宇宙創成:ビッグバンのこだま聴いてみた

『ビッグバン宇宙論』がタイトルを変えて文庫になりましたね。『フェルマーの最終定理』といい、『暗号解読』といい、サイモン・シンは本当におもしろい。私には本来わけがわからない世界であるはずの数学や科学の世界を、これだけおもしろく説明してくれるサイモン・シンは非常に頭のいい人だ。

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宇宙創成』サイモン・シン著、青木薫訳、新潮文庫

数学がチンプンカンプンでも興味深く読めて、最後には心底感動できるサイモン・シンの『フェルマーの最終定理』(未読の人は必読の書)と同様、本書も物理がわからなくても大丈夫。もちろん理論がどのように変化していったかということもわかりやすく解説されるんですが、その辺把握できなくてもおもしろさが損なわれることはありません。

なぜなら「宇宙の始まりという広大な謎に挑んだ人類の歴史ドラマ」でもあるからです。

古代ギリシャの天文学から、1992年に「ビッグバン理論」が証明されるまで、こんなにいろいろあったのか、宇宙もすごいけど、人間もすごいよね。過去のいろいろな発見や研究の積み重ねが相互に作用して(ときには相反する理論が反発しあったりして)最終的にひとつの大きな理論に束ねられていくという過程がすばらしい。

アインシュタインの「時間は伸びたり縮んだりして、人それぞれにとって流れ方が異なり、あなたの時間と私の時間は違う」という話もおもしろかった。

印象的なエピソードは、ほかにもいろいろあるんですが、もっとも好きなひとつが、ハーバードの天文台のピッカリング氏が、部下の男性チームの仕事っぷりに頭に来て「うちのスコットランド人のメイドのほうがまだマシな仕事をする!」とチームを全員女性に総入れ替え、本当に自分のメイドを主任にしたら、歴史的発見が!というもの。いや、そういうことってあるのね…。

"ビッグバンのこだま"である宇宙マイクロ波背景(CMB)放射が発見されるくだりも感動的です。

私も宇宙の始まりのこだまが聴きたい!と探してみたら、ワシントン大学の物理学部のJohn G. Cramer教授が音のファイルをアップしてました。コチラで聴けます。6段落めに「20 seconds」とか「100 seconds」などと記してある箇所をクリックすると聞こえます。先生のおすすめは100秒だそうです。
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by rivarisaia | 2009-03-11 21:03 | | Trackback | Comments(0)

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