「ほっ」と。キャンペーン

以前たまたま読んでいた本に「西部劇では描かれないがカウボーイには黒人がたくさんいたし、インディアンのカウボーイも存在した」という記述をみかけて以来、カウボーイに関する本をちょこちょこ読んでいて、その流れでアメリカ開拓史の本もちょこちょこと読んでいるところ。

西部開拓史における女性の話がなかなかおもしろい。大草原の小さな家シリーズを愛読してた人にとくにおすすめ。

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Pioneer Women』Joanna L. Stratton著、 Arthur M. Schlesinger Jr.序文、Touchstone刊

著者ジョアンナ・ストラットンの曾祖母ライラ・デイ・モンローは、夫の法律事務所で働くかたわら、知識をみにつけ、カンザス初の女性法律家として資格を得て、女性参政権運動などに関わった人物で、1920年にカンザスの開拓女性の記録を収集しました。曾祖母の仕事を著者が1冊にまとめたのが本書です。

本書の内容を説明します。大きく5つの章にわかれています(自分用のメモを兼ねているので長いです)。

【第1部】旅立ち/住居/大草原でのくらし

幌馬車での東部からの旅立ち、丸太小屋、土でつくった家、横穴式住居でのくらしがはじまる。横穴式住居はローラの本にも登場しましたが、本書では写真もみられます。

地下水脈を探して井戸をつくったり、燃料確保をするのがひと苦労。石炭や薪がないので、大草原にいっぱい落ちている牛のフンを乾燥して使っていたのだ。

石鹸づくりも大変な作業だったし、マラリアをはじめとする病気も脅威だった。

【第2部】大自然/気候/インディアンとの戦い

開拓生活は、狼やコヨーテ、草原の火事、集中豪雨や吹雪、大吹雪、干ばつ、いなご…と危機だらけである。しかし何故かどんな災害にあっても、収穫がぜんぶダメになって何もかも失っても笑い飛ばすのが開拓民、というようなことを当時の女性のみなさんは言ってる。

すごいのは出産の話。隣の家なんてないような場所に住んでるから、まわりに相談できる人もいないし、栄養も偏った食事だし、妊娠しても重労働をこなしてるので、出産自体が命がけ。産気づいても医者が呼べない(呼んでも間に合わないケースが多い)。

4才と1才のこどもを抱えたある女性は、夫が外出中に産気づき、隣人も医者も呼べないのでひとりで準備をしてバケツに水をくみ、食事を用意し、飼い犬に子どもを見るように命令し、気を失いかけつつ(!)ひとりで出産したのだった。

いっぽう、インディアンについては、大草原のインディアンは比較的平和主義だったので問題なかった。しかし、西部のコマンチ族やシャイアン族はバッファローを狩りつくす白人を憎んでおり、開拓民が襲撃により殺されたりもしている。

サラ・ホワイトとアンナ・モーガンの略奪誘拐事件というのが起こり、のちにふたりは解放されるが、サラは積極的にインタビューに応じたりしたものの、インディアンの酋長と結婚していたアンナのほうは白人社会になじめず、精神を病んでしまった。

【第3部】人づきあい/子供時代/教育/教会

開拓民には突然やってきた知らない人も手厚くもてなすという、助けあいの習慣があった。地域には学校や教会があり、日々やることだらけの人々にとって、日曜はほんとうに休息できる日だった。いっぽう、開拓者はみんな苦労ばかりしてると思われているけど、楽しいこともたくさんあった、と記す女性も多く、じっさいにダンスパーティや綴りのコンテスト、人々による朗読会やお芝居などもひんぱんに行われていた。

【第4部】町/カウタウン/コミュニティ、ヴィクトリア

開拓者の町づくり(郵便局、新聞社、裁判所の設立、自警団の結成、選挙の運営などを含む)についての章。テキサスから牛をつれてくるカウボーイの話も登場。

また、英国移民が築いたヴィクトリアという町の話。英国のくらしをそのまま持ってきたはいいけれど、大草原の厳しい生活についていけない人が多く、町民の多くが英国に戻ったり、残った人も隣のヘイズに移動したりして、ヴィクトリアは1878年になくなってしまった(なんだそりゃ)。

