「ほっ」と。キャンペーン

10月23日から開催されていた東京国際映画祭は本日でひとまず終了。サクラグランプリ等の結果は公式サイトでご覧ください。

b0087556_20515010.jpg


今年は観たい映画がたくさんありましたが、日程が合わない、観たい作品の上映時間が軒並み重なってる、そもそもチケットが取れない、いやそれよりもチケット発売日に自分が日本にいなかった、といった数々のハードルがありまして、正直泣きました。コンペは1本しか観られなかったし、インドの映画もベトナムの映画もイタリアの映画もトルコの映画も観られなかった。とても残念だ。

あとは、いろいろな事情があるのだろうけど、特別招待作品なんて、公開されるんだから映画祭でこんなに何本も上映しなくてもいいんじゃないの?という気持ちは以前と変わらず。

とはいえ、私が観た映画はどれもよかったので、その点は満足しています。

東京国際映画祭は、事業仕分けで予算がカットされたそうですが、そんななかで充実した作品を紹介してくださってありがたいと思うし、なんだかんだと私は文句言ってるけど、日程を組むのも大変な作業ですよね。関係者の皆様は、おつかれさまでした。来年も楽しみにしています!

最近は、日本で公開するのは難しいかもねという作品はまだしも、これ公開しないの?という作品も増えていて、映画祭をのがすと一生スクリーンで観られないかもしれないという危機感があまりに強くなりすぎ。なので、映画祭だけで終わらず、日本での一般公開へつながる作品が増えることを切に願っています。

さて、フィルメックスのことも考えないといけませんが、その前に私は残りの感想をがんばってアップするので少々お待ちください。日仏のマチュー・アマルリック特集が来年に延期になってよかったよ...。
[PR]
by rivarisaia | 2010-10-31 20:52 | 映画や本の雑記 | Comments(0)

忠烈図

TIFFにて木曜に鑑賞した1本目。強烈なラストバトルが頭から離れません。

忠烈図(The Valiant Ones/忠烈圖)』監督:胡金銓/キン・フー

中国沿岸地域を倭寇が席捲していた明朝後期。時の朝廷は武術に秀でた将軍に倭寇鎮圧を命じるのだが…


倭寇鎮圧チームvs 日本と中国の混合倭寇という構図で話は進むのですが、正直、前半は私自身が疲れていたのもありまして、誰が誰なんだかよく把握しきれず、ボーッとしてました。

碁を打ってると見せかけて、実は布陣を考えたりしているというのもおもしろかったし、鎮圧チームの紅一点、『笑傲江湖』の五仙教の藍鳳凰みたいな姐さん(要は苗族みたいな格好をしている)が、冷静に椅子に座りながら、あるいは刺繍をしながら戦うところもかっこよかった。

しかし中盤あたりから、じわじわとこみあげてくる別の何か(主に笑い)が。

倭寇ですから、当然日本人が出てくるわけですよ。
そのボスは、博多津という名前の日本人で、演じるのは白塗りのサモ・ハン。

博多津(ハカタヅ、とお読みするのでしょうか)のいでたちがあまりに衝撃だったのですが、まだまだそれも序の口でした。

ラストバトルから劇終までの怒濤の流れは、ある意味必見だったかもしれません。

助走→飛び蹴り→助走→飛び蹴り→助走→飛び蹴り→助走→飛び蹴り→助走→飛び蹴り…と無限に続く連続蹴り。額にブッ刺さる手裏剣。脳天を直撃する岩。
博多津のあの死に方はアリなのか。

倭寇はもちろん、鎮圧チームの勇士たちはほぼ全員死亡。そして流れる〆の言葉。

うろ覚えなんですけど、鎮圧グループを指揮してた将軍はその後別件で左遷されて不遇に終わったとか言ってませんでしたか? そして倭寇は相変わらず活動を続けたとかなんとか。そんな…殺生な。いや、でもそれもまた人生なのでありましょう。

昨日はこの映画の他に2本鑑賞したんですけど、帰宅して真っ先に思い返したのは博多津のことでした…。恐るべし、キン・フー。

昔の香港映画を大きなスクリーンで観るっていいなあ。ぜひとも邵氏の映画を大画面で観たいものです。ショウブラザーズ映画祭を大きなスクリーンでやってほしい!
[PR]
by rivarisaia | 2010-10-30 00:04 | 映画/香港・アジア | Comments(6)

