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てがみのえほん

先日、手紙の本の話をしましたが、手紙の本といえば、もっと大昔の絵本を思い出しました。

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てがみのえほん』堀内誠一作・絵、福音館書店

こどものとも200号記念号。「こどものとも」と「かがくのとも」の絵本は、通っていた幼稚園でたぶん毎月配られていた。これをもらうのがとにかく楽しみで、今でも何冊か取ってあるんですけど、これはそのうちの1冊で、特に気に入ってたし、今も気に入ってる。

子どもの頃から、堀内誠一さんの絵が大好きなんだよね。堀内さんって、いろんなタイプの絵が描けるのですが、そのどれもがいい(ちなみに堀内さんの絵でマザーグースの本も出ていて、マザーグース本では一番好き)。

さて、この絵本は、魔女やエスキモーや幽霊やロボットや巨人やおもちゃなど、さまざまな読者のみなさんから、こどものとも宛に送られてきた「200号おめでとう」の手紙を紹介する、という本です。

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こんな感じで、ちゃんと切手も付いてるんだけど、そのデザインが送り主を表していて、すごくイイのよ。最後はぐりとぐらの「かすてら」をみんなで食べるという話で終わってます。

そう、ぐりとぐらがフライパンでつくるのは、ホットケーキではなくて「きいろいかすてら」ですからね!!
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by rivarisaia | 2014-11-28 23:41 | | Comments(2)

前回予告したので、今日は造本が凝ってる本シリーズ。三部作です。だいぶ前の本ですが、「不思議な文通シリーズ」として河出書房新社から邦訳も出てました。

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The Griffin & Sabine Trilogy」Nick Bantock著、Chronicle Books

1冊目『Griffin & Sabine』
(不思議な文通 グリフィンとサビーヌ)

ロンドンに住む孤独な画家のグリフィンのもとに、南太平洋の島に住むサビーヌという見知らぬ女性から手紙が来る。サビーヌにはグリフィンの絵が見えるらしい。ふたりは文通を始めるのだが……

2冊目『Sabine's Notebook』(サビーヌの日記)
ロンドンに来ることになったサビーヌを避けるようにグリフィンは旅に出る。いっぽうサビーヌはロンドンにあるグリフィンの家で、彼の帰りを待つのだが……

3冊目『The Golden Mean』(黄金のとびら)
どうしても会えないふたり。ふたりの世界には超えられない壁があるらしい。そしてそこに謎の人物が現れ……


3冊とも、基本的にグリフィンとサビーヌがやりとりした手紙だけで構成されてます。
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こんなふうに絵はがきのページもあれば、
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封筒の中に手紙が入っているページもあります。

読者は彼らの手紙を読んで、何が起きているのかを知るのですが、会えないふたりがかわすロマンチックな手紙のやりとり……と見せかけて、けっこう怖い話だと思うんですけど、今、読み返してみてもかなりホラー。1冊目も2冊目も、そしてもちろん最終巻もオチにぞっとするんだけど!!

怖いよ!!

SFのようでもあるし、サイコホラーのようでもあるし、怪談のようでもある。おまけにイラストもちょっとおどろおどろしい(正直、この絵はあんまり好きではない)。封筒から手紙を出して読む、というわくわく感が楽しい本ではあります。さくっと読めるので機会があったらどうぞ。ホラーだけど!
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by rivarisaia | 2014-11-25 22:59 | | Comments(7)

本日は「ちゃんと読むのは諦めた! いつか読むかもしれない積ん読本の山へようこそ」という本の紹介です。読んでない本を紹介するなよ、とも思いますが、なにせこの本は造本がすごい。

J. J. エイブラムスがクリエイターとして参加していて、前に映画関係のサイトなどでも話題になりました。

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S.』J. J. Abramsプロデュース、Doug Dorst著、Mulholland Books

V.M. Strakaという作家が記した『Ship of Theseus』という1冊の本、という体裁になっており、この本を借りた Jennifer と Ericというふたりの学生が、本に書き込みをしたり、メモを挟んだりして、コミュニケーションを取っているのを、私たち読者が読む、という構成です。