【第5部】戦争/女性運動家

カンザス準州では奴隷制反対の組織が結成され、逃亡奴隷を受け入れていた。カンザスとミズーリの州境では、奴隷制反対派と支持派の対立がたびたび起き、1856年には、奴隷制に反対していたジョン・ブラウンの一派に報復すべく、ミズーリから支持派がオサワトミーを襲撃した。1861年にカンザスは自由州として合衆国に加入する。

その後、南北戦争時代には、南軍のゲリラ、クアントリルがローレンスの住民を虐殺する事件も起きている。

カンザスは合衆国ではじめて禁酒法をとりいれた州でもあり、カンザスの酒場になぐりこみをかけて、手にしたまさかりでバーをぶっ壊すという活動をしていたキャリー・ネイションが有名。

以上、こんな感じで、実際の開拓時代の女性たちの記録を通して、彼女たちの苦労や困難、それに立ち向かう強い精神力がびしびし伝わってきて、うわあ大変だなーと同情するとともに、人間そうそうへこたれないものだなと、なんだか元気がでます。

アメリカ中西部の「だいじょうぶ、なんとかなるさ、アッハッハー!」という精神はこういった開拓者たちのDNAを受け継いでるような気がしてきた。間違いないね…。

インディアンや奴隷制度反対派の話も興味深いので、もっと調べてみよう。

ちなみに本書は和訳も出ているようなので、興味のあるひとはぜひどうぞ。

パイオニア・ウーマン―女たちの西部開拓史』 ジョアナ・ストラットン著、井尾祥子、当麻英子訳、 講談社学術文庫
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by rivarisaia | 2013-11-29 22:35 | | Comments(2)

先日、散歩ついでに代官山の旧朝倉家住宅に寄ってきたんですが。

旧朝倉家住宅とはヒルサイドテラスの裏側にある、代官山の大地主で東京府議会議長などをつとめた朝倉さんのおうちです。とにかく家も庭も広いうえに、家の細かい意匠にたいそう気を遣われていて、とてもよい住宅。重要文化財です。詳しくは以下をどうぞ。

渋谷区/重要文化財 旧朝倉家住宅

代官山ヒルサイドテラス/重要文化財 旧朝倉家住宅によせて

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傾斜地をいかしたお庭の入り口。紅葉のとき綺麗だとおもう。

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変わった蔵も建っています。

さて、古い家を見学するとき、つい「ねじ」を探してしまう性格のわたしなのですが、日本の古民家はあんまりねじは使われてない。だが、しかし!
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1階に金庫があるお部屋がありますが、その金庫のプレートが「マイナスねじ」。おお!

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同じく、1階の洋間の窓の掛けがねも、写真じゃ見えにくいんですが右側を留めてるのが「マイナスねじ」。
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その窓のカーテンをとめる金具も比較的新しそうだけど「マイナスねじ」。

さらに、すごいマイナスねじポイントは庭にあった。庭の下のほうにおりていくと片隅に錆ついたなんだかよくわからない物体がおいてあり、そこにこれまたなんだかよくわからないけど…
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きゃーー! 「マイナスねじ」いっぱい!!

旧朝倉家住宅でマイナスねじ充のわたくしでした。
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by rivarisaia | 2013-11-27 23:55 | 旅行・お出かけ・さんぽ | Comments(2)

いまから大掃除小分け大作戦の計画を練るので、きょうはサクッと感想書きます。これ読まのフィクション部門その2の候補作のうちの1冊。

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The Rosie Project』Graeme Simsion著、Penguin、Simon & Schusterほか

検索したら表紙デザインがいろいろ出てきたので並べてみました。どれが好き? わたしが気に入ってるのは、いちばん左のペンギン版ロブスターの絵のデザインですが、ブルーに自転車の絵のデザインもいいな。

そう、本書ではロブスターと自転車がちょっとしたキーアイテムとして登場します。

先日紹介した別の候補作『The Husband's Secret』と同じく、本書も舞台はオーストラリアです。余談ですが、季節が逆になることを忘れていて、ときどきあれ?ってなったりするわたし。

あらすじ。

大学の准教授のドンは、頭がよくて、合気道もできて、顔もよくて、料理も上手。そろそろ結婚すべきと考えたドンは、理想の相手を見つける計画を立てるが、ひとつやっかいな問題があって、それは……彼の性格なのだった。


