Criminal Justice Through the Ages:中世犯罪博物館の本

なんでこの本を買ったのか思い出せないんだけど、すばらしく良書だったのでご紹介。拷問と刑罰の本です。ここ数日、寝る前にこういう本を読んでた自分もどうかと思うが、ほんとにいい本なんですってば!

b0087556_20211489.jpgCriminal Justice Through the Ages

出版はドイツのローテンブルクにある中世犯罪博物館。オリジナルはドイツ語で、こちらは英訳版。日本語版は出てないのかな。全部で324ページ。

通常、この手の本は読者の興味を煽るように書かれたものが多いですが、こちらは非常に真面目な本で、文章が英語だというせいもありますが、淡々とわかりやすく、さらに幅広くさまざまな情報が網羅されています。拷問や処刑の方法だけじゃなくて、中世ドイツには何が罪とされて、その罰金はいくらだったか、どんな刑罰や法律があったか、という例がこと細かく書かれていて、そこがおもしろい。

たとえば男性が女性の手にさわると罰金15シリング、腕だと30シリングとかさ、12シリングで馬1頭分とか、魔女の疑いのある人にする質問84項とか、盛りだくさんですよ!

ほかにもたとえば、結婚や結婚式の規則(食事の種類や時間、贈り物の金額、ダンスをしていいかどうかなどを含め、めまいがするほど決まりがある)や服装の規則など、けっこう中世の暮らしはめんどくさそうだ。

カラーと白黒あわせて図版もわりと豊富ですが、テキストの量も多いので、ビジュアル書として楽しむには不向きかも。その場合は、ローテンブルクの中世犯罪博物館のサイトをどうぞ。博物館には日本語の案内書もあるらしいぞ!

最後に、何かの参考までに本書の目次を日本語で書いておきます。
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・ドイツ立法史
・思想の歴史の現象としての刑法
・刑法と手順の歴史
・犯罪と刑罰の歴史(殺人/窃盗などの罪/性犯罪/宗教に関する罪/政治犯罪/死刑/斬刑/降格刑)
・拷問
・魔女と魔法使い
・死刑執行人
・死体や肖像画に対する刑罰
・取締り規制(公衆衛生/火事/道路交通/公共の治安/公衆道徳/結婚/その他の公衆道徳/服装/市場や食品/貸付金)
・法律に関する象徴学
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「現代の我々は死体を罰することはしません。むかしの人々は違った考えをもっていました」ではじまるこの章もおもしろい。肖像画に対する刑罰というのは、たとえば逃走した反逆者の肖像画をですね、絞首台にぶら下げたりするんだよ。現代でも群衆がエライ人の写真を燃やしたりすることがあるけど、それに通じるものがあるよね。
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by rivarisaia | 2009-06-02 21:48 | | Trackback | Comments(0)

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