ジュリエット

おもしろかったのですが、いかんせん『ギャランツ』の後に鑑賞したせいで気分を引き戻すのが大変でした。TIFF「台湾電影ルネッサンス2010~美麗新世代」の3話オムニバス。
b0087556_10165751.jpg

ジュリエット(Juliets/茱麗葉)』監督はそれぞれ下記参照

第1話「ジュリエットの選択」監督:侯季然/ホウ・チーラン
1970年代、印刷屋で働く少女(徐若瑄/ビビアン・スー)の物語。ある日、ハンサムな青年(王伯傑/ワン・ポーチエ)が印刷屋を訪れたことで、彼女の運命が変わる。

淡い初恋の物語のようでいて、実は女性のしたたかさが垣間見える作品。イノセントでピュアで可愛らしい恋の裏には、どろりとした狡猾な面もある。今の生活から抜け出したいという息苦しさ、必死さが、ビビアンの演技から伝わってきました。ロミオを自分の手でゲットするジュリエット、という感じ。

第2話「ふたりのジュリエット」監督:沈可尚/シェン・コーシャン
1980年代、恋人と別れたばかりのメイ(李千娜/リー・チェンナ)は、ふとしたことで出会ったある男性から過去の悲恋話を聞くのだが…

現在と過去が交錯する物語。舞台となっている島が不思議な雰囲気だった。そしてよく考えてみると、過去のパートなんですがかなり怖くないですか? ロミオなんて知るか!でも強烈な復讐をしてやる、ふふふ…と静かにほくそ笑んで、前向きに進んでいくジュリエット、という感じでした。

第3話「もうひとりのジュリエット」監督:陳玉勳/チェン・ユーシュン
現代、40歳を目前とした "ジュリエット" の物語。人生に失望したジュリエット(康康/カンカン)は自殺を図ろうとするが、偶然居合わせたコマーシャル撮影隊に邪魔されて…

他の2本もよかったんだけど、3話目は異様にズバ抜けてた。冴えないおじさんしか登場しないし、ベタなギャグ満載なのに、心からしみじみと人生捨てたもんじゃないという気分にさせられる話。冒頭の山びこのシーンからして可笑しかったけど、笑いの合間に挿入される何気ない場面がすごく効いていた。哀愁と滑稽さはコインの表裏みたいなもんだよな。

ほんと『ギャランツ』といい、『ジュリエット』の3話目といい、冴えないオヤジが勇気と希望と元気を与えてくれるのは何故。時代は今、オヤジかもしれませんよ。それもあくまでも冴えないオヤジね。

台湾電影ルネッサンスが今年の目玉のひとつだったのに、日程の都合でこの1作品しか観られなかったのが、残念。
[PR]
by rivarisaia | 2010-10-29 10:19 | 映画/香港・アジア | Comments(0)

大きいスクリーンで皆で一緒にこの作品を観ることができただけで、最高。あまりのすばらしさにくらくらします。頭がいっぱいで仕事にならないんだけど!

b0087556_843973.jpg

ギャランツ~シニアドラゴン龍虎激闘(打擂台)
監督:郭子健/デレク・クォック、鄭思傑/クレメント・チェン

不動産会社に勤める冴えない若者チョン(黄又南/ウォン・ヤウナン)は、ある日仕事でひなびた村へ派遣される。ふとしたことで地元のチンピラに絡まれるチョンだが、通りすがりの、これまた冴えないオヤジに助けられる。

オヤジのカンフーに感動するチョンがたまたま訪れたのは一軒の茶楼。
ふたりのオヤジ(梁小龍/ブルース・リャンと陳観泰/チェン・カンタイ)が経営するその茶楼は、かつては武道場・羅新門であった。

じつは羅新門を率いていた伝説の師匠ロー(泰迪羅賓/テディ・ロビン)は、30年もの間、昏睡状態にあり、ローの愛弟子であるふたりのオヤジが茶楼の2階で眠る師匠の看病にあたっていたのである。

しかし、突如師匠が30年の眠りから醒める日がやってきた!

ぎゃーー師匠〜〜〜!!!ステキ!