ドンは、たとえていうなら、『ビッグバン・セオリー』のシェルドンである。シェルドンならきっとこう言うね!というようなことをドンも言う。大体からして、理想の妻を見つけるプロジェクトの一環として、まず女性に回答してもらうための16ページものアンケートを作成してる時点で、シェルドンである。

そんなドンは、友人からロージーを紹介される。ロージーは妻候補としてはまったく論外だったのだが、わけあって、ドンはロージーの生物学的な実の父親探しを手伝うことになり…


ロージーのお父さん探しのドタバタと、中断しているドンのお嫁さん探しはどうなる!?というコメディです。わたしのなかでは、ドン=シェルドンで、読んでいてすごく楽しかったし、ところどころ大笑いしてたのですが、なんと、中盤以降でドンが『アラバマ物語』のグレゴリー・ペックに似ていることが判明。

顔がグレゴリー・ペックで、性格がシェルドン……。まったく想像できないよ!(笑)
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by rivarisaia | 2013-11-25 17:20 | | Comments(0)

風の中の牝鷄

小津安二郎生誕110周年、没後50周年ということで、神保町シアターでも11月23日から特集上映があるし、いまGyaO!でも日替わりで無料配信をしています。

先日は懐かしい〜と『秋刀魚の味』をみたら、しょっぱなからかなりのセクハラ全開なことに気がついた。昔はそういう時代だったのねと遠い目をしたいところですが、いまだにこの手のおっさんが生息しているのがなんだか残念な日本社会である。

ところで。

さきほど1948年のこの作品をみて、びっくりしちゃったわたしです。ひゃっ!と叫んでしまったほどです。劇場で観てたら椅子からずり落ちてた、たぶん。

以下、最後まで内容にふれますので、ひゃっ!となりたい人は読まないほうがいいです。

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風の中の牝鷄』監督:小津安二郎

夫(佐野周二)が外地から戻ってこず、幼い息子の浩と細々とくらしている時子(田中絹代)。ある日、浩が病気になってしまい、治療代が必要になった時子は、困った挙げ句に一晩だけ身体を売ってしまう。

やがて夫が戻ってくるが、隠しごとができない時子は、すべてを告白。夫はショックのあまり、妻に嫌悪感を抱く。ついには妻が利用した安宿に赴き、妻がそこに来たのは本当に一度だけか、という確認をしたりする。一度だけだと聞かされても、釈然としない夫。

そして、自分のお相手の女性に説教したりするんだけど、このあたりから、わたし、髪の毛がぼさぼさしてすんごくやさぐれた暗い、暗い佐野周二にムカムカしてきました。

同僚の笠智衆はそんな佐野に言う。

「過ぎたことだ。そんなことにこだわらずに奥さんを許してあげろよ。
奥さんが可哀想だよ」(そうだ! そうだ! by わたし)


しかしやさぐれ佐野ときたら

「なにかくすぶってるんだ…イライラするんだ…」
(イライラすんのはこっちだよ!! by わたし)


といつまでも悶々としているのである。気持ちもわかるが、早く忘れなよと笠智衆に諭される佐野。わたしも笠智衆と同じ気持ちである。

その佐野は帰宅すると、妻・田中絹代から「きょうはどうかうちにいてください。どこにも行かないで」と泣きつかれるが、冷たく妻を振り払う。ここで驚愕の展開が!

なんと妻が、階段のてっぺんから下までドドドドドーッと転げおちてしまうのである。

ひゃああああ!!

まさかの階段落ちで、妻は死んだかと思いました…。いっぽう夫・佐野はどうしたかというと、階段をかけおりるも、途中で立ち止まって「時子! 大丈夫か?」と声をかけるだけなんだよ。

いやいやいや、いくらショックでも、それはあんまりだろ。ちゃんと下までおりて大丈夫か確認しなさいよ。

大家のおばさんが何事かとやってきた時点では、夫・佐野ときたらすでに2階に戻っちゃってるの。どういうことなんですかね(怒り心頭のわたし)。

「どうしたの?」とおばさんに聞かれた妻は「あたし、そそっかしいもんですから、はしごだんからおっこっちゃって」と、典型的なDVの被害者の受け答えをしてましたよ。嗚呼……。

そのあと、足をひきずりながら階段をのぼった妻は「すみません。みんなわたしがバカだったんです。どんなことでも我慢するから、気のすむようにしてください」と涙ながらに謝る。

