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エイプリルの七面鳥

この前、IMDbをサーフィンしていて『ショート・ターム』のメイソンって、七面鳥のティミーだったのか!ということに気づいてびっくり。雰囲気がガラリと変わってるので、別人みたい〜。

七面鳥とは、この映画です。名作です。

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エイプリルの七面鳥(Pieces of April)』監督:ピーター・ヘッジズ

感謝祭に、離れてくらしている家族をアパートに招待したエイプリル(ケイティ・ホームズ)が七面鳥を焼く、という話です。

七面鳥を焼くためにアパート中を走り回って奮闘するエイプリルと、そんなエイプリルの元へと車を走らせる家族の様子が交互に描かれるのですが、果たしてエイプリルはちゃんと七面鳥を焼くことができるのか、そもそも家族は無事にエイプリルの家にやってくるのか、けっこうハラハラさせられるうえに、何だかめっちゃいい話で泣ける……。

「七面鳥を焼く」というだけで、こんなボロ泣きしたことあったでしょうか。七面鳥を焼くだけなのに!

80分と短い映画ですけど、とてもうまくできていて、説明的な台詞はないんだけれども、どうやらエイプリルは家族とうまくいってないらしいこと、エイプリルは昔から問題児だったらしいこと、母親はかなり性格がエキセントリックなのだが、何かの病気らしいことが、だんだんわかってくる。

母親の病名は、なんとなく察しがつくんだけども、はっきりと明かされる場面があって、その手法も絶妙でした。

エイプリルの家に向かうのは、お父さんとお母さん、妹のベスと弟のティミー、そしてボケてるお婆ちゃんです。弟のティミーが記録係として写真を撮っているという設定も、要所要所とラストでちゃんと活かされてるんですよねー。

エイプリルの七面鳥がどうなるのか、未見の人は是非どうぞ。

ちなみに監督&脚本のピーター・ヘッジズは、『ギルバート・グレイプ』の原作&脚本の人です。『ギルバート・グレイプ』もいい映画だったなあ。
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by rivarisaia | 2015-02-26 23:48 | 映画/洋画 | Comments(2)

日本において、カトリックは知名度こそあれ、まったくもってマイナー宗教でありまして、やはり超メジャーなのは仏教や神道。真の意味での信者は少ないのかもしれないけど、伝統儀式といえばやはり仏教か神道。信者じゃなくても、初詣は神社に行くし、葬式では坊さんにお経あげてもらったりするわけですよ。

さて、かような他宗教の行事において、マイナー異教徒はどのように振る舞ったらよいのか、そんな問いに細かく答えてくれる便利な本がこちら! これなかなか面白い。

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カトリック教会の諸宗教対話の手引き――実践Q&A』日本カトリック司教協議会 諸宗教部門編、カトリック中央協議会刊

充実の目次がカトリック中央協議会のサイトに出てますので、まあご覧くださいよ。門松飾ってもいいの? 七五三どうすればいいの? 近所の祭に参加してもいいの? 葬式は? お墓は? といった疑問にぜんぶお答えしてくれてます! すごい! まさに実践Q&A!

キーワードとして、「参加」は駄目だが「参列」はまったく問題ない、という、一瞬屁理屈っぽいことを言うのだが、宗教の衝突で戦争が起きちゃう世の中において、こういう発想は非常に重要なのではないかと思うのだった。

ちなみに、どの質問に対しても大変に柔軟な回答となっており、さすが地域社会と折り合いつけるのが上手なカトリック……2000年続くだけあるわ……と感心いたしました。

Qが88もあるというのに、152ページと意外と薄くて、お手軽な小冊子のような本なんですけど、中味は充実。これは他宗教の方々にもおすすめです。
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by rivarisaia | 2015-02-24 23:59 | | Comments(2)

去年もリバイバル上映があって、ついに今年、日本版がDVD化(詳しくはぴあ映画生活の記事をどうぞ)。これでまた、たくさんの人がこの名作を観られるようになるわけです。いいことだ!

