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東京国際映画祭で観た2本目は香港映画で、ロードレースの話。

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破風(To the Fore)』監督:ダンテ・ラム  *(公開時タイトル:疾風スプリンター)

香港映画だけど、舞台は台湾。自転車ロードレースのチームでアシストとして活躍する2人の新人が主人公。タイトルの「破風」は風除け=つまりはアシストを意味しているそうです。

公開されるといいなと思うので、詳しいあらすじは伏せておきますが、前半はツール・ド・台湾(多分そんな感じのレース)で好成績を収めているチーム・ラディアントで、エースのために頑張るアシスト2人の活躍っぷりを描いています。

その後、事情があってエースと二人のアシストはそれぞれ別のチームで新たな道を進むことに……。

ロードレースが全くわからない人も、大好きな人も、ともに楽しめるような作りになっていて、とにもかくにもレース中の映像に迫力があってとてもよいです。いや普通それはないだろ、みたいな部分もあるんだけれども、そこはほら、映画だから。

RRが好きな人は、観終わった後にお友だちと「ああいうことはナイナイ!」とか「ああいうこと、あるある!」と盛り上がるのも楽しいのではないでしょうか。毎回エースが勝たないといけないような演出になってたけど、あれはおそらく、区間優勝はこの人で総合順位で上位はこの人などとやりだすと混乱するからだと思う。

私は映画の最中に、なぜだか本当のレースを観ているモードになってしまい、「ちょっと待て、いま先頭と集団はどのくらい離れてるのか?」「ゴールまであと何キロ?」などとたびたび画面スミにそれらの表示を探してしまい、表示はナイよ、だって映画だからね!って自分にツッコミ入れてたね……。

そして落車があるたびに「あわわわわーーー! 大丈夫〜?」とおうちで観てる時のように椅子から立ち上がりそうな衝動に駆られ、だからこれは映画だからね!!って自分に……(以下略)。

鑑賞後に、監督にサインをもらう機会があったのですが、その時「本当のレースを観ている気分になってしまいました。。。」と伝えたところ、ダンテ監督ちょっと嬉しそうでした。

全体的にとっても爽やかな映画で、唯一不満があるとすれば、女子との恋愛ネタが超いらない!という点くらいです。というわけで、予告編を貼っておきますねー。






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by rivarisaia | 2015-11-05 18:40 | 映画/香港・アジア | Comments(4)

先週、怒涛のように旅行記をアップした後、パタリと更新が止んでいたのは、例年のごとく東京国際映画祭(TIFF)に突入していたからです。本日からは、TIFFで観た映画の感想を怒涛のように更新したい(FILMEX始まっちゃう)。

1本目はこれ。
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私の血に流れる血(Sangue Del Mio Sangue / Blood of My Blood)
監督:マルコ・ベロッキオ

正直にいうと、私はベロッキオの作品は毎回ぴんとこなくて、あまり相性がよくないんだけども、本作はあらすじが

17世紀、ある教会で行われた魔女裁判の話

および

現代、朽ちた教会に住む「吸血鬼」と噂される老人の話

だというじゃありませんか。なにそれ、すごく観たい。

「今までの作品がぴんと来ない? じゃあ、魔女裁判の話どうだ。お前、気になるだろ? ついでに吸血鬼の老人、お前、好きだろ?」とベロッキオ監督が私に言うのですよ。

映画祭で観ずとも一般公開される気がするけれど、でも六本木のスクリーン7というデカいスクリーンで観る機会もなさそうだし。

結論から言うと、この映画、ものすごく変で、すっごく好き。もう一回観たい。

舞台はベロッキオの出身地であるイタリア北部の町ボッビオ。

17世紀、ボッビオの教会で自殺した神父がいた。
カトリック的には自殺は禁じられているので、正式な埋葬はゆるされない。しかしなんとか埋葬許可を得るべく、神父の弟が教会にやってくる。
「兄の死は自殺ではなく、魔女である女にそそのかされたのだ」ということを証明すべく、あれやこれやのことをする(要するに女を拷問にかける)のだが、魔女であることはなかなか証明されず……

というのが、過去パートのあらすじ。途中で話はいきなり現代になり、

町の所有物となっている朽ち果てた教会をロシアの富豪が買い取ろうとする。しかし、その教会にはこっそり住んでいる老人がいた。
吸血鬼と呼ばれるその老人は、数年前に失踪した伯爵で、教会をロシア人から守るべく密かに行動を開始する……