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したがって本をケースから出すと、ページの間に手紙やらレポートやらが挟まってたり、

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絵はがきやら新聞の切れ端が挟まってたりするわけです。

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本自体は『Ship of Theseus』という小説で、ページの余白におびただしい書き込みが。ペンの色が違うところがポイントです。

本書を読む順番としては、親切な人々の教えに従うと以下の通りです。

1. 小説本文
2. エリックによる鉛筆の書き込み、エリック(黒いインク)とジェニファー(青いインク)の最初のやりとりの書き込み、それに対応する挟み込み
3. 緑(エリック)とオレンジ(ジェニファー)のインクの書き込みのやりとり、それに対応する挟み込み
4. 赤(エリック)と紫(ジェニファー)とのインクの書き込みのやりとり、それに対応する挟み込み
5. エリックとジェニファーともに黒インクでの4度目のやりとり


もう1つ注意点としては、挟み込まれているものがパラパラ落ちて来ちゃうんですが、どこのページに挟まれているかが重要なので、挟み込まれているものを脇によけておく場合、ページ数をポストイットか何かに書いて貼っとくとよいですよ。

さて、私がこれを積ん読本の山へ送る理由です。

造本はすばらしいんですが、そもそもベースになっている小説があんまり面白くない(ので途中で保留にした)。そして、二人の読者のやりとりも、もっとミステリアスな内容だったら、がんばって読む気になるのですが、そこまで面白くないんですよね(そこで途中で保留に…)。

ただね、造本はすばらしいですよ! 惜しむらくは内容…。造本が凝ってる本としては、「The Griffin and Sabine Trilogy 」のほうがよっぽど面白かったんだよなー(次回紹介します)。

『S.』の内容につきましては、渡辺由佳里さんが読了しているので、そちらを参照ください!>紙媒体の本ならではの体験を味わえる『S.』
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by rivarisaia | 2014-11-23 00:17 | | Comments(0)

詩人の血

シャルル・ド・ノアイユ子爵が資金提供して製作された、コクトーの(確か)初の監督作品。50分くらいです。

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詩人の血(Le Sang d'un Poète/The Blood of a Poet)
監督:ジャン・コクトー

自分の好きなように自由に撮りました!という、どこか初々しい気配が伝わってきますが、コクトーの美的センスは安定してます。どのコマも絵になっている映像で、ところどころ一時停止してデッサンしたくなるような、そんな作品。

全体は4部で構成されています。

1部:絵を描いている詩人。描かれた人物の口が動きだし、あわてて手でこすって消すと、なんと、その口が掌に移ってしまう。

2部:彫像に言われるがまま、鏡の中へと入った詩人。そこには扉が並んだ廊下があり、詩人はひとつひとつ鍵穴を覗いていく。

3部:雪合戦をする子どもたち。一人の少年が、雪玉にあたって血を流し、倒れてしまう。

4部:血を流して倒れている少年のそばで、トランプに興じる詩人と彫像。


そして最初と最後に、崩れ落ちる煙突の映像。私が好きなのは夢の中の世界のような2部です。詩人が覗き込んだ部屋の中では、メキシコ人らしき人が銃殺されたり、アヘンを吸っているらしき人の影が見えたりするんですけど、おばさんに叱れながら空中浮遊する少女も登場し、この少女がとても可愛い。

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「あっかんべー」。ザジっぽくない?

3部は『恐るべき子供たち』のあの雪合戦シーンを彷彿させます。ただこの映画の場合、雪玉が当たった少年は死んじゃってるんですけども(たぶん)。

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しかし、倒れている少年もそうだけど、いちいちエンリケ・リベロ演じる詩人のポーズがバッチリ決まっていて、映画観ながら「ちょっと誰かスケッチブック持ってきて!」って気分になるのも珍しいよね。デッサン上映会ができちゃうね(いつか家で一人でやろうとおもいます)。
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by rivarisaia | 2014-11-20 21:50 | 映画/洋画 | Comments(0)

