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アゲハようちえん2019と棉

7月に入ってからずっとお天気が悪い東京ですよ。人間は風邪を引くし、猫も高齢のせいもあって調子が今ひとつである。

数年前の夏のはじめに1か月近く雨続きだったことがあったの覚えてますか? あのとき、我が家は部屋のあちこちにカビが生えてすっごく大変な目にあったので、今回も戦々恐々としながらこまめに除湿機をつけている。あの長雨のときは大惨事で、なにせ本棚の本もカビてしまい、どうしようもなくて処分した本もあったので、今年はたまに本に風通しをしたりもしてるんだけど、どうだろう。

そして、ここ数年開園に難ありのアゲハようちえんですけど、去年は越冬蛹がゼロの状態でした。それでも庭にはアゲハがやってきていて、ちょこちょこと羽化したりはしてる。
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しかし先日、植木鉢のミカンにいた幼虫が、保護する前にどこかに消えていた。どこ行っちゃったんだろうなー。

そろそろカラッと晴れてくれないと、植木もしおしおになりそう。今年のゴールデンウィークに益子の陶器市に行った際に棉の種をもらったので、ためしに植えてみたら芽が出てだんだんと伸びてきたんだけども、こんなに毎日湿ってたら根腐れしそう。

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もらった棉の種はこんな感じ。2種類。タネのまわりにほわほわと綿毛がついてる。



# by rivarisaia | 2019-07-12 23:26 | 生きもの | Trackback | Comments(0)

塩田千春展:魂がふるえる:森美術館

先月の反省(会期終了ぎりぎり駆け込んだり、結局見逃したりという)をふまえて、早々に観に行きました。

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塩田千春《静けさの中で》2008年/2019年


「塩田千春展:魂がふるえる」公式サイト
会期:2019年6月20日〜10月27日
場所:森美術館 


実際に作品を観るまでは、鬼気迫る何かを感じて怖いと感じるのでは?と想像してたんだけど、会場に入ってみたらそういう怖さのようなものはなくて、そこが意外だった。そしていまひとつ、まだうまく消化できてない。

インスタレーションは全体的に舞台美術のような印象が強くて、そのせいなのか、空間に他の鑑賞者がいるほうが断然作品に血が通って見えるような気がしたり。

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塩田千春《小さな記憶をつなげて》(部分)2019年

私が一番好きなのは、ひとつの作品の中のこの一部分。これをじっくり見てから、移動した最後の展示室にたくさんのスーツケースが吊るされていて、「あら!」となりました。





# by rivarisaia | 2019-07-04 23:24 | 展覧会ほか | Trackback | Comments(0)

パドマーワト 女神の誕生

ディーピカー・パードゥコーン主演の豪華絢爛、目のご馳走のような映画を観たことを記しておくのを忘れていました。
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パドマーワト 女神の誕生(Padmaavat)』監督:サンジャイ・リーラー・バンサーリー

マリク・ムハンマド・ジャーヤシーの叙事詩『パドマーワト』が原作。

13世紀末、シンガール王国の王女パドマーワティは西インドの小国メーワール王国の王ラタン・シンと恋におち、結婚する。その頃、北インドではハルジー朝を興したジャラールッディーンと甥アラーウッディーン・ハルジーが着々と勢力を拡大していた。

という出だしで、パドマーワティがディーピカーちゃん、そして悪役となるアラーウッディーンがディーピカーちゃんの実生活での夫であるランヴィール・シンが演じています。ランヴィール・シンの悪役のインパクトが大変に強烈で、夢に出そう。

パドマーワティはかなり伝説の要素が強そうな人ですが、ラタン・シンやアラーウッディーンは実在の人物。アラーウッディーは、モンゴルが巨大帝国を築いた頃のデリー・スルタン朝の人。遠い昔の世界史でやったような気もなきにしもあらずですがすっかり忘れていました。Wikipediaの項目などを読んでみると、すごく興味深い人物ですね。

ウッディーンってば、劇中でも自分のことを「アレクサンダー大王」になぞらえてたけど、ほんとにそう自称してたのね。そして異彩を放っていた宦官マリク・カーフールも実在の人物で、権勢を誇っていた様子である。

物語は、叔父を殺しスルターンとなったアラーウッディーンがパドマーワティの美貌の噂を聞きつけ、メーワール王国に兵を差し向ける、という展開になります。パドマーワティを一目見たいアラーウッディーンと、ちらりとでも拝ませてやるものかというメーワール王夫妻の攻防戦みたいなことに。

本編が始まる前の注意事項で、映画がどのような結末に向かって突き進んでいくのかわかってしまっているんだけども、それを差し置いても、そもそもパドマーワティとラタン・シンの出会いがですよ、

