<   2017年 09月 ( 3 )   > この月の画像一覧

チャドクガとの戦い完結編:たぶん、ほとんど、さようなら

今年の8月の東京は、お盆休みのあたりで雨ばかり降っていて、残暑もさほど厳しくなかった気がしますが、天候って昆虫界にどの程度影響を与えるんだろ。とりあえず、今年はまだヒロヘリアオイラガに刺されてません! (しかし去年刺されたのは10月頭なのでまだ気が抜けない)

b0087556_22213776.png
そして、毛虫といえばチャドクガと長年にわたって戦い続けてきた我が家ですが、

ついに! 戦いは、ほぼ終結しました!

おもえば苦節十五年以上、長い長い戦いであった。どちらの勝利なのかと問われると微妙なところで、ま、強いていえば「負けて勝つ」というか、例えるならダンケルクの撤退作戦成功が最終的な勝利につながったようなもんですよ(大げさ)。

ええと、要するに、ツバキを根こそぎ抜きました。植木屋さんにお願いして。

去年は、近所のチャドクガ発生率がすごくて、児童施設の周辺に植わっているツバキが軒並みやられてるなーと観察していたら、その数週間後にはすべて伐採されていた。え、消毒じゃなくて抜いちゃうんだ、とびっくりしたけれど、うちもそうすることにした。

毎年毎年、年に2回、チェックしたり駆除したりを繰り返すのに疲れてきたし、毛虫の発生した枝を中心に剪定してきたがゆえに、わりと大きな樹だったんだけど、ヘンテコな形になっちゃってたし。

さようなら、オトメツバキ。いままでお花をありがとう。
b0087556_22220872.png

しかし、じつをいうとうちにはもう1本、ヤブツバキが植わっているのだった。こっちは樹がかなり小さいので、わりとよゆうで対処できるんじゃないかなー。

これまでの軌跡:


最後に、これまで掲載を控えてまいりましたが、ほんともうこれで終了だと思うので、秘蔵のチャドクガ毛虫写真を披露します。うっかりしてると、あっというまに何十枚もの葉がこういう状態さ。とくとご覧ください〜。

b0087556_22453579.png
こわい!!! しかし、もうこの状態とは、えいえんにさようなら!(希望)


[PR]
by rivarisaia | 2017-09-27 23:24 | 生きもの | Trackback | Comments(4)

The Twelve Lives of Samuel Hawley

アクション&バイオレンス+クライム・サスペンス+謎の死にまつわるミステリー+父と娘のロードトリップ+ティーンの少年少女のロマンス+少女の成長物語……という、もりだくさんの1冊です。

「タランティーノのようなひねりの効いたプロット」という紹介文もどこかで読んだ気がする。それも一理あるかも。ページターナーで面白かった。

b0087556_21252288.png

The Twelve Lives of Samuel Hawley』Hannah Tinti著、Dial Press

いい意味で予想を裏切る展開だったので、詳細はあまり知らずに読むのをおすすめ。そこで、あらすじはざっくりとだけ書きます。身体に12の銃痕を持つ男 Samuel Hawley と彼の娘で聡明でタフな Looの話。

幼い頃に母親を亡くしたルーは、父親のサミュエルとともに各地を転々として暮らしてきた。やばい裏稼業に手を染めていた父親は、身の安全を守るため、ルーにも幼いうちから銃の扱いやサバイバルの方法を教え、ひとつの場所に長居することもしなかった。しかし、ルーも十代になり、そろそろ腰を落ち着けるべきではないかと、親子はある小さな港町に越してくる。

そこはルーの母親リリーの故郷だった。

ルーは高校に編入し、サミュエルは漁師として生計を立てはじめ、初めはよそ者扱いされていた親子も、いろいろな出来事を経てだんだん町の人々から受け入れられるようになる。長いこと友人ができなかったルーにもついに気になる存在の同級生があらわれたり、疎遠になっていた祖母(リリーの母)とも少しずつ歩みよっていったりする。しかし、サミュエルの過去がじわじわとふたりを追いかけてくるのだった