コミカルでけっこう可笑しい現代パートは、過去パートとはあまり関連性がなさそうにみえるんだけれども、よくよく考えてみると過去も現代も描いていることは根本的に同じことなのでは?という気がしてくる。

レプブリカにちょうどこの映画の記事が出ていて、最後の3行で「ああ!」と腑に落ちたんだけれども、本作が伝えているのは、いつの時代にも、物事の道理をわかってなかったり、古い権威に固執して新しい考えを退けたりする蒙昧主義が必ず存在するものの、それでもやはり古い価値観を壊していくのは新しい物事や正義であり、またそういった変化の背後には「犠牲」がある、ということなのではないか。

17世紀の魔女裁判が出てくるとはいえ、それほどカトリック的な解釈が要求される話ではないというか、舞台がイタリアだから教会の話が引き合いに出されているだけじゃないかなあ。だからあんまりキリスト教的、と考えないほうがよい気がしました。



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by rivarisaia | 2015-10-31 17:40 | 映画/洋画 | Comments(0)

若さは向こう見ず

日本でもさまざまなジャンルのインド映画が公開されるようになり、選択肢が増えてちょっとうれしい今日この頃。

今日から東京で上映中なのが、インド映画で全米オープニング9位に初ランクインしたという恋愛青春ドラマ。あの『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』でみんなのハートを虜にした、インドのべっぴんさんこと、ディーピカちゃんも出てますよ!!

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若さは向こう見ず(Yeh Jawaani Hai Deewani)』監督:アヤーン・ムケルジー
真面目で勉強一筋だった女学生ネイナー(ナイナ)は、たまたま再会した高校のクラスメイト、アディティからグループでトレッキングに出かけると聞き、親に反抗して急遽旅行に参加することに。
クラスの人気者だったバニーや、ギャンブル好きのアヴィ、そしてアディティとネイナーの男女4人は楽しい時を過ごし、やがてネイナーはバニーに心惹かれていくのだが……
というのが、前半のあらすじ。

人気者でお調子者で、結婚は人生の墓場だと考えていて、ひとつの場所にじっとしていられない性格のバニー(ランビール・カプール)。
真面目で地味で、ハメを外したことなど一切なく、ひたすら堅実な人生を歩んできたネイナー(ディーピカー・パードゥコーン)。

こんな正反対の二人の8年越しの恋の行方を描いたドラマで、後半は、くだんの旅行から8年後、世界を飛び回っていたバニーが友人の結婚式に出席するためにインドに戻ってくるという話になります。

しっかし、この映画はよくよく考えてみると、前半はほぼトレッキング旅行しか描いてなくて、後半のほとんどは旅行から8年後の「ある人の結婚式」しか描いてなかった! それなのに展開が気になっちゃって、まったく飽きなかったっていうのがすごい。

夢や希望でいっぱいの青春時代の前半と、いろいろと挫折や悲しい経験をして折り合いをつけながら大人になっていく後半がうまく対比されていまして、なかなか心に沁みる物語になってましたよ。欲張って生き急いでる人の心に突き刺さるような名言があったりして、人生つねに出遅れてる私ですらも「日々、今という瞬間を大切に味わってないかもしれんね……」と深く反省したよね……(遠い目)。

全体的に画面がとっても華やかで、行きたくなるような風光明媚な場所がたくさん出てくるし、ダンスシーンも心踊るし、ファッション(特に結婚式の伝統衣装)が色鮮やかで美しく、目に楽しい作品でもありましたね。

ついでに本作は「帳面派」映画でした。バニーくんは行きたい場所・行った場所を記した帳面を1冊持っている。あれは果たして1冊で済んだのか、それとも1冊でも空白のページがあるのか、帳面をちょっとみてみたい。

『若さは向こう見ず』は都内では渋谷(8/15〜9/4)と大森(9/12〜10/9)で上映予定です。詳しくはコチラのサイトをどうぞ。

予告編も貼っておきますね。



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by rivarisaia | 2015-08-15 23:22 | 映画/香港・アジア | Comments(0)

最高殊勲夫人

昔の邦画で見ることができる風俗の描写はやっぱり面白いなー。
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『最高殊勲夫人』監督:増村保造

杏子(若尾文子)は、ごく普通の家庭・野々宮家の三女。
その野々宮家では、長女の桃子が三原商事の社長である一郎と結婚、そして次女の梨子が三原商事の専務で社長の弟でもある二郎と結婚しており、桃子と梨子はそろって妹の杏子を三原家の三男坊、三郎(川口浩)と結婚させようと目論む。
杏子も三郎も、そんな策略に乗っかって結婚なんて、絶対ない!と決意するのだが……

