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タグ:帳面派・箱派 ( 51 ) タグの人気記事

ゴールデンウィークは来週後半からスタートくらいの感覚でいたので、明後日から始まることを確認してひょええ!となった私です。こんにちは。

日曜の夜に行ってきたヴィトンの展覧会が大変すばらしかったので、おすすめ! 6月19日まで開催してます。機会があればぜひどうぞ!

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「Volez, Voguez, Voyagez – Louis Vuitton
(空へ、海へ、彼方へ──旅するルイ・ヴィトン)」展

2016年4月23日(土)~2016年6月19日(日)
特設会場:東京都千代田区麹町5丁目
入場無料。事前にオンラインで時間予約するとよいです。公式サイト

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ルイ・ヴィトンというブランドや商品にさほど魅力を感じない人でも、けっこう楽しいだろうなと思える展覧会です。ブランドのバッグ、興味ないし〜と言ってスルーしちゃうのはもったいない。

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20世紀初頭の船旅や列車の旅、昔の航空機や自動車、ラベルのデザイン、木工具、20世紀初頭の衣装や最近のファッション、文房具、香水瓶、そしてもちろん数々のトランクや鞄、革製品の制作工程などなど、いろんなモノがぎっちり詰まっていて、見どころだらけです。

ルイ・ヴィトンの孫で双子のジャンとピエールが作った飛行機のプロトタイプの模型なんかもあるよ。

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会場は仮設の建物なのですが、展示空間がとても面白くてわくわくする構成。什器のデザインも凝っていた。展示空間は写真撮影も可能です。

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最後の部屋では、職人さんの実演も行われておりました。そのほか、制作工程の映像が流れるテーブルがあって、そこに座るとまるで自分が作ってるみたいな気分になってちょっと楽しい。

ガストン・ルイ・ヴィトンのホテルラベル・コレクションもあって、じつは昔のホテルのラベルにはちょっとした秘密があるのだが、どんな秘密なのかは展示室にいるガイドのお姉さんに聞いてみてください!

そう、何か疑問に感じたことは展示室にいる係の人に尋ねると、丁寧にいろいろ教えてくれます。この辺もすごいな...と感心したところ。

気に入った展示品がいっぱいあったんだけれども、これから行く予定の人もいるだろうから、この辺でおしまい。

<おまけ>
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初代ヴィトンさんはもともと荷造り用木箱製造からスタートした人なので、当然箱派ですが、子孫もふくめ、帳面派でもあった! 紙モノの展示も充実してます。




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by rivarisaia | 2016-04-27 23:56 | 展覧会ほか | Comments(4)

本日は、世界に誇る偉大なる帳面派の日本代表に間違いなく選ばれるであろう人物の本です。

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東京大学の学術遺産 君拾帖』モリナガ・ヨウ著、メディアファクトリー
※クンは、本来は手へんに君

幕末から明治に活躍した偉人・田中芳男。1838年、信州飯田に生まれ、幕末には博物学者・伊藤圭介に師事してパリ万博に参加したり、日本で初めての博覧会を企画したり、上野に博物館や動物園を作ったり、雑誌や本を発行したり、学校作ったり、挙句男爵の称号ももらって、議員なども歴任したという、なんだかすごくえらい人。

そんな田中は100冊近いスクラップブックを遺しており、それが東京大学に保存されている史料「君拾帖(くんしゅうじょう)」です。

日本の博物学の父と呼ばれる田中芳男ですが、帳面に様々な紙モノを貼り付けるという素晴らしい、素晴らしい嗜好の持ち主でした。私は帳面派の師匠と呼びたい。

幕末から大正5年のじつにおよそ60年間にわたって作成された「貼り交ぜ帖」には、引札、領収書、チラシ、カード、名刺、お菓子や食品の包み紙、ラベル、絵葉書、献立表など、さまざまな紙をびっしり貼り付けられています。日本国内だけでなく、パリ万博に参加した時に蒐集した外国の紙モノもたくさん残されており、貴重な史料となっているわけです。

全ページみたいので、デジタル化されてたらいいのになーと思うのですが(その辺まだ調べてない。されているようなら教えてください)、一部をよりすぐってモリナガ・ヨウ氏が紹介しているのが本書です。

どれもこれも興味深いのですが、いくつか印象的だったものは、

  • 絵花火:火薬が紙に塗られた仕掛けつきの刷り物で、たとえば、大砲の絵の先に線香で火をつけると、砲弾が発射されたかのごとく火が動くというもの。
  • 幕末の領収書(印鑑が黒い):朱肉が一般的になるのは明治になってから。長谷川時雨も「印鑑が赤いのは今風で嫌だ」と嘆いているらしいよ!
  • 缶詰ラベル:エゾジカとかクジラはまだしも、亀肉や鶴肉もある。めでたい缶詰扱いだったのでしょうか。キノコの缶詰のラベルもいい感じです。
  • 日本初の液体目薬「精錡水(せいきすい)」:販売者の岸田吟香は、岸田劉生のお父さん。

