「ほっ」と。キャンペーン

昨年観た映画の感想も忘れないうちに。

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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(Rogue One: A Star Wars Story)
監督:ギャレス・エドワーズ

公開直後にキャッハー!という気持ちで観に行ったものの、期待値をあまりに高めすぎてしまったせいか、思ったほど気分があがらなかったのですが、ギャレスが盛り込みすぎたせいでは?という気も(特に前半)。それからグランド・モフ・ターキンの出番は多すぎではなかろうか。出てくるたびにCGっぽさが目についちゃって現実に引き戻されたので、ホログラムくらいがちょうどよかったんじゃないかな。

しかし、ドニーさんとチアン・ウェンのコンビはとてもかっこよかったです! ドロイドのK-2SOも最高のキャラクターだったし、白いマント翻してジャバジャバ進んでいく帝国軍のクレニック長官も静かに怖くてよい。

およそのあらすじに関しては、エピソード4からすでに想像ついているわけで、重苦しい話になるのはわかっちゃいたけど、やっぱりどんよりしました。コミカルなところも多かった旧3部作以外のスター・ウォーズは、仕方ないとはいえ軒並みくらーい空気がまとわりついていて、スピンオフくらいは楽しい話が観たいなとつくづく感じた。若き日のハン・ソロとチアルートとベイズとか、もっとわくわくできそうな明るいスピンオフを希望。

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ポスターの下の部分だけ見ると、リゾート! バカンス!イエー!というスプリング・ブレイク感でいっぱいである。こんなところで働いてたら気がゆるむのでは……? 重要なスイッチが謎な場所に配置されてたのもそのせいか。

いっぽうで今回大変に興味深かったのが、フォースもライトセーバーもほとんど出てこないところです。

フォースを信じている人はいるけれど、ジェダイは助けにきてくれないので、みんな自力でがんばるしかない。宇宙の平和を大きく左右するデス・スターの設計図争奪戦なんて、ギリギリの綱渡り状態な上に、めっちゃ手渡しリレーだよ!? 最後の最後で黒いあの人が一瞬出てきた時に、フォースとライトセーバーの破壊力を見せつけられて、なんだこの化け物、とても敵わないよ、こんなの!という恐怖を初めて感じたよね……。フォース怖い。ライトセーバー怖い。最恐破壊兵器か……。

命がけのバトンタッチで、設計図がしかるべき人の手にわたったラストで、エピソード4がどれほどまでに「新たなる希望」なのか、ということを心底実感しましたが、本作のあとにエピ4観たら、

「オビ・ワン、昔話はいいから早く届けろ! その設計図を!!! 」
「ルークもソロも、これ、どんだけたくさんの人が大変な思いでゲットした重要物件かわかってんの?!」

ってなること請け合い。どいつもこいつも、エピソード4は本当に呑気だな! でも宇宙戦争のまっただなか、そのくらいのほうがうまいこと世渡りできそうな気もしますね。

そうそう、永年の議論の的だった、プロトン魚雷で破壊できちゃう「帝国軍の致命的大ポカ設計ミス」にはちゃんとした理由があったことも判明して、大変にすっきりいたしました。

余談ですが、エピソード6の新しいデス・スター攻撃会議において、モン・モスマさんが
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「ボサンの仲間が命を捨てて得た情報です」

などと言ってましたが、ボサンの仲間の話は当分は映画化しなくていいですよ……また暗い気持ちになっちゃうからね。

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# by rivarisaia | 2017-01-12 11:55 | 映画/洋画 | Comments(2)

こころに剣士を

新年の初映画館は、エストニアの話。2015年にエストニア旅行を思い出しつつ。

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こころに剣士を(The Fencer)』監督:クラウス・ハロ

1950年初頭、エストニア。

田舎町ハープサルの小学校に、体育教師として元フェンシング選手のエンデル・ネリスがやってくる。

校長から運動クラブを開くよう指示され、フェンシングを教えることにしたエンデルだが、もともと子どもが苦手だったこともあり、はじめはなかなか上手くいかない。しかし、フェンシングに夢中に取り組む子どもたちを教えているうちに、エンデル自身も変わっていく。

レニングラードで開催される全国大会に出場したいという子どもたちの願いを叶えたいエンデルだったが、しかし彼はソ連の秘密警察に追われている身であった……

エンデル・ネリスは実在の人物で、彼が作ったフェンシング部は今も存続しているとのこと。物語的には予想外のことは起こらないのですが、そこがよいです。フェンシング、身体の動きがとても美しいスポーツで、私も一度やってみたい!