はい、ここで予告をどうぞ。




いやね、最初にこの映画の話を耳にしたとき、梁小龍と陳観泰が出るから観たいと思ってたんですよ。ふたりともオヤジですが相変わらずすばらしかったんですけどね、私の心はテディ・ロビンの魅力にもってかれちゃいましたよ。

なんだ、この「チャーミング」て言葉がぴったり似合う人は。小さい身体からはちきれんばかりの熱いエネルギー。おもしろすぎる。

さて。

この映画のすごくすごくいいところは、オヤジが無敵じゃないところ。カンフーでかっこよく敵を倒したりもするけれど、こてんぱにやられちゃうこともある。それはものすごくかっこ悪いかもしれないけど、ボロボロになっても立ちあがる。だってそれが人生だからさ! ははははは!(泣き笑い)

そうそう、陳惠敏/チャーリー・チャンも出てくるんだけど、悪の親分と思いきや最後はやっぱりこの人もわかってるんだなあ、人生ってものをね…と思わせるような役どころで、それがまたよかったですよ。

元気になるし、いつまでも幸せな余韻にひたれるので、これはぜひ一般公開して多くの人に観てもらいたいです。

上映後に監督のQ&Aがあったのですが、KEIさんとゆずきりさんがまとめてくれたので、リンクをはります(と、いつも人頼み…)。おふたりに多謝!

KEIさんのBlog:「ギャランツ(打擂台)」ティーチイン 23日
ゆずきりさんのBlog:打擂台『ギャランツ』10月26日 Q&A  #tiffasia


梁小龍と陳観泰も毎日整体に通いながらも、妥協せずに撮影に挑んでいて、そこもまた映画の「ボロボロになっても立ち上がる」オヤジと同じ。そしてテディ・ロビンがあの役に決まったいきさつも可笑しい! 映画の中で重要な小道具としてアヒルの薫製が出てくるのですが、それに込められた意味も必読です。
[PR]
by rivarisaia | 2010-10-28 09:59 | 映画/香港・アジア | Comments(2)

神々と男たち

公開されるとしたらフランス映画祭かと思ってたら、東京国際で上映。さらに2011年3月にシネスイッチ銀座にて一般公開決定です。2010年カンヌのグランプリ受賞作。

b0087556_21204567.jpg


神々と男たち(Des Hommes et de Dieux)』監督:グザヴィエ・ボーヴォワ

1996年にアルジェリアのチベリーヌにて、厳律シトー会(トラピスト会)修道院に属する7人のフランス人修道士が武装グループに誘拐され、殺害されたという事件を題材にした映画。

映画では描かれませんが、この事件の真相はよくわからなくて、武装グループ(GIA)の犯行説があるけれど、ちょうど去年、アルジェリア政府軍の誤爆による死亡説が浮上して大問題になりました。死体は斬首されていたので、誤爆を隠蔽するためにGIAのせいにしてわざわざ切ったのでは、という話だったかと思いますが、その後どうなったのでしょうか。

本作は事件の真相に迫るミステリーではなく、危険地域からの撤退を迫られた修道士たちの心の葛藤、悟り、そして決断、という心の過程を描いています。

信仰の異なる他者を理解すること、宗教が違っても相手の信仰を尊重し、それを敬うことは基本であり、とても大切なことである、というのが印象的に描かれていて、特にクリスマスの夜に起こる出来事が象徴的。その後に対比される軍人の態度とは大違いだ。

さて。

タイトルの「神」はなぜ複数なのか気になってましたが、映画の冒頭で聖書の詩編82篇「あなたがたは神である」からきていることが判明(ヨハネ福音書10-34にも引用されている箇所)。

神はその人の内側に存在する。強い信念を抱いた修道士たちの中に神はいたのだと思う。修道院長クリスチャン・ド・シェルジュの遺言には、意味もわからないまま自分を殺すであろう最後の "友人" にも「I see the face of God(神の顔を見る)」とあった。その遺言は「アーメン、インシャラー」という言葉で結ばれていました。

私たちは人のように死ぬけれど、皆いと高き者の子であり、神を内在している(あるいは、内在させることができる)、と考えれば、国や宗教の違いを口実にあーだこーだとモメているのはやっぱりバカみたい。「コーランをちゃんと読んでないやつがああいうことをするんだ」という劇中のセリフは、そのままコーランを聖書に置き換えることも可能だ。と、またもや私のキリスト教原理主義者への文句垂れになりそうなので、ここでひとまず終了。

宗教に興味がなくても、違った角度から平和と相互理解について考えさせられる映画だと思います。
[PR]
by rivarisaia | 2010-10-25 23:14 | 映画/洋画 | Comments(0)

今日から私は映画祭週間に突入しますが、もはやこの中国映画週間版は伝説。観賞後、友人たちとの間では、あまりにも衝撃的な字幕が話題沸騰。日本での一般公開はちゃんとした字幕になるそうです。一般公開を観てからちゃんとした感想書く。

b0087556_21563541.jpg

ボディガード&アサシンズ(十月圍城)』監督:陳徳森/テディ・チャン

清朝を倒すために、孫文が日本から香港へやってきて、中国各地の革命家と密会することになった。孫文が船に乗って香港に到着し、密談し、また船に乗って香港を離れるまでの短い間、清朝政府が遣わした暗殺者たちの手から、ひたすら孫文を守ることができるのか?

