害虫の誕生―虫からみた日本史

仕分け後半、あいかわらず官僚はグダグダで、もうなんだかイヤになってきましたが、今回の仕分けで私が興味津々の議題に「生物多様性」に関する事業がありました。生物多様性の保全基金創設は、縮減か...?と思いきや要求通り、関連事業も2つは縮減だけど、ひとつは要求通りでした。

そりゃあよかった。ビバ、生物多様性!

そんな折、先日、父親から以下の本を借りました。生物多様性なら「G」ではじまる黒い甲虫にも目を向けろ、と。

害虫の誕生―虫からみた日本史』瀬戸口 明久著、ちくま新書

帯の文句がすごい。

社会によって人間と自然の関係は変わる
なぜゴキブリは嫌われるのか?


ときたもんですよ。ビバ、生物多様性な私も「G」はちょっと勘弁なんだけど...。

しかし本書によれば、ゴキブリが身近な<害虫>になったのは、じつは戦後になってからだったのだ。確かに江戸時代から御器かぶりとして知られていた、知られていたけど、

ゴキブリは「食物が豊富で冬でも暖かな家でないと」住めない!


そういう家が増えたのは高度成長期のことなので、それより以前の「G」は<害虫>としては多くの人にスルーされていた。それどころか「G」のいる家は食べ物もあって冬も暖かい金持ちの家ということで「G」は豊かさの象徴でもあった。

そして。

「コガネムシは金持ちだ~」の「コガネムシ」はなーんと「G」のことなのだった。


知らなかった...。見直しちゃうね、「G」(→そうか?)。まあ少なくとも、私の家の中に家宅侵入しない限りは、外で出会うぶんには大目に見てあげようではないか。たぶん。

「G」の話ばっかり紹介しましたが、本書は害虫をあれこれと紹介する本ではないので安心してください。日本の近代化における<害虫>という概念の成立からはじまり、殺虫剤開発や害虫駆除をどのように行なってきたのかをたどるという内容です。

でも私は「G」よりも、病気を媒介したり、食いついたりする虫のほうが嫌なんだよなあ。でも殺虫剤はもっと嫌だなあ。

どこまで生物多様性保全に含むのかは悩むところですが、エピローグにあった一節にちょっと納得したので、引用しておきます。

昆虫学者の桐谷圭治は、かつて<害虫>だったダガメなどを絶滅寸前まで追い込んだのは行き過ぎだったという。そして<害虫>であっても、「絶滅限界密度」を越えて減少してしまうと、保全が必要になってくると述べている。

自然界のバランスが重要なんですよね。人間に有害な生物でも、その存在が人間に有益な生物に必要だということもありうるし、そもそも生物が多様でなければ、健全な生態系が育まれるはずないもんね。

ここまで書いて別の本のことも思い出したので、また近いうちにつづく予定。
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by rivarisaia | 2009-11-26 23:13 | | Trackback | Comments(0)

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