェ・ゲバラは見たことないよ」と思うんですが、エリオット・アーウィットです。

エリオット・アーウィット写真展
「パーショナルベスト パーソナルチョイス」
開催期間:2007年4月6日(金)〜5月6日(日) 11:00〜20:00
シャネル銀座ビル4F シャネル・ネクサス・ホール


アーウィット自身が自分で選んだベストショット写真集『PERSONAL BEST』から、著名人が気に入った写真を選ぶ(PERSONAL CHOICE)という写真展。ふだんはあまり縁のない(いや、私は)銀座のシャネルのギャラリーで開催中です。

平日の夕方、早い時間に到着したので、静かにゆったり見ることができました。点数も思ったより多くて、しかも好きな写真もあったので、すっかりいい気分になれましたよ。

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驚いたのが展覧会カタログ。120ページのちゃんとしたカタログを1冊無料で配布していた。なんて太っ腹なんだ! 赤、白、黒の三種類から好きな色の表紙のカタログがもらえます。中身は一緒なので欲張らないように。

全然知らなかったけど、ネクサス・ホールでは若手音楽家のコンサート(入場無料、予約制)や写真展などを継続的に開催しているようす。それはやはり文化の国フランスの企業だから? バブル崩壊後に企業メセナが一気に下火になってしまった日本ですが(とはいえ、バブル時の盛り上がりも底が浅い感じで変だったが)、基本的には大企業にはどんどん文化的な貢献をしてほしいと思うので、これからもシャネルを応援したい。他の企業もぜひがんばってください。

エリオット・アーウィットの写真からかけ離れてきたので、ちょこっと感想を。私の好きな写真家にハンガリーの写真家アンドレ・ケルテスがいます。今回、アーウィットとケルテスには何だか通じるものがあるような気がしました。スナップ・ショット的というだけじゃなくて。何だろう。視点でしょうか。
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by rivarisaia | 2007-04-18 22:05 | 展覧会ほか | Comments(6)

昨日は金像奨でした

昨日は香港電影金像奨でした。

私は何をやってかというと、いろいろと用事があって渋谷から六本木近辺を歩き回る...というより「行軍」しており、ドロドロに疲れて帰宅するやいなや倒れ込んでいた。初めて訪れた東京ミッドタウンでは、渋谷の雑踏にくらべたら人は少ないのに、警備員の方々がやたらと交通整理に張り切っており、エスカレーターに乗ろうとするたびに、「お足元にお気をつけて!!」と叫ばれたのだが、そんなに私はヨロヨロしてたのか?

さて、金像奨に関する詳しいことはsinaのサイトをチェックしてね!と書きつつ、劉青雲(ラウ・チンワン)が『我要成名』で主演男優賞受賞がいちばんグッときたニュース。これで無冠の帝王じゃなくなった。本当に本当によかったねえ! ぜひ日本でも公開してほしい〜!

周杰倫(ジェイ・チョウ)の受賞もいいニュース。『黄金甲』の主題歌「菊花台」が主題歌賞。『黄金甲』は今秋日本でも公開されるので、楽しみにしています。邦題がどうなるのか気になりますが、ワーナーのサイトではまだ『カース・オブ・ゴールデン・フラワー(原題)』のまま。

ひそかに嬉しかったのは、周迅(ジョウ・シュン)の助演女優賞。『女帝 エンペラー』こと『夜宴』で。日本の予告では、周迅がこれっぽっちも(正確には一瞬映ってるか?)出てないかのような扱いで苦笑させられたものですが、これで周迅の存在もちゃんとアピールされますように。

それでは、いろいろ写真など見てニヤニヤしたいので、今日はこの辺で〜。
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by rivarisaia | 2007-04-16 17:52 | 映画や本の雑記 | Comments(2)

ブラッド・ダイヤモンド

紛争ダイヤ(ダイヤの原石が不法に取引されて、その金が武器に流れて内戦や紛争が悪化する)がテーマですが、基本的にはアドベンチャー&アクション映画です。しかし、観終わった後にドッと疲れが......。だって、もりだくさんなんですもの〜!

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ブラッド・ダイヤモンド(Blood Diamond)』 
エドワード・ズウィック監督

90年代のシエラレオネ。家族と引き離され、反政府軍に捕らえられたソロモン(ジャイモン・フンスー)はダイヤモンド採掘場で強制労働を強いられる。そこでソロモンは大粒のピンク・ダイヤを発見し密かに隠す。ピンク・ダイヤの噂を聞きつけた密売人のダニー(レオナルド・ディカプリオ)は、ソロモンの家族を見つける代わりにダイヤを手に入れようと画策。紛争ダイヤの情報をエサにジャーナリストのマディー(ジェニファー・コネリー)に協力を仰ぐが......


紛争ダイヤ、密売、アフリカの植民地事情、反政府軍、市内銃撃戦、ジャングル銃撃戦、少年兵、民間軍事会社、傭兵、難民、家族愛...とフルコースのため、お腹がいっぱいでございます。途中でどの品がメインディッシュなのかわからなくなってきたんですが、アフリカが抱える問題は単純じゃないってことさ、ということでしょうか。

バリバリの社会派ドラマではありませんので、エンタメ映画の常としてやや都合がいい展開だったりするんですが、エンタメと見せかけて紛争ダイヤや少年兵、ひいてはグローバリゼーションをさりげなくアピールしている辺りはグッジョブ。ただ、ちょっと長いのが難点かも。

それにしてもディカプーは、ものすごい訛りで熱演してましたが、南アフリカ訛りってああいうアクセントなのね。ディカプー演じるダニーはもともとはローデシア(現ジンバブエ)出身。ローデシアはアフリカの白人国家で激しいゲリラ戦があって大変だったところだ。そんな背景もさりげなく映画の中に出てきます。ローデシアがジンバブエとして正式にイギリスから独立したのは1980年のことです。

ダイアモンンド、ローデシア、南アフリカときたら、セシル・ローズ氏が思い浮かびますが、これはまた別の話ですね。ちなみにセシル・ローズが設立したダイアモンドの会社が「ダイアモンドは永遠の輝き」で有名なデビアス。


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「わたしがセシル・ローズです」 初めて名前を聞いた時には、女性だと思っていたので、教科書でこの親父に遭遇した時は衝撃でした。



私はダイアモンドの流通にはまったく詳しくないのですが、話に聞くとどうもダイヤ市場は胡散臭い。そんな胡散臭ささも描かれていますので、彼女にダイヤをおねだりされちゃってる人はとりあえずデートで観るといいかもしれませんね。

よく考えたら、私はひと粒もダイヤを所有してなかったんですが、だからと言ってエライわけでもなく、紛争ダイヤは石油、金、コーヒー豆、チョコレート...と別物に置き換えて考えることも可能。北の"裕福な"国々の暮らしは南の国の犠牲の上に成り立ってるんだなあとしみじみしたところで、本日は終わり。

「ブラッド・ダイヤモンド」の映画詳細、映画館情報はこちら >>
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by rivarisaia | 2007-04-15 01:52 | 映画/洋画 | Comments(0)