するとなんと、夫・佐野いわく。

「おれはおまえを叱りやしないよ」


へ? いきなり何言ってんの? お前、謝れよ。

「おい、忘れよう。そんなことにこだわってると不幸にするんだ。俺は忘れる。お前も忘れろ。深い愛情をもつんだ。おれもどうかしていた。もういいんだ」


いやいやいやいやいや。ちょっと、わざとじゃないとしても奥さんを突き落としといてそれはないんじゃないの? 急にえらそうなことを言い出してるけど、なんなの? 奥さんは、階段から転げて、運悪けりゃ死んでたよ!? と、わたしの憤りが最高潮に達したところでようやく、

「ケガはなかったか?」


ときたもんだ。酷い。酷すぎる。なんだこの夫。でもこのあたりで妻は夫を赦し、夫も妻の過去のあやまちを赦し、まあいいか、という方向に向かっていったので、わたし、とやかく言わないことにします。幸せになれるといいですね。

しかし最後に、夫・佐野が言った台詞が不安を呼びました。

「この先まだ長いんだ、いろんなことがあるぞ。どんなことにも動じないお前と俺になるんだ!」


いろんなこと……。そのなかにDV的要素が含まれてないことを祈るばかりですよ。いやはや…。
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by rivarisaia | 2013-11-21 01:46 | 映画/日本 | Comments(0)

The Husband's Secret

きょうは「これ読ま」のショートリストに残っている1冊。表紙のデザインが2種類あるので、ふたつともあげてみます。瓶に蝶々が入っている写真の表紙がPenguin版、花の絵のほうは Putnam版です。

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The Husband's Secret』Liane Moriarty著、Amy Einhorn Books/Putnam

明るくて社交的で、主婦の鏡ともいえるような女性セシリア。ある日、彼女は屋根裏部屋で偶然にも自分宛の封筒を発見する。そこには夫の文字で「僕が死んだら開封してほしい」と書いてあった…


ちょうど夫は出張中で、セシリアは夫に内緒で封を開けるかどうか葛藤します。さあ、封筒を開けちゃうのか、それとももとの場所にもどすのか。いったいその手紙には何が書いてあるのか。この手紙は、セシリアの家族だけでなく、まわりの人々にもひっそりとしかし着実に波紋を起こすのだった…。

本書に出てくる主要な登場人物(女性)は次の3人です。

セシリア:学生時代は好青年だったジョン=ポールと結婚して15年、3人の娘がいる。おしゃべりで陽気な彼女は、タッパーウェアの販売員としても成功している。

テス:夫から突然好きな人ができたと告げられる。しかも相手は、テスの親友で従姉妹でビジネスのパートナーでもあるフェリシティ。そこで息子を連れて家を出て、故郷の町に戻ってくる。

レイチェル:セシリアの娘も通っている小学校のセクレタリー。息子夫婦が2才になるかわいい孫を連れてニューヨークに移住すると聞いて気落ち中。また、レイチェルは30年前に娘を亡くしていた。


ところでわたしは、勝手にコメディタッチの話だと勘違いして読みはじめたので(実際に前半はコメディっぽい展開になりそうな雰囲気だった)、中盤以降だんだんと事態が深刻になっていくにつれ、ページをめくる手が止まらない状態に! 手紙の内容は途中で想像できるかもしれないけど、そのことにまつわるさまざまな人々の行動が、予想外の結果を生んでしまう。

読んでる最中、登場人物の多くに対してイラッとして、特にセシリアと彼女の夫があまり好きじゃなかったけど、読み終わる頃には、どういうわけか特にセシリア夫婦を少し励ましたい気持ちになってました。つまりは作者が、人の内面の揺れ動きを描くのがそれだけうまかったということなんだろうな。
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by rivarisaia | 2013-11-19 23:23 | | Comments(2)

オルハン・パムクは好きな作家で、なかでも細密画をめぐる物語『My Name is Red(邦訳:わたしの名は紅(新訳版は、わたしの名は赤)』は話自体が細密画をじっくりのぞきこんでいるかのような気分になりクラクラしました。ディテールの描写がうまい作家でもありますが、ディテールといえば『無垢の博物館』の「モノ」の描写も印象に残る。

で、パムク氏は実際に「無垢の博物館」をイスタンブールにオープンしたんですよね。どんな博物館なのかは、小説のとおりらしいのですが、1950年代から2000年までのイスタンブールの日常生活を想起させるようなコレクションになっています。

具体的にどんなモノがどのように展示されているのか、というのがわかるのがこの本。

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The Innocence of Objects』Orhan Pamuk著、Harry N. Abrams刊

博物館のカタログであるビジュアル書です。博物館の成り立ちについての説明等のあとに、展示物ひとつひとつが解説されているのですが、この展示物が、思いっきり箱派! やだもう、この博物館、いますぐ行きたい!