それから、田中芳男は「モノに紙をあてて炭などでこすって形を写し取る」ということもたくさんやっていて、月餅や煎餅もこすって「拓」を取ってたらしいんですが、パリの石鹸の「拓」もありましたね……。スルメ拓を集めた『鯣(するめ)帖』も残ってるらしいよ……芳男……。

田中芳男の略歴についてはコチラをどうぞ。

東京大学の田中文庫博覧会関連資料目録のページでは、ページの下のほうに画像があります。

じつは今年伊勢に行った際、田中芳男コレクションがあるという神宮農業館に寄りたかったんですけど、改装中で閉まってたんですよね。残念! 今はもう開いてます。





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by rivarisaia | 2015-12-15 22:52 | | Comments(0)

百日草

東京国際映画祭の3本目は心に沁みる映画でした。思い出すだけでしんみりする……。

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百日草(百日告別/Zinnia Flower)』監督:トム・リン

交通事故で、婚約者を失った女性と、妊娠中の妻を失った男性。ある日突然、大切な人を亡くしてしまった二人が、喪失感に苛まれながらも、なんとか現実を受け入れて生きていこうとする100日間の物語。

百日というのは、初七日、五七日、四十九日……という法要の日数で、百日目は泣くのをやめる日(卒哭忌)だそうです。仏教の習わしに疎い私は、なるほど台湾ではそういう習わしなのかと興味深く思ったけれども、日本にも百ヶ日法要があることを後で知る。

事故では軽傷ですんだミン(カリーナ・ラム)。婚約者の母親は、息子の死に対する怒りをミンにぶつけてくる。葬儀では遺族側で参列させてもらえず、出せなくなってしまった結婚式の招待状をぼんやり眺め、料理人だった婚約者が残したレシピカードを見ながら食事を作り、そして新婚旅行で行くはずだった沖縄へ、彼女はひとりで旅立つ。

この映画は帳面派でもあるのですが、ミンと婚約者は沖縄で美味しいものを食べ歩くつもりだったらしく、行きたいカフェやレストランをまとめた旅の帳面が登場するんですよ。それを手に、ミンはひとりで黙々とまわっていくのね。曇り空の沖縄を。切ない……。

いっぽうで、怪我を負ったもののやはり自分だけ助かってしまったユーウェイ(シー・チンハン)は、事故を起こした加害者の家に怒りの電話をかけ(でも加害者は死んでしまっているのだった)、クリスチャンだった妻の友人たちの、無神経な言葉に憤り、腫れ物に触るように接してくる同僚に苛立ちを覚える。

やがて彼は、自宅でピアノを教えていた妻が受け取っていた月謝を返すために、妻の教え子たちの家を一軒一軒訪ねてまわるようになる。

ミンとユーウェイは、山のお寺で行われる法要の場で顔を合わせ、少し言葉を交わすだけの間柄で終わります。

百日の間に、淡々と時は流れていくようでいて、じつはいろいろなことがあり、自暴自棄になったり、自殺を考えたり、なんとか踏みとどまったり、怒ったり、泣いたり、そうしていくうちに時間が少しずつ傷を治していくのでしょう。傷痕は決して消えることがないにしても。

ハンカチ忘れると劇場で大変なことになりますが、本当にしみじみとよい映画なので公開されるといいなあ。では、予告をどうぞ。




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by rivarisaia | 2015-11-12 23:28 | 映画/香港・アジア | Comments(0)

若さは向こう見ず

日本でもさまざまなジャンルのインド映画が公開されるようになり、選択肢が増えてちょっとうれしい今日この頃。

今日から東京で上映中なのが、インド映画で全米オープニング9位に初ランクインしたという恋愛青春ドラマ。あの『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』でみんなのハートを虜にした、インドのべっぴんさんこと、ディーピカちゃんも出てますよ!!

