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サウルの息子

第68回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したハンガリー映画。主役はブダペスト出身の詩人ルーリグ・ゲーザです。

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サウルの息子(Saul fia)』監督:ネメシュ・ラースロー

イライラ棒というゲームがあるじゃないですか。周りの障害物に触れないようにして、棒を動かしていく遊びですが、あれに近いことをしていてもどかしい気持ちが最高潮に達すると、背骨の中の骨髄をずるんと引っこ抜きたくなるような、じいっとしていられずに、わああと叫んで走り回りたくなるような、気分になるんですけれども。

この映画、開始10分くらいで、そんな気持ちになりました。最後までみるの、まじで辛かった……。

スクリーンがスタンダードサイズ(昔の映画にある、正方形に近いようなサイズ)で、とても画面が狭いなか、ピントはほとんど主人公サウルにしか合っていないので、そこに見える光景は、近眼の私がメガネをかけ忘れた時に見えるような映像で、手ブレというほどでもないけれども、カメラはサウルの動きを追っていくのでちょっと揺れる。

1944年10月、アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所。
ハンガリー系ユダヤ人のサウルは、特殊部隊であるゾンダーコマンドとして屍体処理に従事している。

サウルの背後には死体がごろごろと転がっているのだが、常にピントはサウルにあっているので、目をこらしてもぼんやりとした肌色のかたまりのようにしか見えないし、ときおりはっきりと一瞬見えるのは身体の一部だけである。何がなにやらよくわからなくて、すべてがぼんやりとしたなか、ひたすら作業をする。そして周囲がぼやけていても、何やっているのか音でわかったりするのである。

その日、サウルはガス室でまだ息をしている少年を見つける。
すぐに殺されてしまったその少年を、自分の息子ではなかろうかとおもうサウル。少年をユダヤ教の教義にのっとって埋葬するために、サウルは奔走する……

解剖に回されそうになる少年の遺体を手に入れ、ラビを探しまわるサウルの、本当にたった1日の物語で、必死になっているサウルのまわりでは、また別の計画が持ち上がっているのであった。

大変に息苦しい映画で、もしかして収容所疑似体験?とも思ったのですが、そのせいか最後の森のシーンで心から解放された気になったし、映画館の外に出て、(メガネさえしてたら)ピントの合ってるパノラマの視界、自由!万歳!ってなりました……。

もっとまっとうな感想書いたほうがいいんだろうけど、心身ともにぐったりしてしまったので、リンクをいろいろはってごまかそうとおもう。





ネメシュ・ラースロー監督の短編作品「With A Little Patience」



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by rivarisaia | 2016-02-22 17:43 | 映画/洋画 | Comments(2)

Bajiao Mastani

観る機会を逸していたら、キネカ大森で上映会が開かれたので行ってきました。歴史上の人物を主人公にした映画です。私は知らなかったけど、あとで調べてみると世界史の有名カップルとしてたまに取り上げられる人たちでした。

Bajiao Mastani バージーラーオ マスタニー』監督:サンジャイ・リーラー・バンサーリー

映画の前後に、史実を忠実に映画化したのではないという説明が出るんですけど、まあそうですよね。歴史にありがちですが、女性のほうは記録があまり残っていないみたい。

18世紀のインドが舞台です。ムガル帝国と対立していたマラーター王国で、バージーラーオが新たな宰相に決まったところから映画はスタート。

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固有名詞が呪文のように聞こえても気にするな! ランヴィール・シン演じるバージーラーオーはこんな人です。

バージーラーオが戦いで遠征していたある日のこと。ブンデールカンドの領主の娘マスタニーが助けを求めにやってきました。

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ディーピカー・パードゥコーン演じるマスタニー。

マスタニーは武芸に秀でており、バージーラーオは感銘を受ける。ふたりは共に戦い、彼女に惹かれたバージーラーオは、自分の短剣をプレゼントするのだが、ブンデールカンドでは、

男が女に短剣を贈る=結婚の申し入れ

という意味になるのだった。そこでマスタニーは、バージーラーオの求婚を受け入れる決意をして、彼のもとに赴くのですが、ところがしかし、ここでひとつ問題が。

マスタニーの母親がイスラム教徒だったのである。

バージーラーオには彼を心から愛する正妻カーシーバーイーがおり、突然の愛人の出現に心かきみだされ、マスタニーに嫉妬を抱きます。

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プリヤンカー・チョープラー演じる正妻カーシバーイー。正妻として堂々と立ち振るまい、悲しみ、苦しみつつも最終的にはマスタニーを受け入れようと決意していくという難しい役どころ。

いっぽうでバージーラーオの母親や弟、ヒンズーの僧侶たちは、マスタニーに敵意をあらわにし、半分イスラム教徒の踊り子を受け入れることなどできないと憤り、何かにつけて嫌がらせをする。

そうした状況で、バージーラーオとマスタニーは愛を深めていくのだが……

という、悲恋物語+異なる宗教に対する寛容/不寛容の話です。

衣装や宝飾品のデザイン、建築物やインテリアや小道具の意匠が美しくて、今回は英語字幕での上映だったんですけども、画面の隅々にまで目を奪われてしまい、字幕をちゃんと読むヒマなかった。。。

あとこの映画をきっかけに、ムガール帝国(イスラーム)が力を失いつつある時代の、ヒンズーとイスラームの力関係にもちょっと興味がわいたし、マラーター同盟とかまったく覚えてなかったし(※私、高校は世界史専攻である)、ムガール朝のデザインもやっぱりすてきだなーとうっとりしたので、いずれいろいろと調べてみよう!という気になりました。ムガール朝の服飾の豆本作ろうかな〜(→なんでも豆本にしようとする癖)。


本日のおまけ:うわーきれいー。






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by rivarisaia | 2016-02-15 15:27 | 映画/香港・アジア | Comments(8)

あれよあれよという間に世は2月! そして来週はもう春節か!という有様で、またもや出遅れてる私は、今年度もイースターで気持ちも新たに復活しようと思います。今年のイースターは3月27日ですよ。まだ、よゆう。

去年、ベトナムの蓮茶についてちょろっと書きました。

あの蓮茶、正確には蓮花茶は美味しかった。さわやかで、芳香もよかった。葉と芯のお茶も飲んでみたいなどと言ってましたが、じつは今回蓮葉茶を入手しました。

パッケージには「蓮の葉70%、甘草、コガネバナ、甘い草」って日本語で書いてある。なんだ、甘い草って。英語は「Sweet Leaf」とそのまんまである。

でね、この蓮「葉」茶なんですけどもね。あのう…すごく味、いや匂いが……微妙……。なんていうの、動物園の匂いがするんだけど、こういうものなのだろうか。冷めるとさらに美味しくなくてつらい。

そういうわけで、蓮葉茶を紹介するのは取りやめて、気を取り直して、あわせて買ってきてもらった「アーティチョーク茶」です。
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箱によれば「アーティチョークの花60%、茎20%、根20%」。これはね、やや甘くて独特な風味のほうじ茶のような味わい。甘茶に似ているような気もしないでもない。さわやかさは微塵もないけど、なかなかいけます。

美味しさでいえば、ベトナムのお土産茶は、今のところ前回紹介した蓮花茶がダントツ。


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by rivarisaia | 2016-02-04 23:37 | 中国茶 | Comments(0)