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The Thing About Jellyfish

去年のNational Book Awardファイナリスト、NY Timesベストセラー、Publishers Weekly Best Bookなどでちらほら見かけていて、気になっていた児童書。親友を亡くした女の子が後悔の念に苛まれながらも、なんとか立ち直っていく過程を描いた物語。

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The Thing About Jellyfish』Ali Benjamin著、Little, Brown Books for Young Readers

12歳のスージーには親友フラニーがいて、でもそのフラニーは休暇中に事故で死んでしまった。それ以来、スージーは口をきかなくなってしまう。
泳ぎが得意だったフラニーが溺れるなんてありえない。スージーのママは「そういうこともあるのよ」と言うけれど、納得のいかないスージーは親友が溺れてしまった理由を探そうとする。
もしかしたらフラニーは、猛毒のクラゲに刺されてしまったのでは?
自分の内側にこもり、とりつかれたようにクラゲについて調べ始めるスージーだが、彼女にはもうひとつ誰にも言えないことがあった……

ちょうど小学生から中学生になったばかりの微妙な微妙なお年頃の話で、スージーのお兄ちゃんとその彼氏も「一番きっつい時期だよなー」というようなことを言ってるんですが、まったくもって同感である。

今は学校では友だちが全然いなくて、周囲から浮いてる存在であるスージーが、唯一の親友だったフラニーの死、というかむしろそれに付随するクラゲの生態に全エネルギーを注ぐ勢いで執着する理由は、次第に明らかになるんだけれども、大人になってみれば「子どもの頃にはよくあるよね〜」というような事柄だったりする。でも、それは子ども本人にとっては、すごく心が傷つく一大事なのだ。

ただ、スージーが親友に対して「あること」をしでかした件については、かなりびっくりしました。スージー、いくら変わってる子だからって、それってどうなの……。

ちょっと切なくて、ほろっとしながらも、でも最後は明るい未来が感じられて、おまけにクラゲについてのトリビアも得られるという1冊です。オーストラリアに生息する「イルカンジ(Irukandji)クラゲ」怖い! どう怖いのかは、スージーに教えてもらってください。



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by rivarisaia | 2016-03-31 23:03 | | Comments(0)

Buona Pasqua!

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主のご復活おめでとうございます!

さて、毎年、越冬アゲハが復活祭近辺で羽化するんですけど、今年は寒いせいなのか、まだ羽化してないですねー。東方教会の復活祭までには羽化するんじゃないかなー。

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by rivarisaia | 2016-03-27 18:17 | 日々のよもやま | Comments(0)

ダンロップの水まくら

だんだん春めいてまいりました。そしていろいろなことがとっ散らかったまま、気がつけばもうじき復活祭。

激白すると、こちらのブログも工作ブログもすっかり怠け癖がついてしまったのと、あちこち煩雑になってきたので、過去記事や中途半端に溜まった下書きを少し整理して、これからは更新頻度をあげる(なぜなら、自分の備忘録も兼ねているからさ!)、というのが新年の希望的観測だったんですけど、何もしないまま、もう3月も半ばを過ぎましたよ。あははー。

そこで、イースターまでに希望的観測を実現する!というのが本日の宣言です。ちなみにイースターは 3月27日です。がんばる。

それまでの間、昨日Twitterのほうで披露した、片付け中の納戸から発見された昔の「水まくら」でもご覧ください。

ダンロップ、といえば有名なイギリスのゴム製品のブランド。箱に貼ってあったラベルのデザインと色使いがなかなかすてきなので、大き目の画像でどうぞ。
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中の製品はこのような物体です。残念ながら止め金の金具が紛失。
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上下の穴は何に使うんだろ。固定用?(*下で判明)
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中央に、おっさんの顔と使用法が書いてあります。このおっさんがどうやらダンロップさんらしいと踏んでるのですが、ちょっと時間がないので、後日調べときますね!!

文字部分にはなんと書いてあるかといいますと、

Directions For Use: Fill two thirds with ice or cold water before applying clip. Air should be expelled before applying clip.
After Use: Drain Bottle and Hang by bottom tab. Keep bottle free from heat, light, oil, or acid.
穴は水を抜いて干す時に使用する穴みたい。なるほどねー。
そして、現在もほぼ同じ形の水まくらが販売されていると知る(参照:ダンロップホームプロダクツのサイト)。金具もバラ売りしてるじゃん。というか、この金具、私、確かに家の中のどこかで見たことある気がしますよ。そのうち探してみます。。。





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by rivarisaia | 2016-03-18 16:56 | モノ | Comments(2)

ずっと愛読してきたのに、だんだん面白くなくなって読むのをやめてしまうシリーズ小説が数あるなかで、V・I・ウォーショースキーのシリーズだけは今も面白く読んでいて、よく考えてみるとヴィクとは私が高校時代からのおつきあいである。現時点で長編の邦訳は16冊出ています。16冊目がこちら。
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セプテンバー・ラプソディ』サラ・パレツキー著、山本やよい訳、ハヤカワ・ミステリ文庫

もはや私もヴィクとともに成長してきました。ここまでくると、フィクションの人物なのに、親戚のお姉さんみたいな存在になってくる。小説の中と現実の時間の進み具合が一致してない本もありますが、ヴィクの場合は小説も現実も同じように時が経っているので、かつてはタイプライターで報告書を打っていたヴィクが、PCを導入し、今ではiPadを駆使しているのも感慨深い。

パレツキーが第1作から一貫して描いてきたのは、巨大な権力を前になす術もない人々、そんな彼らのためにひとり捨て身で戦うヴィクの姿ですが、回を重ねるごとに敵が強大になってきている気が。時代を反映しているせいなのか、9.11以降、特にそんな感じがします。もう年で体力落ちたとかいいながらも、あいからわずヴィクはタフで不死身なんですが、そんなヴィクの活躍っぷりを読むと元気が出るので、時には弱音を吐きつつ、そして無茶っぷりをロティやコントレーラス爺さんから怒られつつも、いつまでも頑張ってほしいなー。

最初に読んだ時は、ヴィクの翻訳口調が可笑しくて、友だちと口真似して笑ったりもしたけど、だんだんなれてきた。そんな今では英語でも読むようになりました。

また、V・I・ウォーショースキーのシリーズで個人的に難なのは、邦訳も原書もともにタイトルがまったく覚えられないことです!