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若さは向こう見ず(Yeh Jawaani Hai Deewani)』監督:アヤーン・ムケルジー
真面目で勉強一筋だった女学生ネイナー(ナイナ)は、たまたま再会した高校のクラスメイト、アディティからグループでトレッキングに出かけると聞き、親に反抗して急遽旅行に参加することに。
クラスの人気者だったバニーや、ギャンブル好きのアヴィ、そしてアディティとネイナーの男女4人は楽しい時を過ごし、やがてネイナーはバニーに心惹かれていくのだが……
というのが、前半のあらすじ。

人気者でお調子者で、結婚は人生の墓場だと考えていて、ひとつの場所にじっとしていられない性格のバニー(ランビール・カプール)。
真面目で地味で、ハメを外したことなど一切なく、ひたすら堅実な人生を歩んできたネイナー(ディーピカー・パードゥコーン)。

こんな正反対の二人の8年越しの恋の行方を描いたドラマで、後半は、くだんの旅行から8年後、世界を飛び回っていたバニーが友人の結婚式に出席するためにインドに戻ってくるという話になります。

しっかし、この映画はよくよく考えてみると、前半はほぼトレッキング旅行しか描いてなくて、後半のほとんどは旅行から8年後の「ある人の結婚式」しか描いてなかった! それなのに展開が気になっちゃって、まったく飽きなかったっていうのがすごい。

夢や希望でいっぱいの青春時代の前半と、いろいろと挫折や悲しい経験をして折り合いをつけながら大人になっていく後半がうまく対比されていまして、なかなか心に沁みる物語になってましたよ。欲張って生き急いでる人の心に突き刺さるような名言があったりして、人生つねに出遅れてる私ですらも「日々、今という瞬間を大切に味わってないかもしれんね……」と深く反省したよね……(遠い目)。

全体的に画面がとっても華やかで、行きたくなるような風光明媚な場所がたくさん出てくるし、ダンスシーンも心踊るし、ファッション(特に結婚式の伝統衣装)が色鮮やかで美しく、目に楽しい作品でもありましたね。

ついでに本作は「帳面派」映画でした。バニーくんは行きたい場所・行った場所を記した帳面を1冊持っている。あれは果たして1冊で済んだのか、それとも1冊でも空白のページがあるのか、帳面をちょっとみてみたい。

『若さは向こう見ず』は都内では渋谷(8/15〜9/4)と大森(9/12〜10/9)で上映予定です。詳しくはコチラのサイトをどうぞ。

予告編も貼っておきますね。



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by rivarisaia | 2015-08-15 23:22 | 映画/香港・アジア | Comments(0)

古本を使ったアートの一種に、ブックスカルプチャーというのがあって、有名な作家が何人かおりますが、その中でも私の大好きな作家の展覧会が、日本の東京は銀座で開催中です。やったー! なかなか行けなかったのだが、ようやく観に行った。

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スー・ブラックウェル 「Dwelling -すみか- 」

2015年4月29日(水・祝)-6月14日(日)
11:00-20:00(入場は閉館の30分前まで)
入場無料/会期中無休

ポーラ ミュージアム アネックス
東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル 3階


詳細や作品解説については公式サイトをどうぞ。

スー・ブラックウェルの作品は実物を観たのが初めてだったので、間近でじっくり眺めることができてとても嬉しい。開かれた本のページから、ポワン!と独特の世界が飛び出したかのような作品は、どれも幻想的ですばらしい。

会場構成がユニークで、ひとつひとつの作品が家の形のブースの中に配置されています(作家のブログ記事に写真があるよ)。ブースがやや小さいため、腰をかがめてそこにある秘密の世界をこっそりと覗き込んでるような気持ちになります。不思議。

創作過程の映像も面白かったなー。ボンドは何を使ってるんだろう。会期中にどこかでまた観に行くつもり。

作家のサイト:http://www.sublackwell.co.uk
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by rivarisaia | 2015-05-14 22:01 | 展覧会ほか | Comments(0)

前回予告したので、今日は造本が凝ってる本シリーズ。三部作です。だいぶ前の本ですが、「不思議な文通シリーズ」として河出書房新社から邦訳も出てました。

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The Griffin & Sabine Trilogy」Nick Bantock著、Chronicle Books

1冊目『Griffin & Sabine』
(不思議な文通 グリフィンとサビーヌ)

ロンドンに住む孤独な画家のグリフィンのもとに、南太平洋の島に住むサビーヌという見知らぬ女性から手紙が来る。サビーヌにはグリフィンの絵が見えるらしい。ふたりは文通を始めるのだが……

2冊目『Sabine's Notebook』(サビーヌの日記)
ロンドンに来ることになったサビーヌを避けるようにグリフィンは旅に出る。いっぽうサビーヌはロンドンにあるグリフィンの家で、彼の帰りを待つのだが……

3冊目『The Golden Mean』(黄金のとびら)
どうしても会えないふたり。ふたりの世界には超えられない壁があるらしい。そしてそこに謎の人物が現れ……


3冊とも、基本的にグリフィンとサビーヌがやりとりした手紙だけで構成されてます。
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こんなふうに絵はがきのページもあれば、
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封筒の中に手紙が入っているページもあります。

読者は彼らの手紙を読んで、何が起きているのかを知るのですが、会えないふたりがかわすロマンチックな手紙のやりとり……と見せかけて、けっこう怖い話だと思うんですけど、今、読み返してみてもかなりホラー。1冊目も2冊目も、そしてもちろん最終巻もオチにぞっとするんだけど!!

