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ポップ・アイ

東京国際映画祭が始まっているどころか終わりかけてますが、今年は私が切羽詰まってるうえに日程があわず4本だけ。しかもそのうち3本は1日で観た。今月もバタバタしてるので、ざっくりとした感想だけ残しとく。どれも公開されますように!

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ポップ・アイ(Pop Aye)』監督:カーステン・タン

仕事も家庭もうまくいかなくなってしまった冴えない中年の建築家。ある日、バンコクの路上で、幼い頃に仲良しだった象のポパイを見つける。象を買い戻した建築家は、ポパイを生まれ故郷の村へ連れていく旅に出ることに……。

のんびりしたロードムービーのようでいながら、主役の建築家が不器用で、目的地まで無事にたどりつけるのか、かなりハラハラする。旅の途中で会う人たちも、社会からはみ出ていたり、どこか間が抜けてたり、ちゃっかりしてたり(特に坊さん)。

そして思いもかけない事実も明らかになる。いやはや「ええっ!?」って驚いたよね。

しかし心に沁みる映画でした。冴えない人たちと象のポパイに幸あれ。

上映後のQ&Aで得たプチ情報ですが、象が入るのは勘弁、ということで、ロケハンが難航したようで、最終的に建築家の自宅として撮影に使われた家は、殺人事件があって借り手がいなかったお屋敷だそうです。なんと……!

また、ポパイはカートゥーンのキャラクターからきているんだけど、タイトルが「ポップ・アイ」になっているのは、もともと著作権で何か言われないようにするための対策だそう。でも、ポップ・アイ、のほうが響きも可愛いし、目を引くかな?って監督は言っていた。

主演のタネート・ワラークンヌクロ氏は、タイでは知らない人はいないというくらいのロックスターだそうで、プログレをタイに紹介し、音楽レーベルを経営している有名人だというのに、大変気さくな方でした。上映後に友だちと六本木ヒルズの大屋根プラザでしゃべってたら、通りすがったタネさんが私たちの席にやってきて一緒に話し込んじゃった!

予告





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by rivarisaia | 2017-11-03 01:43 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

エイリアン: コヴェナント

プロメテウス』の続編で『エイリアン』の前日譚。前作『プロメテウス』の謎が解決……したのか、よくわからないけど、新たな疑問が生まれた。とりあえず、創造主に反発した悪魔のエデンみたいな話だったなーと思いきや、仮タイトルが『Paradise Lost』だったときいて納得。

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エイリアン: コヴェナント(Alien: Covenant)』監督:リドリー・スコット

『プロメテウス』の一件から十数年後、ノアの箱船みたいな宇宙船コヴェナント号(入植者&胎芽を大量に運んでいる)がオリガエ6という惑星を目指して航行中、突発的な事故が発生、冷凍睡眠中だった乗組員が対処していると、謎の信号が受信され、解析してみたら英語の歌だった。そこで、セイレーンの歌声に呼び寄せられるがごとく、コヴェナント号は発信源の惑星に向かう。

ちょっとまって。なんで?

その惑星がオリガエ6より地球に似てる!ということで、いきなりの目的地変更。似てるっていうだけで、未知の惑星に行くの大丈夫なの?と心配になるんですけど、このコヴェナント号の乗組員の方々は、一時が万事こんな調子で、びっくりするくらいおっちょこちょいというか、脇が甘い。コヴェナント号で頼りになりそうなのは、アンドロイドのウォルター(マイケル・ファスベンダー)くらいなもんですよ。人間がすごくダメ。

ヘルメットかぶらなくていいの?と思うじゃない? ほらね!言わんこっちゃないよね!?