そもそも母親リリーの死は本当に事故だったのか。

そしてサミュエルの身体の12の銃痕にはどんな真実が隠されているのか。

おもにルーを中心にした現在の章と、第1の銃痕、第2の銃痕……という形で明かされるサミュエルの過去の章が交互に展開する構成になっています。

因果応報とはよく言ったもので、自らの行いにはそれに応じた報いがいつかやってきて、うまく切り抜けたつもりでいても必ず後で代償を払うはめになる。それなりに小さなツケを払いながら生きてきたサミュエルとルーも、前に進むために過去と向き合い、きっちりと清算しなくてはならなくなる時がやってくる。

バイオレンスに満ちているものの、どこかファンタジーのような雰囲気も漂っている。サミュエルが裏稼業で取引しているブツが麻薬などではなくて意外なブツである点も理由のひとつかも。

何度も切ない気持ちになりながらも、最後は何かを成し遂げた清々しい気分で本を閉じました。登場人物たちのその後が気になる〜。どうなったかな……。


[PR]
by rivarisaia | 2017-09-13 22:22 | | Trackback | Comments(0)

Days without End

2016年コスタ賞大賞受賞作で、今年のブッカー賞ロングリスト入り。今年はけっこうブッカー賞リストの本を読んでいる……ような気がする。この本、なかなかよかったです。

b0087556_18484461.png
Days without End』Sebastian Barry著、Viking

19世紀半ば大飢饉に襲われたアイルランドから、カナダ経由でアメリカへ渡った17歳の Thomas McNultyが主人公。ゴールドラッシュからインディアン戦争、そして南北戦争のアメリカを生きたトーマスの半生を描いた話。語り手はトーマス。

ちなみに McNulty という姓の人々が、著者の他の本にも登場するんだけど(私は何冊かあるうちの『Secret Scripture』しか読んでない)、本書のトーマスはそんな McNulty家のご先祖のひとりだそうです。

家族も失い、命からがらアメリカへやってきたトーマス。時代はゴールドラッシュで、彼は女装して酒場で坑夫の男たちのダンスの相手をする仕事につく。その時に一緒に職にありついたのが、マサチューセッツから飢饉を逃れてやってきた John Cole だった。ジョンはトーマスにとって、唯一無二の親友、生涯愛する人、強い絆で結ばれた戦友となる。

成長して見た目が女として通用しなくなると、トーマスとジョンは軍隊に入り、インディアンとの戦いに赴く。血みどろの虐殺が行われ、インディアン側も騎兵隊側も容赦なく殺戮され、大自然は猛威をふるい、過酷な日々の連続。これはほんとうにつらい。

そんななか、彼らはわけあってスー族の少女ウィノナと暮らすことになる。軍隊を退き、新しい生活をスタートさせ、ウィノナはやがて娘のような存在になっていく。

しかし楽しき日々は南北戦争が勃発して終わりをつげた。トーマスとジョンは北軍に入隊、再び血なまぐさい戦いに巻き込まれていくのだった。

その後も彼らの人生は山あり谷ありで、そんなにページ数の多い本ではないのに、振り返れば最後まであまりに波乱万丈で、でも最後は希望の光が射している。

『Secret Scripture』では、アイルランドの歴史に翻弄された女性の人生を描いていたけれども、本書も主人公とともに、アイルランド移民、インディアン戦争、南北戦争という激動のアメリカ史をたどっていく。ただ、トーマスには歴史に翻弄されたという感じがあまりしない。

女性の格好でいるほうがしっくりくると感じているトーマスは、暴力にみちたマチズモ的な世の中に身を置きながらも、愛するジョンとともに平穏に暮らそうとする。ごく自然の成り行きなので読んでる最中はまるで気に留めてなかったけど、よく考えてみれば、今よりも自由が制限されていたとされる時代に同性カップルが家庭を築く話でもあった。

著者はこの本をゲイであることをカミングアウトした息子に捧げている。そのあたりはガーディアンの記事に詳しいので、参照までにどうぞ。そして今更気づいたけど、だから虹がかかってる表紙デザインだったりしたのかな。




[PR]
by rivarisaia | 2017-09-05 18:53 | | Trackback | Comments(0)

見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
プロフィールを見る