怖いよ!!

SFのようでもあるし、サイコホラーのようでもあるし、怪談のようでもある。おまけにイラストもちょっとおどろおどろしい(正直、この絵はあんまり好きではない)。封筒から手紙を出して読む、というわくわく感が楽しい本ではあります。さくっと読めるので機会があったらどうぞ。ホラーだけど!
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by rivarisaia | 2014-11-25 22:59 | | Comments(7)

本日は「ちゃんと読むのは諦めた! いつか読むかもしれない積ん読本の山へようこそ」という本の紹介です。読んでない本を紹介するなよ、とも思いますが、なにせこの本は造本がすごい。

J. J. エイブラムスがクリエイターとして参加していて、前に映画関係のサイトなどでも話題になりました。

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S.』J. J. Abramsプロデュース、Doug Dorst著、Mulholland Books

V.M. Strakaという作家が記した『Ship of Theseus』という1冊の本、という体裁になっており、この本を借りた Jennifer と Ericというふたりの学生が、本に書き込みをしたり、メモを挟んだりして、コミュニケーションを取っているのを、私たち読者が読む、という構成です。

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したがって本をケースから出すと、ページの間に手紙やらレポートやらが挟まってたり、

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絵はがきやら新聞の切れ端が挟まってたりするわけです。

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本自体は『Ship of Theseus』という小説で、ページの余白におびただしい書き込みが。ペンの色が違うところがポイントです。

本書を読む順番としては、親切な人々の教えに従うと以下の通りです。

1. 小説本文
2. エリックによる鉛筆の書き込み、エリック(黒いインク)とジェニファー(青いインク)の最初のやりとりの書き込み、それに対応する挟み込み
3. 緑(エリック)とオレンジ(ジェニファー)のインクの書き込みのやりとり、それに対応する挟み込み
4. 赤(エリック)と紫(ジェニファー)とのインクの書き込みのやりとり、それに対応する挟み込み
5. エリックとジェニファーともに黒インクでの4度目のやりとり


もう1つ注意点としては、挟み込まれているものがパラパラ落ちて来ちゃうんですが、どこのページに挟まれているかが重要なので、挟み込まれているものを脇によけておく場合、ページ数をポストイットか何かに書いて貼っとくとよいですよ。

さて、私がこれを積ん読本の山へ送る理由です。

造本はすばらしいんですが、そもそもベースになっている小説があんまり面白くない(ので途中で保留にした)。そして、二人の読者のやりとりも、もっとミステリアスな内容だったら、がんばって読む気になるのですが、そこまで面白くないんですよね(そこで途中で保留に…)。

ただね、造本はすばらしいですよ! 惜しむらくは内容…。造本が凝ってる本としては、「The Griffin and Sabine Trilogy 」のほうがよっぽど面白かったんだよなー(次回紹介します)。

『S.』の内容につきましては、渡辺由佳里さんが読了しているので、そちらを参照ください!>紙媒体の本ならではの体験を味わえる『S.』
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by rivarisaia | 2014-11-23 00:17 | | Comments(0)

共犯

TIFFの1本目は台湾映画。
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共犯(共犯/Partners in Crime)』監督:チャン・ロンジー/張榮吉

墜落死したひとりの女子高校生。そして、たまたまその死体を見つけた3人の男子高校生は、彼女の死の真相を探ろうとするのだが……


友だちのいないいじめられっこ、友人の多い優等生、不良、という普段なら接点のない3人の男子高校生がひとりの少女の死に遭遇し、「彼女の死の謎を解く」という共通の目的によって、友情を育んでいきます。どうやら彼女の死の原因となった人物がいたのではないか。それが誰かを突き止め、仕返しをしてやろうではないか。ところがそこで予期せぬ事態が起きてしまいます。

この映画は「帳面派」で、死んだ彼女は1冊の日記帳を残していました。その日記を通じて、生前は彼女を知りもしなかったのに、だんだんと彼女との距離が近くなったかのように錯覚してしまう、孤独な少年。不可抗力とはいえ、取り返しのつかないことをしてしまい、それを受け入れることができずに怯えた日々を過ごすことになってしまう少年。周りから誤解されても、友人のために沈黙を守る少年。