コントかな?というくらいずっこけな出来事が連続しておきたりするんですけど、『プロメテウス』に登場したアンドロイド、デヴィッドが登場したあたりで、なんだかこれエイリアンの話というより、マイケル・ファスベンダー型アンドロイドがメインの話かな?っていう様相になってきました。
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左の誕生秘話っていうより、右の人の独擅場


ファスベンダーとファスベンダーが語り合ったり、笛吹いたり、喧嘩したり、そんな話です。ええとエイリアンも出てきますけど。

ところで、ちょっと以下、ネタバレなのですが、とても疑問がありまして、

最後に微笑む例の人はデヴィッドなんですかね。ふつうに考えたらデヴィッドなんだろうけど、リブートして覚醒しちゃったウォルターだったらちょっと面白いなと思って。で、エンジニアの星ってあれしか存在しないんですかね。そしておおもとのエイリアンの星と、今回の話はどう関係してくるのー?

やっぱり謎が解けてないみたい! 次は『プロメテウス』と『コヴェナント』の間の話になるみたいですけど、そこでいろいろ解決するのかな。


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by rivarisaia | 2017-10-04 19:13 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(0)

コール・オブ・ヒーローズ 武勇伝(危城)

田舎の町に流れ者がやってきて、正義と悪の戦いに加勢して、そしてまたどこぞへ去っていくという西部劇のような話で、アクション含め本当によかった。悪が超怖くて泣きそうだったし、まっすぐな正義の人たちの戦いっぷりも泣ける……!

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コール・オブ・ヒーローズ 武勇伝(危城)』監督:ベニー・チャン/陳木勝

1914年、内戦下の中国。流れ者のマー(エディ・ポン/彭于晏)は、自警団が守りを固めている小さな村にたどり着く。平和なその村にも、各地で略奪と虐殺を繰り返す軍閥が迫りつつあった。

さて、その軍閥を率いる将軍にはドラ息子(ルイス・クー/古天樂)がおり、これがたいそう冷酷無比な男で、ある日ふらりと村にやってくると、女性と子どもを含む3人を戯れに射殺する。

正義感あふれる自警団のヨン団長(ラウ・チンワン/劉青雲)は、将軍の息子をとらえ、死刑にしようとするのだが、そこへ軍閥の将校らが現れる。その将校(ウー・ジン/呉京)はマーのかつての兄弟子であった……

という話です。

ラウ・チンワンとルイス・クーは、人の姿をしているけれども「純粋な正義/善」と「絶対的な悪」という "概念" なんじゃないかなあ。で、残りの登場人物がふつうの人々を象徴していて、その代表格がエディ・ポンとウー・ジンなんだと思うんですよね。

ふたりとも根っからの悪人ではないんだけど、過去の出来事から正義なんてないんじゃないかと諦めちゃってる若者と、いつの間にやら権力になびき、出世のために人の道を外れてしまった男。「正義」と「悪」が目の前に現れた時に、人はエディ・ポンのようにもなれるし、ウー・ジンのようにもなってしまう。

人生投げやりになっていた若者が、真の正義を目の当たりにして、失っていた大事なものを取り返すという王道ストーリー。真の正義ことラウ・チンワンの鞭さばきは鮮やかで、おまけにクライマックスで「それはアリなのかー!」という一撃が待ってたりするんですけど(大笑いした)、私が本作で悶絶したアクションは、ラウ・チンワンの妻のザルさばきです。めちゃくちゃしびれる。手にしてるのはザルだけど!

本作に登場する女性は、このラウ・チンワンの妻といい、子供を連れて逃げてくる女性教師といい、芯が強くて本当にかっこいいですね。まったく、なよなよしていない。すばらしい。私も見習いたい……。

ところで、『普通の人びと』という、普通のドイツ人がいかにして大量殺戮者となったかを明らかにしたノンフィクションがあるんですけど(これについては、ついでなので近々書きます→書きました)、エディ・ポンとウー・ジンを観ながら、この本を思い出したりしました。

人間は弱いので、うっかりしていると正義なんてどっかに忘れちゃいがちだけど、未来のためにも長いものに巻かれるなよ!って喝入れられたような映画でした。元気でるので何度でも観たい。