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カリフォルニア・ドールズ(...All the Marbles)』監督:ロバート・アルドリッチ

カルフォルニア・ドールズという女子プロレスのコンビと、オペラを流しながらポンコツ車を運転するやさぐれたマネージャー(ピーター・フォーク)の巡業物語というロードムービー。

女子プロレスの話ですが、プロレスに興味ない人にもオススメです。

カリフォルニアの青い空の下でキラキラ輝いてるかのようなコンビ名だけど、実情は人生ずっと曇り空、みたいな状態でして、ドサ回りしながら日々モーテル暮らし(切ない……)。

でもドールズとやさぐれマネージャーはくじけないのだった。

八百長レフリーに苦しめられるクライマックスの一戦は、結果を知っていても何故か毎回手に汗にぎっちゃう。しかもこの試合は、よく考えるとドールズはあくまで前座なんだよね。メインであるはずのビッグ・ママも最初は「なんで前座があたしより目立ってんだよ」と怒ってたけど、気づいたらドールズの試合をめっちゃ応援してるっていうところが、私は大好き。

レフリーなんかやっちまえー! 回転エビ固め、イケー! GO! ドールズ!

かようにラストに向かって大盛り上がりの映画ですが、そこにいたるまでが、スポ根な話じゃなくて悲哀に満ちた感じなのが心に沁みていいよ。世知辛くて、やさぐれたショービジネスのロードムービーといえば、マチュー・アマルリックの『さすらいの女神たち』もそうだったけど、観終わったあとに、きっといいことあるよ、という気持ちになる、清々しい映画なのでした。ほんとおすすめ。
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by rivarisaia | 2015-02-18 18:27 | 映画/洋画 | Comments(4)

テラリウム二種

どうもこんにちは。

はたと気づけば、庭の梅が咲いていてびっくりな今日この頃ですよ。今週はもう春節だし。完全に出遅れている私はちょっと疲れているので、復活祭に復活しようと決めました。よし、それまではだらだらするぞ!

さて。本日は工作ブログともネタかぶってます。ある種のミニチュアボトル・ネタ。

あれは去年の11月、私はふと前々から作りたかったテラリウムを作ろうと思い立った。ちょうど工作用にミニチュアフィギュアもいくつか入手したことだし、その辺の植木鉢にちょうどいい塩梅の苔や植物が生えてるし、今こそテラリウムを作る時!とやる気満々で、二瓶ほど作成したのでした。

ガラス瓶の中に土と植物を入れ、少々お水をふりかけてから密閉し、日のあたるところに置いておけば、水分が瓶の中で循環して蓋をあけなくても植物が育つ。というのがテラリウムなのですが、本当なのかこの目で確かめたかった。大きな瓶じゃなくても大丈夫なのかしら、というのが一番の疑問。

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ジャムの空き瓶を利用した、ジュラシックパーク風なテラリウムその1。アパトサウルス(ブロントサウルス)バージョン。

蓋のほうに土を盛ってるんだけど、サイズが小さすぎて瓶をはめ込むのに難儀しました。おかげで二度と蓋を開けられる自信ない(山が崩壊しそう……)。このタイプを作るならもっと大きな瓶にするべきであった。
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ジュラシックパーク風テラリウムその2。ティラノサウルス・バージョン。ケッパーだか柚子胡椒だかが入っていた小瓶。本当に小瓶。あまりにサイズが小さすぎて、こんなんでテラリウムとして機能するのかまったく自信ない。苔が腐るのではないか。

数カ月後。

一度も蓋を開けず、窓辺に放置しているけど、ちゃんとテラリウムとして機能してます。すごい!
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アパトサウルス・バージョンは、なんか雑草が伸びてるし。水分が多い気がするので本当は少し拭いたほうがいいのかなあ(蓋あける自信ないけど)。

しかし、奥さん! ティラノサウルス瓶はもっと大変!
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苔がわかめ状態によれよれ伸びてて怖い!! なんだこれ。一緒に植えてた雑草ももりもり成長してるし。小瓶でもきちんとテラリウムとして機能することはわかりました。いやあすごいね、テラリウム。

はたして暑い夏は乗り切ることができるのか、ハラハラしますね。引き続き観察して報告します。
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by rivarisaia | 2015-02-16 19:56 | 生きもの | Comments(2)

本日は聖アガタの日ですよ(こちら参照のこと)。おめでとう!