パドマーワティが鹿を弓矢で仕留めようとしたら間違えて王を討っちゃった

という状況だったわけじゃない? そんな王様、だいぶ頼りなさそうだし、モンゴルを蹴散らしてるアラーウッディーンにかなうわけないよね……。




# by rivarisaia | 2019-06-27 18:07 | 映画/アジア | Trackback | Comments(0)

6月の展覧会

6月はばたばたと合間を縫って駆け込むようにいろいろな展覧会に行ったのだった。書いとかないと忘れるので、メモ。

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「世紀末ウィーンのグラフィック」公式サイト
会期:2019年4月13日~6月9日 
場所:目黒区美術館

京都国立近代美術館所蔵の版画や挿絵本と原画、装丁など、アパレル会社キャビンの創業者平明暘(ひらあき いずる)氏が蒐集したグラフィック作品のコレクション(アドルフ・ロースの家具の展示もありました)。

見応えのある充実した展示。ウィーン分離派は昔好きだったんだけど、世紀末のウィーンのデザインは全体的に密度が濃くて、観ているうちにもういいかなという気分に。空白を埋める模様のありかたと黒い色の使い方が苦手なのかもしれない。とはいえ嫌いじゃない作品もあったので、単に私の好みが激しいだけだと思われる。

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「RUT BRYK ルート・ブリュック展」公式サイト
会期:2019年4月27日−6月16日
場所:東京ステーションギャラリー

苦手な作品もあったものの(理由は後述)、全体的にはとてもよかった! モチーフや色使いが非常に洗練されていて、その才能には圧倒される。ただし、わたしはけっこうなトライポフォビアなので、抽象性を増してきた一部の作品がちょっと無理でした。

この展覧会は今年後半から来年末にかけて、伊丹市立美術館→岐阜県現代陶芸美術館→久留米市美術館→新潟県万代島美術館と巡回していくので、機会があればぜひ。

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「アートになった猫たち展」公式サイト
会期:2019年4月26日~6月23日
場所:日比谷図書文化館

浮世絵から現代作家の絵画や彫刻まで、さまざまな猫。わたしは猫ならなんでも好きというわけでは全然なくて、むしろ猫に関しては好き嫌いが激しかったりもするんですが、全般的に浮世絵の猫はどれもよかった。夢二の息子は編集した「夢二の描いた猫だけ集めた豆本」というのも面白いです。永瀬義郎の「東洋の旅 上海初見」という木版画が気に入ったのですが、これは船の船首がとぼけた猫。

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「装いのチャイナタウン」公式サイト
会期:2019年4月13日~6月30日
場所:横浜ユーラシア文化館

幕末から現代までの横浜華僑女性の装いを紹介するということで、個人所有のさまざまな旗袍(チーパオ)が展示されています。着物を仕立て直したものや、60年代〜70年代のモダンな布地のもの、伝統的な刺繍が施されたもの、30年代のシックなデザインなど、どれもとても美しくて、またこうして大切に保存されているのがすごい。

こちらはまだ今月末まで開催中。横浜中華街からも歩いて行けますよ。


# by rivarisaia | 2019-06-24 23:59 | 展覧会ほか | Trackback | Comments(0)

Ohio

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Ohio』Stephen Markley著、Simon & Schuster Paperbacks

オハイオ州北東にある小さな町New Canaanでかつて同じ高校に通っていた若者たちの人生がある夜に交差して、それぞれが抱えていた思いや後悔、過去の秘密が明らかになるという趣の話。

舞台がラストベルトということもあり、閉塞感があってとにかく暗いし、前半は展開があまりにスローなので、途中で読むのやめようかな?とも思ったけど、惰性で読んでいたら最後のほう急展開でいろいろなことが起きた。読者に対しては衝撃的な事実も判明し、苦いエンディングを迎える。

フットボールの花形選手だったけどイラクで戦死してしまったリックの葬儀パレードの話がプロローグ。それから6年が経ち、それぞれの理由で葬儀には参加しなかった4人が、ある日New Canaanに帰ってくる。

活動家のビルは、ニューオリンズから謎のパッケージを運ぶために。大学院生のステイシーは、行方不明になった高校時代の親友の母親と対峙するために。軍を退役したダンは、昔の恋人と恩師に会うために。そして、美人で有名だったティナは、かつての彼氏に復讐するために。

主にこの4人の章で構成されていて、ステイシーの章が心がヒリヒリとするけれども、とてもよかった。レズビアンであるために、保守的なクリスチャンの家族との間に軋轢があるステイシー。彼女はとてもまっすぐな人物で、この小説の中の良心でもある。そして、ティナの章は非常にツラくて悲しい。

エピローグは、ニューオリンズからの謎のパッケージがもたらした結末と、ステイシーの親友で初恋の人でもあったリサがどこに行ってしまったのかが語られる章。何もかもがすっきりすればいいんだけど、なかなかそうはいかないね。

# by rivarisaia | 2019-06-13 21:49 | | Trackback | Comments(0)

ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ:DIC川村記念美術館

展示替えもあるというので本当は2回行きたかったけど、もたもたしているうちに終わっちゃう!とあわてて行ったジョゼフ・コーネル展。とてもよかった!!