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by rivarisaia | 2017-06-27 19:38 | 映画/アジア | Trackback | Comments(2)

メッセージ

テッド・チャンの短編『あなたの人生の物語』の映画化。最初に映画化すると聞いたときは、無理じゃないかなー、安っぽい映画になりそうだなー、と心配したけど、まあまあよくできていた(ずいぶんと上から目線な書き方である。すまぬ)。しかしささくれのように心にひっかかる部分もあって、日が経つにつれてもやもやが大きくなった感じもある。

以下、内容に触れてます。

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メッセージ(Arrival)』監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

ある日、謎の宇宙船が世界のあちこちに出現。彼らがやってきた目的を探るべく、人類は地球外生命体である「ヘプタポッド」とコミュニケーションを取ろうとする。

アメリカでは言語学者のルイーズが数学者のイアンらと共にヘプタポッドの言語の解読を試みるのだが、その過程でルイーズは新たな能力を身につける、という話。

ヘプタポッドの言語を会得することにより時間の認識の仕方が変わり、「未来を知る」ことができるようになった結果として自由意志が失われる。

これが「未来を予知すること」とはまったく違うのは、予知の場合は起きてほしくないことを避けるという選択が可能だけれども、未来をすでに知っているというのは、過去の出来事のように未来の出来事を思い出せるというのに近く、要するにそこに選択の自由はなく、未来を変えることはできないのだ。

ただ映画だと、悲しい未来を知りつつ、ルイーズはあえてそれを選択したかのように見えなくもない、というのが気になったところ。そして原作にはない、攻撃を中止させる電話のエピソードだけど、あれって成り立つのかなあ。

さらにもうひとつ、ひっかかるのが、娘の死因を事故ではなくて不治の病にしたところ。病気は避けられないことだけど、事故は避けようと思えば避けられたかもしれない。それなのにやはり避けるという選択肢を選ぶことは不可能だったのだ、という原作の設定のほうが自由意志の消失を補強してた気がしたので、なんで変えちゃったんだろう。

原作はドライな印象だったのに比べて、映画はウェットなイメージだったんだけれど、映像がみずみずしかったせいかもしれない。宇宙船に入る場面で重力のあり方が変わるところは面白かった。

思い返してみると、宇宙人とのコミュニケーションでいきなり英語を使うのも不思議かも。人類が前に宇宙に送ったメッセージはイラストだったよね、そういえば。



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by rivarisaia | 2017-06-23 19:43 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(2)

修羅の剣士(三少爺的劍)

ショウ・ブラザースの『三少爺的劍』(トンシン主演)のリメイク。オリジナルは未見…と思いきや、いややっぱり観たことあるよな……と記憶の細い細い糸をたぐりながら劇場に向かいました。が、オリジナルのことは鎖に繋がれている姜大衛しか思い出せない!

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修羅の剣士(三少爺的劍)』監督:イー・トンシン/爾冬陞 製作:ツイ・ハーク/徐克

原作は古龍です。飲み助でやさぐれた男ふたりがメインキャラなところがとても古龍っぽい。ちなみに金庸のイメージはメインのふたりがダメ男子とツンデレ女子です。久々の武侠映画だったんですけど、やっぱりいいね、武侠物! ああ、懐かしの江湖にただいま!

さて。

最強の剣士といわれた謝曉峰は、別名を三少爺(ケニー・リン/林更新)という。

彼は許嫁・慕容秋荻との結婚式をすっぽかし、その後、しばらくして行方をくらましていた。慕容秋荻は、三少爺との対決を悲願とする剣客の燕十三(ピーター・ホー/何潤東)をそそのかし、燕十三はライバル三少爺を倒すべくお山に向かう。

ところが、燕十三がお山に着くと、三少爺はすでに死んでいた。

ライバルがいなくなっていて、衝撃のあまり巨大な位牌を真っ二つに叩き割る燕殿。持病により自分の余命がもはやいくばくもないことを悟った燕殿は、気を取り直して、良いことをして余生を過ごそうと決意して田舎にこもる。

そのいっぽうで。

三少爺はじつは生きていた。

剣の世界の非情さにすっかり嫌気がさし、妓楼の下男として働く三少爺は、そこで出会った遊女の麗と親交を深めていく。

しかしやがて、三少爺が生きていることは慕容秋荻や燕十三の知るところとなりまして、さあ大変!