というのがあらすじ。邦題では、アサシンズは複数なのにボディガードが単数になってますが、ボディガードも複数います。あらすじは単純だけど、ひとりひとりのボディガードの背景や見せどころがちゃんと描かれて、なかなかおもしろい。

以下、箇条書き。

・張學友がいきなり登場して速攻で退場した。あれ?學友?気のせい?と思うほど早かった。友情出演だったのね。

・謝霆鋒(ニコラス・ツェー)はいい役だったなあ。ああいう役もできるんだなあ。

・黎明(レオン・ライ)が出ていることをすっかり忘れてたので、レゲエのおっさんのようなりよんにけっこう衝撃でした。というか途中まで気づかなかった。途中で「なんだか、この瞳孔開いてる無表情具合…もしかしてりよんさん!?」と瞳孔の開き具合で確信した。そんなりよんさんはサービスショットっぽい入浴シーンあり。

・甄子丹(ドニー・イェン)はかっこよかったです!いやあドニーさん、ステキ。たとえまぶたが腫れててもイイ!

・眉毛のない胡軍(フー・ジュン)が怖すぎる。あんなのに追っかけられたら死ぬ。

そんなおもしろい映画だったのに、すべての余韻はあの字幕がかっさらっていきましたよ! なんだあれ(爆笑)

漢字がやたら多い、ふつうならひらがなに開くところも漢字、しかもたまに中国の漢字、そして目で追えないくらい文字量多い、いちいち文末に「。」打ったりする等々はまだしも、護衛をしきる商人のおじさん李玉堂(王學圻)などが何故かおネエ言葉にしかみえない語尾。

すごくシリアスな話をしているのに姐さんっぽい…。逆に李玉堂の妻(范冰冰)が突然「〜だろう!」みたいな乱暴な物言いを…。

いちばん腹筋が痙攣したのは、「(革命の場所は)まさにここだ!」と言いたかったのであろう台詞が「まさかここ!」となっていたときだ。いや、こっちがまさか!とびっくりだよ。

無駄に吹き出してしまいそうになるので、途中から字幕は目のはしに留めるのみにいたしました。

まるで、あの悪名高いユニバーサル廉価版DVD並みに酷いのですが、あまりの酷さにかえって鑑賞した皆さんと伝説を共有した気分。中国映画週間は他の上映作品も軒並みあんな調子なんだろうか。余計なお世話かもしれませんが、今後は日本語の校正ができる人に赤字入れてもらったほうがいいと思いますよ。

最後にまじめな話をすると、昨日のグリーンカーペットで大陸側の物言いがついて台湾勢が歩けなかった件が私はとても不快で、今日のオープニングセレモニーでも「中国香港」「中国台湾」とやたらと冠頭詞のように"中国" をくっつけて連呼してましたけど、孫文先生はそんなこと望んでなかったと思いますよ。少なくとも映画に政治を持ち込まないでほしい。


*孫文の義士団で公開されました。ちゃんとした感想書いてないけど、一般公開で観て「字幕が違うとこうも印象が違うのか…」としみじみしましたよ....あーー。

[PR]
by rivarisaia | 2010-10-24 22:07 | 映画/香港・アジア | Comments(2)

2010年アメリカ探偵作家クラブ賞受賞のノンフィクション。何故いまさらコロンバインなのか、それは私たちは知ったつもりになっているけど、実際のところ何も知らないからだ。

原書が出たときに、この本を読みたいという気持ちになったのは、事件に対する興味よりも、ブックデザインの完成度の高さのせい。デザイナーは、私の好きなブックデザイナーでもあるHenry Sene Yee氏。みてください、この表紙を。

b0087556_194675.jpg

Columbine』Dave Cullen著、Twelve刊

こちらは邦訳も出ていますが、原書のデザインとのあまりのギャップが非常に残念。まあ翻訳版のデザインはさておき、本書は、被害者と加害者、その家族、メディア、警察、宗教団体など、さまざまな対象を綿密に調べ、事件前、事件当日、事件後のあらゆる事象を多角的にとらえている力作です。

b0087556_1946048.jpg


コロンバイン銃乱射事件の真実』デイヴ・カリン著、 堀江 里美訳 河出書房新社

当時報道されていたような、トレンチコート・マフィアも、音楽やゲームの影響も、ジョックに対するいじめられっこの反抗という構図も、まったく間違っていた。こういう恐ろしい事件が起きると、メディアも視聴者もわかりやすい理由がほしくて、誰もが納得できるものがそんな構図だったのかもしれないけど、実際はそうじゃなかった。

