ベル・ジャー

春ですし。どうにも気合いが入らないので、いっそのこととことんダウナーを極めてみよう。おー!と変な方向にがぜんヤル気が出た私ですが、もやもや系でいい感じのバランスを保っている小説や映画って、なぜか思春期少年が主人公っていうのが多い気がする。あくまで主観ですけど。

女性が主人公だと変に生々しい方向に展開したり、雰囲気がドロリとしてたりすんのよねえ…なんかありましたっけねえ…ちょうどいい具合のやつ…と3日くらい考えて、ひとつ思いつきました。

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ベル・ジャー』シルヴィア・プラス著

30歳でガスオーブンに頭を突っ込んで死んでしまったシルヴィア・プラスの自伝的小説。舞台は1950年代のニューヨークとボストン。優等生だけど不安定で繊細な心を抱える19歳の主人公エスターが、現実に裏切られてだんだんバランスをくずしていく話(と、書くと身も蓋もないですか)。

"少女版『ライ麦畑〜』"と紹介されることもあるようなのですが、そうか? かなり違うと思うよ…。ライ麦のホールデン君はうすぼんやりしてるけど、エスターはもっと鮮明でヒリヒリしてるし。

本書は50年代の話ですが、現代でもじゅうぶん共感を得ることができそうなのが、シルヴィア・プラスのすごいところです。女子大生が読むといいかもしれません。私は大学時代に読んで、かなりダウナーな気分になりましたが、英語の文章が澄んでいて美しいので、主人公の苦しい気分に巻き込まれながらもすいすい読めちゃった、という記憶があります。

後半の精神病院のシーンは、時代のせいでしょうか、治療の話が痛々しくて別の意味でツライ。

上の写真ですが、いろいろバージョンが出てるので、表紙を並べてみました。
左側2冊はHarper Perennial Modern Classics、左から3番目はFaber and Faber、右は河出書房新社(青柳祐美子訳)です。

そういえば、『ベル・ジャー』はジュリア・スタイルズで映画化の話があったけど、どうなったんだろ。ホテルの屋上から自分が持っていた洋服を1枚1枚、夜のニューヨークに投げ捨てていくシーンは映像で見たいかも。この場面はすごく好き。
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by rivarisaia | 2009-04-03 23:58 | | Trackback | Comments(0)

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