という話です。

主役はね、いちおう三少爺。でもね、私の記憶に深く深く刻まれたのは燕殿。

「ウワアアアアア!」と雄たけびをあげて位牌を叩き割ったのも衝撃だったけど、自分の墓を掘ったり、自分の墓石を背負って市場を歩いてたり、仲良くなった男に秘伝の技を伝授したら「まさかのお前が三少爺!? 技教えちゃったから、俺もう勝てないじゃんかよ?」ってなったり、燕殿さいこうすぎた。

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こんな刺青彫ったら、なんか性格も悪くなっちゃってさあ…みたいなことをボヤいていた燕殿。あなたの勇姿はしっかり心に焼き付けましたよ!

いずれオリジナルも見直してみます。


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by rivarisaia | 2017-06-15 18:23 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

スプリット

好き嫌いがわかれそうな映画ではありますが、そしてちょっとどうなのかと考えるところもあるものの、私は最後ナンダッテー!と椅子から立ち上がりそうになりました。うっすらとネタバレしています。

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スプリット(Split)』監督: M・ナイト・シャマラン

見知らぬ男に拉致され、監禁された3人の女子高校生。男は23の人格がある多重人格者だった。

これしか知らない状態で観たので、ジェームズ・マカヴォイの多重人格演技にうひゃーとなりつつも(23人分の人格は出てきませんが、人格が入れ替わるところとかうまい)、どういう展開になるのか皆目見当つかなかったけど、シャマランは基本的にはいつも直球勝負で、今回もそうでした。

監禁場所はいったいどこなのか。最後のほうであかされた時に、ああそうか、言われてみれば確かにヒントはあちこちに散らばっていたね、と納得。ようやく脱出できたのに、それは出口のない地獄のような日常に戻されただけであり、あまりに酷じゃないかと心底ツラい気持ちになっていたら、「シャマラン、まじで!?」という場面が用意されていた。

でもこれは、いわゆる驚愕のラストではなくて、あれのファンに対するちょっとしたプレゼント的な、おまけなのではないかしら。万人受けしないのはわかってるけど、私は、サンキュー、シャマラン、楽しみだよ!という気持ちで受け取りました。ある意味、ひとりマーベル状態。がんばって。

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by rivarisaia | 2017-06-08 19:40 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(0)

イップ・マン 継承

ギリギリ駆け込みで観に行ったドニー・イェンの葉問シリーズ3作目。しみじみと家族愛の映画でござった。あとね、インテリアと小道具がとてもよい。

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イップ・マン 継承(葉問3)』監督:ウィルソン・イップ/葉偉信

1959年、香港。イップ・マンは妻や息子と穏やかな日々を過ごしていたが、悪徳不動産業者が息子の通う小学校の土地を強引に買収しようとしていることを知る。町のために立ち上がるイップ・マンだが、そんなある日、妻が病に倒れ……

小悪党や卑怯者は登場するけど、何がなんでも倒さなくてはならない巨悪は出てこなくて、無駄に殺される人もおらず、放たれた刺客はこてんぱんにやられて這々の体で逃げていくし、悪徳不動産王(マイク・タイソン)も、卑怯な面があったライバル(マックス・チャン/張晉)も正々堂々と戦って、結果を潔く受け入れるというところが清々しい。