コーネルが好きな人は絶対にノックアウトされと思われる。たとえばこんな展示。14番の "Istanbul's Streets, Bridges, Hills, and Squares" (Photo: Refik Anadol)
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もっとみたい人は、It's Nice Thatの記事や、DESIGN OBSERVERの記事Guardianの写真Telegraph の写真などをどうぞ。

毎日新聞の去年の記事もまだ読めるようなのでリンクはっておこう>「無垢の博物館:ノーベル賞作家オルハン・パムクさん、イスタンブールに 小説と博物館が一体に?」

本もっていけば入場券いらないんだって。ああ、イスタンブールに行きたいなあ。

博物館の公式サイト:http://www.masumiyetmuzesi.org
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by rivarisaia | 2013-11-17 22:24 | | Comments(0)

またもや「これ読ま」の季節がやってきました。今年はロングリスト→ショートリスト決定ツイッター会議もあって、ちょっと進化してます。しかも部門もひとつ増えたし!

ということで、いまからみなさまもぜひともショートリストの候補作のなかから気になる作品を読んでいただき、12月の受賞作決定の話し合いに飛び入り参加してみてくださいね! 飛び入り大歓迎。わたしもまだ全部読み終わってないうえに、感想もぜんぜんアップしてないんですが、間に合えば感想書くわね…。

さて、ショートリストです。

1)児童書/YA
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『One and Only Ivan』Katherine Applegate著、HarperCollins→感想
『The Screaming Staircase』Jonathan Stroud著、Disney-Hyperion→感想
『The Sea of Tranquility』Katja Millay著、Atria Books
『Eleanor & Park』Rainbow Rowell著、St. Martin's Press

児童書/YAは3冊に絞るところ、"The Sea of Tranquility" と "Eleanor & Park" のよみくらべという意味もあっての4冊。

2)ノンフィクション
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『Lean In』Sheryl Sandberg著、Knopf
『Zero Waste Home』Bea Johnson著、Scribner
『The Signal and the Noise』Nate Silver著、Penguin

"Lean In" は邦訳も出てますね。あとはゴミをゼロにするくらしの本と、あのネイト・シルバーのデータ分析の本が候補作。

3)フィクション(文芸小説・短篇集)
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『A Tale for the Time Being』Ruth Ozeki著、Viking Adult→感想
『Dear Life』Alice Munro著、Vintage

ルース・オゼキの新作と、ノーベル文学賞受賞おめでとう!のアリス・マンローの新作です。

4)フィクション(SF、ミステリ、ラブロマンスを含む大衆小説)
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『The Rosie Project』Graeme Simsion著、Penguin→感想
『The Husband's Secret』Liane Moriarty著、Penguin Books→感想
『The Emperor's Soul』Brandon Sanderson著、Tachyon Publications
『The Storyteller』Jodi Picoult著、Atria→感想

新しく、フィクションがふたつにわかれました。こちらのフィクションは読みやすい本がそろってるよー。

ちなみにロングリストの候補作は渡辺さんのブログのこちらの記事をどうぞ

どのような経緯でショートリストを絞り込んだのかは、洋書ファンクラブ「2013年 これを読まずして年は越せないで賞」ショートリスト決定会議まとめをごらんください!
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by rivarisaia | 2013-11-13 20:14 | | Comments(2)

大昔に放置した掘り出し感想。映画祭ではダンテ・ラムの新作が観られなかったのが残念!