現在、神道の家の出身者のために仏教の儀式を手配しているカトリック教徒が私です。要は義母の葬儀なのですが、邪悪な親戚がいるから大変! そこで悪魔を打ち負かすといえば、聖ミカエルですよ、みなさん。

ミカエルは大天使で、天使軍団のリーダーです。絵画では竜(悪魔)を倒している構図で描かれることが多いです。同じく竜を退治する姿で描かれる聖人に、聖ゲオルギウスがいて、以前西ドイツの切手を紹介しました。

ではまずこちらの切手をどうぞ。
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チェコスロバキア、1970年。左が大天使聖ミカエルの切手、右が聖ゲオルギウスの切手という、竜退治のプロフェッショナル二枚組。でも、この切手では、聖ミカエルは剣を抜いて立っていて、竜はいません。聖ミカエルは秤を持っている姿であることも多いのですが、この切手で左手に持っているものを拡大すると、
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剣の鞘ですね。剣は抜き身じゃないとね!

いっぽう聖ゲオルギウスの背景をよーく見ると、
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なぜかお城の王様が鍵をぽーんと投げてる。いや、それとも鍵を受け取ろうとしているのか? ちょっとよくわかりません。誰か教えて。

次の切手はこちら。
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スウェーデン、1976年。クリスマス切手です。左が竜を退治する大天使聖ミカエル、右がクリスマスといえばこの方、聖ニコラウスという組合わせ。

実際のサイズは、チェコスロバキアの切手のほうは4.3cm×5.4cmもあるのに対して、こちらのスウェーデン切手は日本の普通切手より若干大きいくらい。彩色写本の装飾頭文字のデザインになっていて、金色も使われてるし、上品ですてき!

ということで、聖ミカエル切手のご紹介でした。ちなみに、切手と一緒に写ってるビーズのような物体は、聖ミカエルのチャプレットです。そうそう、悪魔と戦うといえば、聖ベネディクトもいますよね。今度は聖ベネディクトの切手を紹介しますね。え、持ってるのか! って持ってるのよ、ふふふ。
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by rivarisaia | 2015-02-05 12:59 | 切手・郵趣 | Comments(4)

ある過去の行方

お久しぶりです。Twitterのほうを見てる人はご存知でしょうが、いろいろあって、今週もまだまだ忙しい。全然映画観られない。前に書きっぱなしにしてた感想を発掘したので、どうぞー。ちょうど今、憶測で突っ走る親戚の方々のせいで私はすっかり迷惑してるので、この映画を思い出すとうわああ!ってなりますね(白目)。

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ある過去の行方(Le passé)』監督:アスガー・ファルハディ
正式な離婚手続きのために、テヘランからパリに戻ってきたアーマド。フランスでくらしていた妻マリー=アンヌには、新しい恋人サミールがいた。

サミールとの再婚を考えているマリー=アンヌだが、長女のリュシーがそれに反発している。アーマドはリュシーと話をするのだが……


ファルハディ監督が得意とする「コミュニケーションの取れない人々による、小さな誤解の積み重ねが取り返しのつかない事態を招く」物語です。今回は、取り返しのつかない事態はすでに起きていて、4年ぶりにアーマドがフランスにやってきたことをきっかけに、その真相が明らかになっていきますが、すべての謎が明るみに出るわけではありません。

出だしの空港の場面からして、すでにコミュニケーションが取れていないアーマドと妻マリー=アンヌ。ふたりは別れてしまうからもういいとして、問題はマリー=アンヌ(と娘のリュシー)とサミールです。

ちゃんと事実を確かめずに、憶測で決めつけてしまうことの危うさ。一つ一つの小さな誤解を解こうとするアーマド。次々と明らかになる意外な事実。詳しくはここでは書きませんが、どんどんどんどん空気が重たく、息苦しくなっていきます。

もう過去にはとらわれない、と決めたマリー=アンヌだけど、サミールはもう1度新たに過去と向き合うのかもしれないね。

余談ですけども、アーマドが自分の過去について告白しようとしたら、マリー=アンヌにキッパリと聞きたくないと拒否され、結局何も伝えられずに終わるところが、無性に切なかったですよ。アーマドさん……。
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by rivarisaia | 2015-02-01 20:41 | 映画/洋画 | Comments(0)