約束をすっぽかしたり、さんざん妻に気苦労をかけたりもしたイップ・マン師匠ですけども、最終的には家族への愛があってこその武術、妻への愛が最優先なところが、さすがドニーさんのイップ・マンという「らしさ」がありました。個人的にはエレベーターの戦いシーンが一番の名シーンだったし、ダンスの場面もさいこう。

あと、本作のセットと小道具がいちいちすばらしくて、写真集ほしいくらい。屋内のタイルの色味だったり、さりげなく置いてある茶器やコップや紙袋がいい感じで、DVDが出たら背景をじっくり観察したい。

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by rivarisaia | 2017-06-06 18:22 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

メットガラ ドレスをまとった美術館

毎年5月の第1月曜にニューヨークのメトロポリタン美術館で行われるファッションの祭典「メットガラ」。その開催までの8カ月を追うドキュメンタリー。

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メットガラ ドレスをまとった美術館(The First Monday in May)
監督、撮影、編集:アンドリュー・ロッシ

METの服飾部門が特別展オープニングにあわせて開く資金集めパーティ「メットガラ」を仕切るのはMETの理事でもあるVOGUE編集長アナ・ウィンター。

本作が密着するのは、アナ・ウィンターと、2015年の特別展「China: Through the Looking Glass(鏡の中の中国)」のキュレーターであるアンドリュー・ボルトンです。

いやはや、とても面白かった。裏方の話、大好き(自分が現場の人だったら、胃が痛くなりそうだけど)。

展覧会自体が、ヘタするとステレオタイプのオリエンタリズムという批判を招きかねないデリケートなコンセプト。さらに今回は「ファッションは永らく芸術とはみなされてこなかった…」と肩身狭そうな服飾部門が、それこそ紀元前からの芸術を扱うアジア美術部門と初めて共同で行う企画。スタート時点から波乱万丈の気配に満ちている。

会場設営もかなりギリギリの状態だったようで、間に合わない!どうしよう!と言ってたあれこれを、どうやって間に合わせたのか、綱渡り状態の現場をもっと見たかったのだけれども、本作がフォーカスしてるのはあくまで「ガラ」でした。展覧会の苦労話はまた別の機会に詳しく聞きたいものである。

1日だけのイベントとはいえ、ガラの席料はひとり2万5000ドル。しかしここで集まったお金が服飾部門の1年間の活動資金になる。招待客もいるけれど、寄付金を集めるのが趣旨なので無料の客はできるだけ減らしたい。会場全体のコーディネートはもちろん、席順を決めるのも非常に気を使う。

ふだんの雑誌の仕事に加えて、こんな華やかな一大イベントで采配をふるって成功に導くアナ・ウィンターは本当にすごい人ですよ。「私は決めるのが早いだけ」と言ってたけど、その判断力がすばらしいのよね。

そして展覧会の芸術監督を務めたウォン・カーウァイが、随所で的確なアドバイスをしていたのも印象的だった。「たくさん見せることは、何も見せないのと同じ」という言葉にも説得力があった。

プロフェッショナルな人たちのプロフェッショナルな仕事っぷりをしっかり見届けたという充実感。こういうの見ると、日本は考え方からしてまだまだだよなーと思っちゃう。政府の人やお役所の人もこういうところから学んだらいいんじゃないかね。がんばろう。


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by rivarisaia | 2017-05-24 00:38 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(9)

T2 トレインスポッティング

まさか20年後に、同じキャストで続編が作られるとは思ってもみなかったよね。

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T2 トレインスポッティング(T2 Trainspotting)』監督:ダニー・ボイル

1作目が公開された時には、サントラは何度も聞いたし、ポスターのグラフィックもかっこよくて大好きだったんだけれども、じつは映画自体にはそれほど思い入れがなくて、ヘロイン中毒ってつくづく嫌だ……とどんよりした記憶しかなく、そもそも私はアーヴィン・ウェルシュの書く小説とは相性が悪いのだった。

1作目のラストで、主人公(とスパッド)それから残りの2人(ベグビーとシック・ボーイ)は一体このあとどうなっちゃうのか、ぼんやりと不安に思ってましたが、

4人とも相変わらずダメな感じで元気だったよ!