3人の少年がタテ糸とすれば、ヨコ糸となるのは、どこにも居場所のないまま死んだ少女、いじめられっこの兄を想う少女、あらぬ嫌疑をかけられる少女の3人です。

物語の中盤で起きてしまうある出来事のせいで、逃げ場のない方向へとどんどん追いつめられていく息苦しさ。彼らの孤独感を理解してくれる大人はいないんですよね。あの後、彼らはどうなったのかな。

【トレイラー】

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by rivarisaia | 2014-10-28 23:40 | 映画/香港・アジア | Comments(2)

悪童日記

アゴタ・クリストフの小説の映画化は、まさしく帳面派映画でした。

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悪童日記(A nagy füzet)』監督:ヤーノシュ・サース

戦争がはじまり、ぼくら双子は、魔女と呼ばれるおばあちゃんの家に預けられた。ぼくらは生き残るために、さまざまな「鍛錬」をしなくてはならない。そして父さんからもらったこのノートに、毎日の出来事を正直に書き記すのだ……


原作の空気を壊さずに、ここまで映像化できるなんてすばらしいですね。もちろん性的な描写などは忠実に映像にすると別の映画になってしまうので省かれていて、仄めかされているのを察する感じですが、それでよかったとおもう。何よりも主演の双子(アンドラーシュ・ジェーマントとラースロー・ジェーマント)をキャスティングできたことが奇跡的。よくぞ見つけたね、この二人……。

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戦争の話でもありながら、戦争は直接的に描かれず、汚い大人の世界で生き抜く話でありながら、そうした大人事情も明確には示されない。双子の冷たく乾いた視線でとらえた世界がどこまでも広がっていて、ふたりでひとつのぼくらは、その過酷な世界で淡々と自分たちの信念に沿って生きていくのだった。しかし、理不尽な大人たちにくらべれば、双子の行動は冷酷なようでいて筋が通っている。

『悪童日記(Le Grand Cahier/The Notebook)』は、タイトル通り、双子のぼくらが記す日記の体裁なのですが、映画でもその日記なる「大きな帳面」が効果的に使われていますので、帳面派は必見。『リトル・ランボーズ』の時のように、全ページじゃなくていいから帳面を販売してほしいなー。

おまけとして、webDICEのヤーノシュ・サース監督インタビューをどうぞ

原作は三部作だけど、二部と三部は映画化されないんじゃないかなー。それもいいのかも。二部と三部は小説ならではの構成になってるし、ぜひ本で読んで!

私は小説とは別に、この映画の中の双子がその後どうなったのかが気になって仕方ないです。双子に幸あれ。
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by rivarisaia | 2014-10-10 23:11 | 映画/洋画 | Comments(0)

オルハン・パムクは好きな作家で、なかでも細密画をめぐる物語『My Name is Red(邦訳:わたしの名は紅(新訳版は、わたしの名は赤)』は話自体が細密画をじっくりのぞきこんでいるかのような気分になりクラクラしました。ディテールの描写がうまい作家でもありますが、ディテールといえば『無垢の博物館』の「モノ」の描写も印象に残る。

で、パムク氏は実際に「無垢の博物館」をイスタンブールにオープンしたんですよね。どんな博物館なのかは、小説のとおりらしいのですが、1950年代から2000年までのイスタンブールの日常生活を想起させるようなコレクションになっています。

具体的にどんなモノがどのように展示されているのか、というのがわかるのがこの本。

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The Innocence of Objects』Orhan Pamuk著、Harry N. Abrams刊

博物館のカタログであるビジュアル書です。博物館の成り立ちについての説明等のあとに、展示物ひとつひとつが解説されているのですが、この展示物が、思いっきり箱派! やだもう、この博物館、いますぐ行きたい!

コーネルが好きな人は絶対にノックアウトされと思われる。たとえばこんな展示。14番の "Istanbul's Streets, Bridges, Hills, and Squares" (Photo: Refik Anadol)
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もっとみたい人は、It's Nice Thatの記事や、DESIGN OBSERVERの記事Guardianの写真Telegraph の写真などをどうぞ。

毎日新聞の去年の記事もまだ読めるようなのでリンクはっておこう>「無垢の博物館:ノーベル賞作家オルハン・パムクさん、イスタンブールに 小説と博物館が一体に?」

本もっていけば入場券いらないんだって。ああ、イスタンブールに行きたいなあ。

博物館の公式サイト:http://www.masumiyetmuzesi.org
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by rivarisaia | 2013-11-17 22:24 | | Comments(0)