第二次世界大戦中、はじめはソビエト、次にナチス・ドイツに占領されたエストニアは、その後ふたたびソ連に占領されます。戦争中ドイツに徴兵され、生き残った人たちは、ソ連政府によって強制収容所送りとなったのでした。この時代は息の詰まるような暗黒の時代。

ようやく戦争が終わったあとのソ連時代が灰色の恐怖の時代だったというのは、そういえば街中の観光パンフレットでも切々と訴えられていたし、KGB監獄博物館では強制収容所に関する特設展示があったことも、映画を観ながら思い出しました。

秘密警察にある日突然家族が連れ去られたりする、暗い時代に生きる子どもたちにとって、エンデルが教えるフェンシングは希望の光であり、最後の最後に行われる試合は、大きなソ連に立ち向かう小国エストニアを象徴しているようで、私はちょっと泣いてしまった。そんなエストニアは1991年に独立して、長く苦しい時代に終わりを告げています。

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# by rivarisaia | 2017-01-10 18:49 | 映画/洋画 | Comments(2)

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あけましておめでとうございます

いつもこちらにお越しくださる皆さま、ありがとう! 今年は備忘録っぽい感じでゆるゆるっと去年よりは更新できたらいいかな〜。

さて、酉年なので新年はバードウォッチングならぬ飛行機ウォッチングに行きました。品川の城南島海浜公園。お隣にある羽田に向けて、次から次へとどんどん飛行機飛んできて、見てるの楽しい。あと時々、コンテナターミナルからのコンテナ船が出港するので、コンテナ好きもわくわくするかもしれませんね(カラフルな積み木のようで、なかなかよかった)。

それでは、今年もどうぞよろしくお願いいたします。


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# by rivarisaia | 2017-01-05 15:01 | 旅行・お出かけ・さんぽ | Comments(0)

今年の「これを読まずして年は越せないで賞」も無事決定いたしました!
冬休みや新年の読書の参考にしてくださいねー。


I. 児童書/YA部門:『Raven King』Maggie Stiefvater
*Raven Cycleシリーズ4部作全体として評価

YAのファンタジーは似たりよったりの作品が多いなか、独特な物語と世界観を味わうことができる、非常に読み応えがあるシリーズなので、大人の読者にももちろんおすすめ。エリート男子校に通う4人の少年+ヒロインの少女という組み合わせが、日本だと『花より男子』を連想する人もいそうですが、似てるのは4人+1人っていうところだけです。

1作目から順番に次のようなタイトルになっています。
『The Raven Boys』 (The Raven Cycle, #1)
『The Dream Thieves』 (The Raven Cycle, #2)
『Blue Lily, Lily Blue』 (The Raven Cycle, #3)
『The Raven King』 (The Raven Cycle, #4)


II. ノンフィクション部門:『Becoming Nichole』Amy Ellis Nutt

こちらは私、感想書いていました。

III.フィクション(大衆小説)部門:『Before the Fall』Noah Hawley

著者は、アメリカのドラマ『BONES』や『ファーゴ』の脚本を書いているノア・ハウリー。乗員乗客11人のうち、たった2名が生還するというプライベートジェット機の墜落事故をめぐる話で、ミステリとしても読めるけれど、人間の弱さや醜さ、人生の選択肢などについて考えてしまうような小説です。

IV. フィクション(文芸小説)部門:『The Nix』Nathan Hill

私の感想は以下。これは今年、最大級にオススメ。

そして、今年の栄えある大賞は

『The Nix』

そして次点が『Becoming Nichole』に決まりました!

ツイッター会議や候補作の詳細については渡辺さんの「洋書ファンクラブ」や Togetterまとめ をじっくりお読みください。

では、来年も楽しい読書ができますように!