十分なお金さえあれば幸せな人生が送れるかもという1作目の淡い期待はまったく外れていて、お金があってもなくても、20年後も悲惨で荒んでクソみたいな毎日。でも若い頃はピリピリと張り詰めたところがあったけど、中年になった今は「なるようにしかならない」という諦念というか、ある種の余裕が感じられる。

諦めきって一度は人生から降りようとしたスパッドが最後には才能を発揮する。もしかすると1作目も2作目も真の語り手はスパッドだったのかもしれないな。

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by rivarisaia | 2017-05-22 22:38 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(0)

ムーンライト

月明かりの下で仄かに青い宝石のように輝くような映画。あとから思い返すたびにじんわりとするので、たぶん、ここに出てきた人たちは心の中でいつまでも生き続けて、またいつかきっと「あの人たちはどうしてるかな」と懐かしむんじゃないか。

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ムーンライト(Moonlight)』監督:バリー・ジェンキンス

映画は主人公シャロンの少年時代、高校時代、そして青年時代の3つのパートに分かれている。

マイアミの貧困地域。体が小さくて「リトル」と呼ばれていたシャロン。

ある日、いじめっこたちに追いかけられたシャロンは、逃げ込んだ廃屋でフアン(マハーシャラ・アリ)に出会う。この時、画面がけっこう揺れて、画面酔いする私はやや心配になったけど、フアンが頻繁に登場するようになってからはカメラが落ち着く。もしかするとあの揺れは、幼いシャロンの不安を表していたのかも。

フアンと恋人のテレサはシャロンを温かく受け入れ、家ではヤク中の母親からネグレクトに近い扱いを受けていたシャロンにとって、彼らの家は大事な居場所になる。やがてシャロンは、フアンを父親のように慕うようになるのだが、フアンは麻薬ディーラーとして、シャロンの母親に麻薬を売っている人物でもあった。

ティーンエイジャーになったシャロンは、相変わらずひょろひょろとしていて、いつもうつむき加減で、学校でいじめられているし、母親はいまだヤク中で、唯一心を開くことができるのは、幼なじみのケヴィンだけ。しかしそんなふたりの仲に亀裂が入る大事件が起きてしまう。

時が経ち、大人になったシャロンは「ブラック」と呼ばれており、子どもの頃とはまったく違う筋肉隆々の体格で、ダイヤのピアスにゴールドのチェーンを身につけ、まるでかつてのフアンを思わせる麻薬ディーラーとなってアトランタで暮らしている。ある日、突然ケヴィンから電話がかかってきて、シャロンはケヴィンに会いにいく。

「ブラック」というのは、ティーンエイジャーの時にケヴィンがシャロンにつけたあだ名で、それだけでもシャロンはケヴィンのことを忘れていなかったどころか、あんな出来事の後でも憎んですらいなかったのか!と私はちょっとびっくりした。でもね、その後ふたりが再開を果たしたときの会話から察するに、シャロンにとって、ケヴィンはこれまでの人生でたった一人の、大きな心の支えだったんだなと思う。

真っ白い歯を金歯ですっかり覆ってしまうように、同性愛者で内気で、いつまでも「リトル」のままの内側を、マッチョで強面の麻薬ディーラーという姿で包み隠して生きていかなくてはならなかった日々はさぞ辛かっただろう。その後、彼らがどうなるのかはわからないけど、ふたりが再び会えて、本当に、本当によかった。

ラストシーンの、月の光を浴びて海辺に佇む黒人の子どもの肩甲骨のあたりが白く光って、まるで天使の羽のようだった。



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by rivarisaia | 2017-04-22 23:59 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(0)

見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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