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ビースト・ストーカー/証人(証人)』監督:ダンテ・ラム/林超賢

刑事トン(ニコラス・ツェー/謝霆鋒)は、ある事件を解決する際に誤って少女を殺してしまったことで、トラウマを抱えている。

その事件から数カ月後、少女の母親で女性検事のアン(チャン・ジンチュー/張静初)のもうひとりの娘が何者かに誘拐される。犯人は元ボクシング選手のホン(ニック・チョン/張家輝)だった。

ホンは病気の妻の医療費を稼ぐため、犯罪に手を染めていたのだが、もうひとつ、そこにはある事情があった…


元ボクシング選手で、みずからも失明の危機にあるんだけど、ちょう奥さん思いの悪役ニック・チョンがいい味だしてます。いやあ、ニック・チョンは本当にいい俳優になったねえ(しみじみ)。

刑事は誘拐された娘を無事に取り戻すことができるのだろうか。ハラハラしながら見守ることになるのですが、ここで正直に言うと、劇的なクライマックスのあるシーンでちょっとげんなりしちゃった(それが感想放置の理由でもある)。いやだってね、「感きわまって泣き叫ぶ」とか好きじゃないんですよねー。泣いてないでさっさとやることやれよ!と言いたい。

そのようなわけで、ラスト近くで辟易した気分でいたのですが、最後の最後で明かされる真実には呆然としました。そういうことだったのか、とちょっと驚き。
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by rivarisaia | 2013-11-11 16:24 | 映画/香港・アジア | Comments(0)

鳥の巣

遊びほうけており、ご無沙汰しておりました。ご無沙汰している間に我が家のジャングル(庭)でちょっとした出来事が!

気づいたのは異国から来日中の妹。「ちょっとさー、庭に鳥の巣あるの知ってたー?」

え、 鳥の巣?

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おおお!ぜんぜん気づいてませんでした! 近所のツバメの巣に夢中になってる場合じゃなかった。灯台下暗し。傍目八目。隣の芝生は青いがうちの芝生だって青かった!

絶妙な位置にあって本当に見えてなかったです。

がんばって木によじ上って観察するとこんな感じ。
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ビニールテープやヒモを駆使してつくってる。以前、裏庭にカラスが巣をつくったときは、針金のハンガーを駆使していて感心しました。

今回の巣は、大きさと形からして、たぶんメジロの巣だと思うんだけど違うかなー。どうだろう。このままにしておいたら、メジロかあるいは他の鳥が春に再利用するかしら。

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孵ってない卵が残ってたりして…と巣を覗いてみたら空でした。来年の春もぜひとも巣作りにおこしください。エサ用意して待ってます。巣箱を設置してみても楽しいかもしれないわね。ふふふ。
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by rivarisaia | 2013-11-08 02:22 | 生きもの | Comments(0)

2011年のブッカー賞ショートリストに残っていたウェスタン小説。感想書かずにいたら、今年の5月に翻訳も出ました。翻訳もすごくいい感じだし、なんだか愉快な話なのでおすすめ!

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シスターズ・ブラザーズ』パトリック・デウィット著、茂木健訳、東京創元社

1851年のアメリカ。

ずる賢くて冷血漢の兄チャーリーと、ドンくさくて優しいけどキレると手に負えない弟イーライ。これが凄腕の殺し屋シスターズ兄弟である。

ふたりは雇い主の「提督」から、とある山師を消すよう命じられる。おりしもときはゴールドラッシュ。オレゴンからサンフランシスコへ、ふたりの珍道中はこりゃいかに!


という話です。この兄弟がナイスコンビで、珍道中っぷりが可笑しいです。そもそもふたりは殺し屋だし、道中も過酷な出来事にみまわれ、当然血と暴力にまみれてもいるのですが、なにせ語り手がちょっとボケてる弟イーライ。絶妙なというか、珍妙な語り口で、バタバタと人が死んでいるというのに、どうにもほのぼのした旅路に見えてしまうというのがミソです。

コーマック・マッカーシーの世界が広がっている…はずなのだが…なんかユーモラス。

そして、本書のもうひとつの主役は馬です。主役っていうのは言い過ぎかもしれないけど、馬、ちょう重要! しかもダメ馬。今年の東京国際映画祭で、馬映画をみたわたしとしては、馬がいい味出してる小説としてもおすすめしたい。馬映画をみたあとに、「そういやダメ馬が出てくる小説を読んだよなー」と、この本のことを思い出したのだったよ。

原書タイトルは『The Sisters Brothers』Patrick deWitt著、Eccoから出ています。
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by rivarisaia | 2013-11-03 22:58 | | Comments(2)