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「ジョセフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」
会期:2019年3月23日(土) - 6月16日(日)
場所:DIC川村記念美術館


コーネルの展覧会、いろいろなところで観ているけれども、毎回新しい発見がある。展覧会で実物を目にすることができてよい点は、箱の上や後ろがじっくり見られるところ。コーネルは箱の後ろも手を抜いていないので、すごく面白い。それからコラージュ作品でどれをどう切って貼っているのかとか。本(印刷)だとよくわからなかったりするんだよね。ちなみにいろいろな箱でマイナスねじが使われていた。

以前サンフランシスコMOMAで観た展覧会では、作品の素材に使われていた切り抜き等がたくさん展示してあって、なるほどこうやって封筒や箱に入れていたのねーと知ったんですけど、今回の展覧会では手紙やメモなどが見ることができて、とても楽しかった! あとね、コーネルが撮った短編映画も上映しています。

ミュージアムショップでカードやらピンバッチ(写真の上にある太陽の顔のやつ)を買い込んでしまい、函入りカタログも予約した。6月下旬に発送になるそうなので楽しみです! 函のデザインは3種類から選べるけど、メディチ家のビアにしました。

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川村記念美術館、庭園も広々としてきれいなので、天気のいい日に行って散歩すると気持ちいいよ。白鳥もいるし。




# by rivarisaia | 2019-06-07 20:03 | 展覧会ほか | Trackback | Comments(0)

壁の向こうの住人たち―アメリカの右派を覆う怒りと嘆き


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壁の向こうの住人たち―アメリカの右派を覆う怒りと嘆き
A・R・ホックシールド著、布施由紀子訳、岩波書店

2016年の全米図書賞ノンフィクション部門にノミネートされていた『Strangers in Their Own Land』の邦訳。著者はカリフォルニア大学バークレー校の名誉教授である社会学者。

米国の最貧州の一つであり、環境汚染や公害に悩まされているルイジアナの右派の人々が、環境規制を強化しようともせず、むしろ企業を優遇しようとしている共和党を支持するのはなぜなのか。

リベラル派である著者が、南部でティーパーティー運動を支える白人中間層の人々の話に耳を傾け、丹念にインタビュー調査を行い、彼らの「ディープストーリー」を理解しようという試みです。

ディープストーリーとは、良識や事実ではなく、個人の感情に基づく物語のこと。リベラル、保守を問わず、みなそれぞれのディープストーリーを持っている。では、ルイジアナのティーパーティーの人たちのそれはどういう物語なのでしょう。

著者の出会った人々はみな親切で忍耐強く、家族を大切にして勤勉に働き、地元にも貢献してきた。同情心を買おうともせず、不平も言わず、遅々として進まない列に並んできた。ああ、それなのに。自分たちの前に、黒人や女性、移民、難民、ペリカンまでものが割り込んでくるではないか。

端的に言えば、そうした彼らの行き場のない気持ちを代弁してくれるのがティーパーティーなのだった。

トランプ大統領が当選した際に話題になった『ヒルビリー・エレジー』はアパラチアの白人貧困層の話でしたが、ルイジアナは共通点もあるけど、またちょっと事情が違う(日本もそうだと思うけど、アメリカは広い国なので、地域によって歴史も文化もだいぶ異なる)。

いっぽうで、現代の日本社会のマイノリティや弱者を叩く風潮にも通じる箇所があるようにも感じる。分断を乗り越えて両者が歩み寄るためにも、賛同せずとも意見の異なる相手を理解するときの参考になる本だと思う。

あと『魂のゆくえ』でも描かれていたメガチャーチの環境問題に対するスタンスも伺い知ることができるし、最近話題になっている中絶禁止問題に対しても、南部の右派の人たちの考えがなんとなく見えるんじゃないかと思う。

アラバマ州での中絶禁止法の成立に関して、男性議員が多いからではないかという主張があり、もちろんそれもそうだし、また南部では中絶禁止を支持する女性がけっこう多いということもある。アラバマ州知事は女性なんだけども、法案成立後の知事のコメントと同様の意見の女性も少なくないのではないか。

本書でも、本当は中絶手術を受けられたほうが楽だったと思いつつも「ただしい行いをしたこと」を誇りに思い「その気持ちはリベラル派にはわかるまい」という話す女性が出てくる。いや、そういう気持ちになること自体は理解できるんだけども、最終的には自分の体のことは本人が決めるべきだと私は思うんだけどねえ。中絶の規制に関してはロー対ウェイド事件の判決以降、ずーっと議論が続いていて、まったく決着をみないですね。

# by rivarisaia | 2019-05-30 23:34 | | Trackback | Comments(0)