大変に時代を感じさせる内容で、現代の私にしてみれば、桃子と一郎夫妻にはかなりイラッときちゃって、「うわーやだー」という気持ちでいっぱいになり、まったく笑えない場面なんかもあるんだけれども、あややと浩がかわいいから許せます。この作品の川口浩はけっこう好き。ロカビリー喫茶(!)で杏子と三郎がお互いの気持ちを告白する場面は、ほんとにほんとに可愛い。

杏子は丸の内にある三原商事で仕事をすることになります。三原商事は東京駅のすぐそばのビルディングのようなんですけど、当時の丸の内社員は、昼休みに屋上でバドミントンだのゴルフだのをやるのは当たり前だったのかしら。他の映画でも、そういう描写をよく見かけるんだけれども、屋上でバレーボールなんかして、ボールが外に飛んでったりしないのかな……。

いっぽう、杏子の父親がつとめている町の零細企業では、お昼時に女子社員がメザシ焼いてました。会社で……メザシを……。ええと、当時としては別に珍しいことでもなかったのか?

この映画、大映恋愛コメディとしても楽しめますけど、映し出される風俗が面白い。50円で映画三本立てが観られるのかーとか、あややの家の本棚がうちの本棚と同じ!とか、ビルの地下街にあるらしいトンカツ屋やあんみつ屋、サラリーマンが読んでる雑誌など、わくわくするポイントがたくさんあるんですけど、やたら出てきたタカラビールのボトルも気になった。

タカラビールって、1957年〜67年の10年間だけ売られてたんだって(参照)。ラベルのロゴマークがかっこよかった。ちょっと飲んでみたいわ。


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by rivarisaia | 2015-08-12 16:39 | 映画/日本 | Comments(0)

マッドマックスを観たんですよ。で、感想書こうかなーって、映画のあれやこれやの場面を思いかえすだけで、私、気分が高揚してきて「What a lovely day!」って叫んで疾走したくなるので、当分まともな感想書けません! ジョージ・ミラーすごい。

みんなも観るといいよ。昔のマッドマックスのシリーズを観てなくても大丈夫だと思う。

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マッドマックス 怒りのデス・ロード(Mad Max: Fury Road)
監督:ジョージ・ミラー

ざっくりしたあらすじ。
資源が枯渇し、無法地帯となった核戦争後の世界。マックス(トム・ハーディ)は、恐怖と暴力で民衆を支配するイモータン・ジョーの軍団に囚われてしまう。いっぽう、ジョーの部下で隻腕の女戦士フュリオサ(シャーリーズ・セロン)は、ジョーの奴隷妻たちを引き連れて、逃走を企てる……
基本的には、ほとんど最初から最後までずーっとカーチェイスしている映画です。MADな車が何台も爆走し、最高にかっこいい女戦士とババアたちが活躍する映画で、さらにどの場面も恐ろしいほど美しい絵になってる。オレンジと青の世界。

「私たちはモノじゃない!」と立ち上がる女性たちが主人公で、さらにそこに悪の軍団の雑魚が一匹加わるのが面白い。ニュークス(ニコラス・ホルト)という名前のこの雑魚に、私、泣かされました。さっさと殺せばいいのにと思ってて、本当にごめん、ニュークス。マックスは女性(と雑魚)をサポートする縁の下の力持ち的役割なんですけども(大体からして輸血袋扱いだし)、最後の最後で名前を名乗るという展開にもしびれたよ。

もう胸がいっぱいになってきたので、どこかでもう1回観たい……。映画に登場する婆さんたちがすばらくかっこいいので、ああいう婆さんを目指したいのですが、スタントも自分たちでやったと知って驚愕しました(参照:NPRの記事)。婆さん、映画の中だけじゃなくてリアルでもかっこよかった!

あ、そうそう本作にはマイナスねじも出てきます。マックスのマスクと妻たちの貞操帯にはマイナスねじが使われています。それからたぶんイモータル・ジョーのマスクもたぶんマイナスねじで止めてると思うので、今度確認します。とりあえず、今日はこの辺で。

気がつくと何度も予告観ちゃう。






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by rivarisaia | 2015-06-24 19:25 | 映画/洋画 | Comments(10)

女系家族

先日、若尾あややの「おにぎり娘」について書いたんですけど、もうひとつ別の映画の感想が下書きフォルダに放置されてたので、ついでにアップしちゃおう。

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女系家族』監督:三隅研次

大阪船場の老舗・矢島家は、代々婿養子を迎えてきた女系の家筋。
その当主、嘉蔵がなくなり、親族会議の場で大番頭の手によって遺言状が開封される。遺産の分配に不満な三人の娘たち。しかも嘉蔵には妾がいることが発覚し……