エリック・ハリスとディラン・クレボルドはどうして銃を乱射したのか。
簡単にいえば、エリックはサイコパスであり、ディランはうつ病で自殺願望があったからでした。

サイコパスには、ひとつは「他人に対して非情なまでに無関心」、次に「ひとつめの特徴を隠す驚異的な才能」というふたつの際立った特徴があり、またサイコパスを生む原因ははっきりしていないけれど、子育てや教育というより「生まれつきである可能性が高い」のだそうです。

サイコパスは非常に邪悪だが、人を引きつける魅力でそれを覆い隠してしまうので他の人からは邪悪さは見えない。もちろんサイコパスが皆殺人をおかすわけではないけど、エリックには兆候がありました。ただ、家族は気づいてなかった。唯一気づいていたと思われるのが、エリックの友人の母親ひとり。

そんなエリックに、自己嫌悪と自殺願望にとらわれて自暴自棄になっていたディランが引き寄せられて事件が起きてしまった。ディランの気持ちにも、家族は気づくことができなかった。

被害者の家族がつらいのはもちろんだけど、犯人の家族も一生重荷を背負って生きていかなくてはならないという、また違ったつらさがあって、それもキツイよなあ。銃が簡単に入手できるから起きた事件というよりも、もっと根本に不安定な心の闇が隠れているような気がする。
[PR]
by rivarisaia | 2010-10-23 18:05 | | Comments(0)

今週末から映画祭に突入してしまうので、その前に最近読んだ本のメモでも。
まずはこれ。

ほのぼのした語が一転してホラー。そしてサスペンスな展開から、救済、成長という物語。一気に読んで、どっときた…。今年のブッカー賞の最終候補作のひとつ。

b0087556_1254530.jpg

Room 』Emma Donoghue著 Picador刊

語り手は5歳になったばかりのジャック。5歳にしてはけっこう頭がいい気もするが(数や単語をよく知ってる)、その割には文法を間違えたりする。

そんなジャックはお母さんとふたり暮らしのようだ。ジャックの誕生日からはじまる物語は、ジャックと母親が仲よさそうに幸せに暮らしているようすを描き出す。部屋の中でゲームをしたり、TVを見たり。

しかし、どうも何かがおかしいのである。

部屋はとても小さくて、天窓しかついていない。そして何故か、ジャックは常にワードローブの中で寝ているようなのだ。なんで?

なんか変じゃないか?と思いつつ読み進んでいくと、早々にうっすらと真相がわかってくるわけですが、そこにはなんともいえない恐怖が。まったくあらすじを知らずに読んだため、顔がひきつった私です。

あまり多くは語らないことにしますが、その後、息もつかせぬサスペンスな展開が待ち受けておりまして(これがかなりハラハラして泣けた)、そしてそれがめでたし、めでたしというところで終わらないのがポイント。「後日譚」といえる部分がけっこう重要で、お母さんもジャックも現実にうまく向き合って生きていかなくてはならないのだった。特に5歳の子どもにとって、外の世界はそれこそ未知なる「outer space」でしかなく、毎日が発見と驚きと吸収の連続なのだった。

語り手がジャックなのでジャック目線になっちゃいがちだけど、よく考えるとお母さんが乗り越えてきたものも凄い。そしてお母さんのジャックに対する愛情も。ラストはこれ以上ないすばらしい終わり方だった。
[PR]
by rivarisaia | 2010-10-22 12:06 | | Comments(0)

何もないとはいえ大自然があるので、シュノーケルやらサーフィン、ゴルフ、山のぼり、マウンテンバイクのダウンヒルなど、アクティビティはよりどりみどりのマウイ島ですが、ま、私がやったことといえば、潜水艦に乗ったことくらい(ダウンヒルに行けなかったのは残念)。
b0087556_12544728.jpg

レッド・オクトーバーみたいに、沖合にてザッパーンと浮上する潜水艦。海の底では難破船も見たよ。

それ以外はスーパーに行ったり、ホームセンターに行ったり、本屋に行ったり、ドライブしたりとだらだらしてたんですが、捕鯨博物館には行った! 博物館と言っても、ショッピングモール Whalers Village の2階にある小さい博物室。