先日紹介したのは、アラスカを舞台にしたクジラの映画でした。

先住民族とクジラといえば、カナダにこんな切手があります(じつは切手の整理してて、先日の映画のことをふと思い出したのだった)。

まずその1
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1995年、北極地方の風景切手。たぶん、5枚組だと思う。うちには4枚しかないんだけど、うちにない1枚はシロクマの絵柄なんですよねー。

その2
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上は北極切手、下にある2枚が、2000年のクジラ切手。

こちらは本来4枚組で、シロナガスクジラ、ホッキョククジラ、ベルーガ、イッカクの4種類。Canada Postのサイトで絵柄と詳しい説明が見られます。

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イッカクかわいいよ、イッカク。
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by rivarisaia | 2014-11-17 18:58 | 切手・郵趣 | Comments(4)

実話ベースの物語で、感動作のように見せかけつつ、ところどころ皮肉が効いてて面白い。どうでもいいけど、タイトルに「。」つけるのやめてほしい…。

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だれもがクジラを愛してる。(Big Miracle)』監督:ケン・クワピス

1998年10月、アラスカ州で三頭のクジラが氷に阻まれ、外洋に出られなくなってしまった、というニュースが報道され、グリーンピースの活動家、ジャーナリスト、石油採掘会社、州知事、米軍、大統領など、さまざまな人々が救出活動に乗り出すはめになるのですが、いちばんクジラのことを思いやっていたのは、先住民イヌピアックの方々なのでした。

環境保護活動家と大企業のように、正反対の思想や哲学の持ち主であっても、協力して問題に取り組むことは可能なんだよね。売名行為だろうが、動機が不純だろうが、理想主義すぎて頭に花が咲いていようが、同じゴールに向かうならそれでも構わないわけです。

本作に登場するグリーンピースの活動家レイチェル(ドリュー・バリモア)も、石油採掘会社社長(テッド・ダンソン)も、私はまったく好きになれないし、特にレイチェルは「過剰にエコな人」にいそうなタイプで心底イラッときますが、そのおかげで、真に自然のことを考えているのは先住民族である、ということが浮き彫りになってきます。

レイチェルは本当に酷いんですよ。イヌピアックにクジラが食べられてしまう!と騒いで救出活動を始めるし。

本来ならば、イヌピアックにとって、三頭のクジラは自然からの恵みであり、ありがたく食べるところなのですが、イヌピアックの長老はこう語る。

自分たちはクジラのことを崇拝しているが、メディアは流れる血しか見ない。


この三頭を殺してしまうと、世界中から非難され、もう捕鯨ができなくなってしまう。だから今回はクジラを助けよう、とイヌピアックの人々は苦渋の決断を下すのだった。

極寒の中、一番働いてたのもイヌピアックの人々なんだよね。グリーンピースなんて口ばっかり達者でまるで使えないし。

さて、映画は、成功物語のような形になっていますが(たぶん原作がそうなってると思われる)、実際にはおそらくクジラは外洋に出られなかったのではないかという説が濃厚です。結果論ですが、そうであれば、先住民の考えを尊重したほうがよかった。

私は、日本はもう捕鯨をやる必要はないという考えですが、イヌピアックなどの先住民族の捕鯨文化は継承されてほしいです。
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by rivarisaia | 2014-11-12 23:59 | 映画/洋画 | Comments(4)

先日、知人にクリステン・ウィグについて熱く語ってしまった私。もともとサタデー・ナイト・ライブで知った人なんですけど、映画にもちょこちょこ出てる。最近だと『LIFE!』ですが、やっぱり『ブライズメイズ』がすっごくおすすめ。

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ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン(Bridesmaids)
監督:ポール・フェイグ

主人公のアニーを演じているのがクリステン・ウィグです。IT課のロイがアイルランド系の警官役で登場するのもポイント。そしてメリッサ・マッカーシーが最高です。

最近何もかもまったく上手くいかない30代独身のアニー。このたび親友のリリアンが結婚することになり、メイド・オブ・オナーになってほしいと頼まれる。

親友のためにステキな結婚式を計画しようと奮闘するアニーだが、どうも空回り。その原因は、ブライドメイドの一人にリリアンの婚約者の上司の妻、セレブなヘレンのせいだった……