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# by rivarisaia | 2016-12-30 22:30 | | Comments(0)

The Sun is also a Star

1作目の小説『EVERYTHING, EVERYTHING』がベストセラーになって、来年公開予定で映画化が決定している Nicola Yoonですが、2作目もこれまた評判がよくて、これまた映画化するみたい。社会的にもタイムリーに移民問題を扱っているのですが、ちょっと切ないラブストーリー。

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The Sun is also a Star』Nicola Yoon著、Corgi Childrens

Natasha:ジャマイカ生まれのナターシャ。家族でアメリカに移住してきて、もう10年もニューヨークに暮らしているけれど、一家は不法滞在であることが当局に発覚して、国外退去を命じられた。

Daniel:韓国系アメリカ人のダニエル。韓国からアメリカに移住してきた両親はヘアケア・ショップを営んでいる。詩を書くのが大好きなダニエルだが、両親はダニエルをイエール大学に入れて将来は医者になってほしいと考えている。

その日は、ナターシャのアメリカ最後の日。

なんとかアメリカに残ることはできないかと藁にもすがる思いで奔走するナターシャは、街中で偶然ダニエルと出会って……。

夢は決して叶わないし、宿命や運命なんて全く信じないというナターシャと、詩人であるがゆえにロマンチストなダニエルという、まるで正反対なふたりのたった1日のラブストーリー。でも決して閉じた世界ではなく、どこか広がりを感じさせるのは、ふたりの1日のちょっとした瞬間に交錯した人たちのエピソードが挿入されているからかも。ふと交わした一言や、たまたま遭遇した出来事によって、人生は大きく変わることもある。

世代の違いから生じる価値観の差、人種による偏見など、移民が抱える現実的な問題についても触れられていて、世の中うまくいくことばかりではないとしみじみと感じるけれども、いつもどこかに希望は転がってる。人生って何があるかわからないよね!という終わり方もとても良いです。

ナターシャの章、ダニエルの章…と交互に語り手が変わる構成で、ひとつの章が短い上に英語も読みやすいし、なによりふたりがどうなってしまうのかスリリングなので、英語で何か読んでみようかな、という人にもおすすめ。

追記(12/28/2016):『Everything, Everything』(難病の女の子が主役のラブストーリー)も読みましたが、断然こちらの『The Sun is also a Star』のほうをおすすめします。逆に『Everything〜』はいまひとつだった人も、こっちは大丈夫だと思いますよー。


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# by rivarisaia | 2016-12-27 22:55 | | Comments(0)

The Nix

評判が良くて気になってた本ですが、すごく面白かった! これは必ず邦訳出るはず。

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The Nix』Nathan Hill著、Picador

作家…といっても全然本書けてない Samuel(サム)は田舎の大学で教師をしている冴えない男で、オンラインゲームにはまっている。

ある日、サムが子供の頃に家族を捨てて失踪していた母親の Faye が事件を起こし、インターネットやニュースメディアの注目の的となる。高校時代の初恋の人と結婚したごく普通の田舎の女性だったはずの母親は、メディアによれば、60年代には過激なヒッピーで売春婦だったというのだ。

職場では厄介な教え子とのトラブルを抱え、おまけに出版エージェントから多額の前払い金の返却を求められて後がないサムは、”時の人”となった母親の本の執筆をエージェントに確約して挽回しようとするが……。

若かりし日の母親の秘密を探る物語は、サムの父親のHenry、オンラインゲーム仲間のPwnage、サムの子ども時代の友人Bishop、Bishopの双子の妹でヴァイオリンを弾くBethanyなど、さまざまな人々の物語と絡みあいながら、サム自身の過去と現在、そしてノルウェーからアメリカに渡った祖父の過去へとつながっていきます。

章ごとに中心人物と時代が変わり、ウォール街デモが行われている現代のアメリカ、50~60年代の中西部、80年代のサバービア、1968年のシカゴ民主党大会、そして第二次世界大戦前後のノルウェー、と読者はあっちに飛んだり、こっちに飛んだりしながら、笑ったり、やるせない気持ちになったりしつつ物語を追いかけていくうちに、最初は断片的だったエピソードが最後にはぴっちりとはまって壮大な絵巻物が完成しているし、クセのある登場人物全員がとても愛すべき人々になっている(イラつくキャラもなぜか許せる)。

タイトルの「Nix」は、最初は60年代あたりのスポーツか何かのグループの名称?と勝手に思ってたんですけど(だって、野球チームとかにありそう)、ノルウェーはじめスカンジナビアの民話に登場する水の精霊で、人を魅了して水中に引き込んでしまう。ヴァイオリンを弾いて人を惹きつけるとも言われているようですが(だからベサニーが弾くのはバイオリンなのかな)、本書では「最も愛しているものに、最も深く傷つけられる」というメタファーにもなってます。

『The Nix』はメリル・ストリープ主演でドラマ化の話も出ていて、本の内容からして映画向きではないので、ミニシリーズだったらいいかも。配役をあれこれ想像して、しばらく楽しめそうです。ふふふ。


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# by rivarisaia | 2016-12-26 19:27 | | Comments(0)