小さいけどなかなか楽しかったんですよ。入場は無料で代わりに寄付金箱があります。

中に入るとでかい捕鯨船の模型がドーン!
b0087556_12542280.jpg

帆船模型好きにはたまらないですね。ふふふ。
そして帆船には欠かせない(と勝手に私が思っている)弦楽器ヴァイオリンがドーン!

b0087556_12541338.jpg


さらに帳面派の注目の1品。捕鯨員の帳面! 帳面派の私にはこれが目玉展示。

b0087556_12535720.jpg

このクジラのスタンプおもしろい。航海誌に使用されていたスタンプにはいろいろ種類があったようで、その一例がパネルで紹介されてました。

b0087556_12543880.jpg

(上の段、左から右)
Sperm Whale Killed & Tryed-out:マッコウクジラ捕獲&鯨油を取る
Chased But Not Harpooned:追跡、しかし銛を打ち込むにいたらず
Harpooned But Escaped:銛を打ち込んだが、逃げられた
Killed But Sank:捕獲したが沈んだ
Right Whale Killed and Processed:セミクジラを捕獲&加工

(下の段、左から右)
Ship Encountered:船に遭遇
Made Port:入港
Death on Board:船上で死人

Try out ってどういう意味だろうと調べたら、鯨油をしぼり取ったり、溶かして精製したりすることを指すようで、鯨油をしぼる際に使う鍋を「try pot」と言うそうな。
へええ。

そういえば、私はメルヴィルの『白鯨』をイシュメルが捕鯨船に乗り込む前のページで中断して放置してた…。なにせ英語版で読んでるせいか遅々として進まず…いやこれを機に読もう。

他にも船室の実寸再現や銛や鍋、船医者の道具箱などのほか、スクリムショウ(Scrimshaw)という工芸品も展示されてます。これは骨や象牙に絵や彫刻の細工を施したもの。
b0087556_1254471.jpg


長い長い船旅。捕鯨船員は、通常の船員よりも夜はヒマだった。そこで船にあった道具をつかって、クジラの骨や歯に絵を刻み、上からインクやタバコのやになどをこすりつけて染色した工芸品を作っていた。というのがスクリムショウの始まり。

b0087556_1254302.jpg


船員のみなさん、けっこう上手だよ。こんなダイナミックな絵もあるし。
『白鯨』のエイハブ船長も、こんな工芸品をつくったりしたのだろうか。それはこれから読んで確かめてみます。
[PR]
by rivarisaia | 2010-10-21 08:49 | 旅行・お出かけ・さんぽ | Comments(0)

今回、朝食はスーパーで買った果物やサラミやヨーグルトなどを食べ、昼食と夕食はレストランで魚!肉!と食い倒した感じですが、おそろしいのは、アメリカは量が多いんだよ…などとぶつぶつ言いながらも気づけば完食してること。ひえええ。食べ過ぎた…と思ってても翌朝になると超空腹。お米食べてないからですかね…。

ただ、マウイ島の外食は全般的にお値段が高いと思う。美味しいけど。

昼&夜の食事のためにお腹をすかせないといけないので、ほとんどおやつは食べなかったんですが、街角でかき氷(Shaved Ice)食べました。

色がすごいです。

b0087556_1022750.jpg

こちらは「Tropical なんとか」。グアバとパッションフルーツとあと忘れたけど何か南国フルーツのシロップが3種類か4種類かかってます。これは美味しい。

b0087556_10221528.jpg

こちらは青リンゴとパイナップル。青リンゴだからってその緑はないだろう!という色合い。さわやかというより甘かった。

そしてこちらが「Volcano」。
b0087556_1022241.jpg

ルートビールにチェリー味という、まさにルートビール愛好者のためにつくられた味。私は「きゃっはー!」という気分だったけど、嫌いな人は「オエー」な味だと思われる。

そして本日のオマケ。
b0087556_10223242.jpg

写真が暗くて申し訳ないですが、レストラン Kimo's のフラ・パイ。

高さ15センチくらいあるので、そのデカさにお腹いっぱいな感じですが、パイと言ってもココアクッキーのクラスターの上にバニラアイス&チョコレートソース、生クリーム、マカデミアナッツというアイスケーキで、けっこうおいしいうえに、数人にアタックするとペロリとなくなった。おそろしや。
[PR]
by rivarisaia | 2010-10-19 17:52 | 旅行・お出かけ・さんぽ | Comments(0)