めっちゃえげつない。いややわー。

何度観ても震え上がっちゃう。遺産相続に関する人々の思惑と駆け引きしか描いてないけど、途切れることのない緊張感。名作でございますね。こわいわあ。

京マチ子が演じる出戻り総領娘の欲深さもえげつないですけど、嫌味な遣り手婆的な叔母さん浪花千栄子にも辟易しちゃうし、冷静になって考えてみれば、「よくやった!」とスカッとするとはいえ、もっとも恐ろしい存在だったのは、若尾ちゃん演じるしたたかな文乃なのだった。

二号さんである文乃の妊娠が発覚してからの女性陣の外道っぷりも凄まじく、産婦人科医の一件とか酷いとしか言いようがないのですが、その直後の若尾ちゃんの不敵な微笑み。

こわいわあ、こわいわーーー。

えげつなさでお腹いっぱいの本作ですが、意外にもラストはそれほど後味悪くない。おそらくそれは、愛人若尾ちゃんにしてやられていい気味だというところで終わらないせいかもしれないですね。三姉妹は憑き物が落ちたようになって、心機一転する京マチ子の姿に少しほっとするのでした。

でもさ、このあと、またいろいろ悶着ありそうですよね、この一族。特に若尾ちゃんの子どもが大きくなったりした時とかさ。あんまり考えたくないけど!
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by rivarisaia | 2015-06-16 23:29 | 映画/日本 | Comments(0)

東京おにぎり娘

今月末から東京は角川シネマ新宿にて、若尾文子映画祭があるんですけど、どれを観にいくか迷う。それ以前に予定をやりくりできるのか謎だけど。

若尾あややといえば、ちょいと前にはこれを観ました。

東京おにぎり娘』監督:田中重雄

若尾あややちゃん演じるまりこは、新橋にあるテーラー直江のお嬢さん。大阪弁の江戸っ子(なんだろうこの歩く自己矛盾のような設定……)であるお父さん、中村雁治郎と、しょっちゅう制服が破れちゃう弟と3人くらし。テーラー直江はさっぱりお客がこないので、まりこはお店をおにぎり屋さんにしてしまいます。

若尾ちゃんは、幼馴染の五郎(川口浩)との縁談の話がもちあがり、まんざらでもなさそう。
かつてテーラー直江で修行してた幸吉さん(川崎敬三)は、若尾ちゃんのことが気になるようす。
ご近所の三平くん(ジェリー藤尾)も若尾ちゃんのこと好きみたい。

大映だしさ、若尾ちゃんがおにぎりを握るホンワカした話を想像していたら、ちょっと違った。おにぎり屋を舞台にした恋のトライアングルの話なのかなーと思いきや、ものすごく変化球な展開が待ち受けてました。まさかの腹違いの妹の出現から始まって……そりゃないよ!若尾ちゃん、かわいそう(涙)あれ、ちょっと待って、やっぱかわいそうなのは幸吉さんか?

まあともかく、華々しい大映ムービーという感じであることにはかわりなく、清楚な若尾ちゃんから、妖艶な若尾ちゃん、大酔っ払いの若尾ちゃん……といろんな若尾あややが観られるので楽しい1本でした! 映画祭でも上映されますよ!
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by rivarisaia | 2015-06-10 23:20 | 映画/日本 | Comments(2)

三浦しをんの原作もおもしろかった記憶があるんですけども、映画もとてもよかった! 爽やかな森の樹々の匂いや、切ったばかりの木の匂いがしてくるようなそんな映画。

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WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』監督:矢口史靖

大学受験に失敗し、彼女にもふられた勇気は、たまたま見かけたパンフレットに惹かれて、軽い気持ちで1年間の林業研修に申し込む。しかし、そこは携帯の電波も届かない山奥で、厳しい修行が待っていた……


都会っ子が田舎で苦労して成長する、という王道ストーリーですが、爽やかな青春物語でもあるし、コメディとしてもよくできているし、何よりも「林業」について興味が湧くような作りになっていて、すばらしいですね。観終わったときには、もっと詳しく林業について知りたい気持ちでいっぱい。山に行きたい!