女性版ハングオーバーと言われたりするけど、私はハングオーバーより断然こっちのほうが好きです。『ブライズメイズ』は下ネタもあるしお下劣なところもあるし、女同士のイザコザでドタバタが起きるのですが、決して意地悪な映画ではないところが素晴らしい。女同士の対立が描かれると、たいてい意地悪な話になっちゃう。でもこれは違う。

目立ちたがりだけど、セレブで美人なヘレンに対して、めらめらと対抗心を燃やしてしまうアニー。確かにヘレンはむかつく女ですが、ただの嫌な女で終わらないのよね。アニーとヘレンは、意外といい友だちになりそうな気がしますよ。

そしてリリアンの婚約者の妹メーガンを演じているのが、メリッサ・マッカーシーです。男っぽいデブという役回りですが、ただのギャグ要員じゃないところに注目してください。ドン底のアニーのところにメーガンがやってくる場面、至上最高。っていうか、全私が泣いた。落ち込んだ時には、うちにもメーガンに来てほしいわ……。
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by rivarisaia | 2014-11-10 22:30 | 映画/洋画 | Comments(0)

アイス・フォレスト

TIFFで最後に観た映画は、監督がイケメン、という不純な動機で選んだイタリアのサスペンス。

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アイス・フォレスト(La Foresta di Ghiaccio)』監督:クラウディオ・ノーチェ

イタリアの、おそらくトレンティーノ(北東部)が舞台。アルプスにある巨大なダム。その水力発電所に若い電気技師が派遣される。ふもとの村では、女性刑事がある事件を追っていた。


イタリアの映画には時々、説明不足だったり、観客置いてけぼりで話が進んだりするものがあるんですが(特にサスペンス)、本作がまさにそれだった……。

思わせぶりで話が進んでいくんだけど、肝心な事柄(ダムで何が行われているのか)は早々に見当がついちゃうんですよね。そのいっぽうで登場人物の名前や誰が何人なのかといったことがよくわからなくて、途中で「いったいぜんたいそれは誰よ!?」と混乱しました。

結局、いまだに主要キャラの一人である女性刑事が、どこの国の刑事でなぜそんな捜査をイタリア北部で身元を隠して(?)やっていたのか、よくわかっていない私である。

本作ではエミール・クストリッツァがクマみたいな男の役で出ています。たぶん、そこが見どころのひとつ、なのだと思う。

映画全体としてはいまひとつぱっとしないのですが、ただしイタリアの雪山の風景はよいです。個人的にはそこが一番の見どころだったわ…。
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by rivarisaia | 2014-11-06 23:15 | 映画/洋画 | Comments(0)

メルボルン

TIFFで観た映画。これは公開されるんじゃないかなー。どうだろう。ジャウィディ監督の第1作らしいんですけど、すごーい。

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メルボルン(Melbourne)』監督:ニマ・ジャウィディ

室内劇で、登場人物も限られているし、動きも少ない話なのですが、凄まじい緊張感が最後まで途切れないです。ファルハディ監督の映画にも共通するところがあるかも。

あらすじは、知らないで観たほうが絶対にいいと思うので、さわりだけ。

若い夫婦が主人公です。二人は夫の留学でメルボルンに旅立つらしい。その旅立つ日の出来事です。

楽しそうに荷造りをする二人ですが、不測の事態が発生します。動揺のあまり、その場しのぎで咄嗟に口から出た台詞。そこからどんどん後戻りできなくなってしまいます。旅立つのは今日なのに。

本当に心の底からイヤ〜な映画で(ホメてます)、ここまで嫌な気持ちを味わえるのもなかなかナイよ。携帯の着信音、ドアのベル、ノックの音が耳に突き刺さり、生活音がこれほど不快に感じられることも早々ない。

とにかく、この若い夫婦にイライラして、うわあああああ!と叫びたくなること間違いなしなのですが、ラストには「えええええーー!? ナンダッテー!」と呆然といたしました。監督が3か月かけて考え抜いて決めたラストだそうです。

こればっかりは観た人と話しあいたいので、公開してくれないですかね。。。
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by rivarisaia | 2014-11-04 18:43 | 映画/洋画 | Comments(0)