もはや覚えようという気もないんですが、順番がわからなくなるので、自分用メモも兼ねて1作目からのタイトル一覧を書いておきますよ。

長編
サマータイム・ブルース(Indemnity Only)
レイクサイド・ストーリー(Deadlock)
センチメンタル・シカゴ(Killing Orders)
レディ・ハートブレイク(Bitter Medicine)
ダウンタウン・シスター(Blood Shot)
バーニング・シーズン(Burn Marks)
ガーディアン・エンジェル(Guardian Angel)
バーステイ・ブルー(Tunnel Vision)
ハード・タイム(Hard Time)
ビター・メモリー(Total Recall)
ブラック・リスト(Blacklist)
ウィンディ・ストリート(Fire Sale)
ミッドナイト・ララバイ(Hardball)
ウィンター・ビート(Body Work)
ナイト・ストーム(Breakdown)
セプテンバー・ラプソディ(Critical Mass)

短編
ヴィク・ストーリーズ(Windy City Blues)
アンサンブル

長編の最新刊は『Brush Back』。邦訳いつ出るかなー。

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by rivarisaia | 2016-03-09 23:59 | | Comments(6)

12人姉妹

忘れないうちに、恵比寿映像祭2016で観たカンボジア映画の感想を書いておく。
1968年に製作され、長い内戦で失われなかった数少ないカンボジア映画黄金期の作品。G・メリエスを意識した特殊効果と、カンボジアの民話が融合したファンタジー映画。
ということで、今回の上映のために日本でデジタル化された作品です。面白かった!

3月の大阪アジアン映画祭でも上映されるので、これから観る人は、以下内容にふれてますので、ご注意ください。オリジナルはカンボジア語だけど、現存していたフィルムはタイ語でした。

12人姉妹(Puthisean Neang Kong rey/The Twelve Sisters)
監督:リー・ブン・イム

むかしむかし、12人の美しい姉妹がいて、野山をさまよっていたところを女の人に拾われる、というのが話のはじまり。

ただしその女は人食い鬼で、正体を知って驚いた12人姉妹は命からがら逃げ出し、今度は王様にひろわれて、全員が王妃の座につくのだけれども、人食い鬼が美女に化けて王宮にやってきて、まんまと13番目の王妃になってしまう。

人食い鬼である王妃は、魔術で王様をたぶらかし、妊娠している12人を王宮から追い出す。姉妹たちを魔女だと思い込まされている王様は、罰として12人姉妹の目をえぐり出すように命じるのであった。ただし末っ子だけは、片目だけですんだ。

このえぐり出しシーンをそんなに丁寧にアップで見せなくてもいいのよ、監督!っておののいたのですが、そのあとも、うっすら半開きになった青黒く腫れてるまぶたの隙間から真っ黒い眼窩が覗くという特殊メイクの12人姉妹がわらわらと蠢めく演出。怖い! 怖いよ! ふつうに目を閉じているだけじゃダメなの、監督!って震えた私です。

さて、洞窟に閉じ込められた12人姉妹は子どもを産むが、食べるものがないので、どうやら生まれてくる子を次々と食べて生きのびたようす。しかしやがて洞窟でカエル(!)が取れるようになり、末っ子の産んだ息子だけは食べられずにすんだのでした。

ここから、物語の主役は息子に移ります。

母と11人の叔母の食料をゲットするために頑張る息子。闘鶏だの、石投げ競技だの、どのギャンブルでも負け知らず。でもいつも希望する賞金は「米の包み12個」です。そのうちに王様の家臣になった息子ですが、人食い鬼王妃の策略にハメられそうになるも、仙人の助けもあって、

人食い鬼の王妃の娘(娘は王国の女王なのだった)と結婚する。

しかし、気がかりなのは、洞窟に置き去りにした母と11人の叔母。彼女らを助け出すべく、ここからラストに向かって息子が怒涛の大活躍!

空飛ぶ馬にイノシシ、回る王冠、巨大化する人食い女!と盛りだくさんなのですが、地割れシーンにはびっくりしました。どうやって撮ったのかな。最終的に、12人姉妹は目玉も取り戻すことができて、めでたしめでたし、といきたいところですが、「ええ!?そんな!」というラストが待っていて、唖然としたまま映画が終わった…。あとで調べてみると、確かに民話通りなんだけど。切ない。

タイ語バージョンがオリジナルとどのくらい異なるのか(編集とか音楽とか)よくわからないみたいだけれども、女王様が歌うシーンがぶちっと切れた気がする。おそらくあの歌の場面は本来はもっと長い見せ場だったんじゃないかなー。


以前観た『怪奇ヘビ男』もそうだけど、民話ベースのカンボジア映画、独特な面白さがあるので、またどこかでフィルムが発見されて、観る機会がありますように。

もとになった話は、カンボジア民話集の第5巻16「プノム・ニエン・コンレイ(コムポン・チュナン州)」で読むことができます。

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by rivarisaia | 2016-03-03 23:11 | 映画/香港・アジア | Comments(3)