そういう意味で、林業PR映画としても成功しているような気がします。ふだんの生活では、林業について考えることって少ないかもしれないけど、私たちの日常生活と林業は密接に関わっているわけで、さりげなくそんなことも伝わってくる映画なのだった。

(林業は)いい仕事をしたかどうかの結果が出るのが、自分たちが死んだ後、という台詞があるように、非常にスパンの長い仕事なんだけれども、これってもしかすると本当は林業だけに限らないのかもしれないな、とふと思ったりもしました。

主人公の勇気くん(染谷将太)は、イマドキのチャラい青年で、最初の頃は本当にイラッとくることこの上ないのですが、いつのまにやら気づけばすっかり立派な山男になっているのだった。最後のほうのお祭りのエピソードなんて、もう涙流して大笑いしちゃった(いま思い出しても笑える……)。

そう、それから余談ですが、この映画は、立派な「ヒル映画」でもあります(前に書いたコチラを参照)。やっぱりヤマビルはいやだ〜!
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by rivarisaia | 2015-05-27 18:21 | 映画/日本 | Comments(0)

妻よ薔薇のやうに

ずーっと観たい、観たいとおもっていた映画をついに観ました。とっても面白かったです。

妻よ薔薇のやうに』監督:成瀬巳喜男

丸の内で働いている君子は、歌人の母、悦子と暮らしている。君子の父は、ずいぶん前に家を出てしまっていた。長野の山奥に砂金を探しにいった父は、別の女性とくらしており、しかもふたりも子どもがいるのだった。

そんな父を、君子は連れ戻しに行くことになるのだが……


1935年の映画なんですが、30年代はやはりモダンだなあ! 衣装もモダンだし、セリフもモダン、東京の街並みもモダン、ときたもんだ。君子のお母さんは「静かにしてちょうだい。今インスピレーションがあって、いい歌ができそう」なんて言う。インスピレーション!

君子と恋人の会話もとても好き。たとえば恋人が、お菓子をもって君子の家にやってきた時の会話はこんな調子。

ああ、のどかわいた。
あら、お茶が飲みたかったら、あそこにあるからいれてちょうだい。紅茶もあってよ。
へえ、お客様がやるのかい?
ちょっと手が離せないのよ。
何を買ってきたの?
なんだ、お菓子になら手が離せるのかい?
よしてよ、食べたいんじゃないわよ。


この会話は、のちに立場を逆転して、君子が恋人の家を訪れたときに繰り返されるのが、ちょっと可笑しい。そんな丸の内OL君子の月給は45円。恋人の月給は、10円高い55円です。

さて、砂金を探しにいった父親はどうにもダメな男なのだが、芸者あがりの二号さんがなんと大変によくできた女性で、最終的には、ああ、これはお母さんの負けだわと、君子も理解することになるのだった。

君子が父を訪ねて信州に行ったときに、道端で偶然父の息子に出会う場面があるんだけれども、ここでその少年が頭にカバンを乗っけていて、真顔で会話してるのが不思議(笑っていい場面なのか、よくわからなかった……)。ダメ親父の血を引いている息子っていう感じもするけど。二号さんとお父さんの間には娘もいて、こちらは母親似でしっかりしてました。
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by rivarisaia | 2015-05-24 23:36 | 映画/日本 | Comments(0)

なんだかよくわからない映画なんだけど、考え出すといくらでも意味を見出せそうだし、ふとした瞬間に脳裏に浮かぶ印象的な場面がいくつもある、そんな映画。いつものソレンティーノの映画、といえば、まあそうなんだけど!
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グレート・ビューティー/追憶のローマ(La Grande Bellezza/The Great Beauty)
監督:パオロ・ソレンティーノ

作家のジェップは、ローマで享楽的な毎日を過ごしていたが、どこか虚しさを感じていた。

というのが、主なあらすじで、そこに初恋の人の訃報をはじめ、細かいエピソードが挿入されるんですけれども、 ふと思ったけどセルヴィッロおじさんのプロモーションビデオっぽくもあり、美しいローマと渋いセルヴィッロおじさん、そして少しシュールで透明感のあるソレンティーノの映像美を堪能できます。

フェリーニの『甘い生活』を思わせるところがあるので、みくらべても面白いかもしれません。

夜明けのバルコニーでたくさんの渡り鳥が休んでいる場面で、言葉にできない大いなる美を見ました。楽しいパーティの毎日は上辺だけのもので、人生の本質は、聖女がはいつくばって登っていく長い長い階段のようなものなんでしょうけども、その途中途中で、宝石のような瞬間が転がってたりするわけですね。

ところで、家のバルコニーでしょっちゅうパーティしてたけど、近隣から苦情来なかったのかしら。音が響き渡ってそうだったけどね……。


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by rivarisaia | 2015-05-11 23:32 | 映画/洋画 | Comments(6)