中世ヨーロッパの生活と中世への旅 騎士と城

先日は古代ローマの日常を知る1冊『古代ローマ人の24時間』を紹介しましたが、中世ヨーロッパの日常生活なら、入門書としておすすめの本を2冊。

1冊目はタイトルもズバリ直球。

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中世ヨーロッパの生活
ジュヌヴィエーヴ・ドークール著、大島 誠訳、白水社(文庫クセジュ)

ヨーロッパ、とありますが、もっぱら当時のフランスが中心。内容は「物質生活(住居、家具、衣服、食べ物)」「時の流れ(日々の生活、年間行事)」「生涯(誕生、教育、結婚、病気と死)」の大きく3つにわかれています。

本書もまた私にとっての重要ポイントである「トイレ」について、短いですがちゃんとふれてますし、日常の食事の献立や子どもの遊びについても記述があります。そんなに厚い本ではないけど、かなりの情報が網羅されています。簡潔に多くを盛り込むっていうのは、至難の業だと思うので、そういう意味でこの本はけっこうおすすめ。

これで図版がついていればもっと楽しいんだろうけど、図版は当時の地図の1点のみ。残念! でもこちらは手頃な入門書として読んでもらって、さらに興味がわいてきた人は専門書に進むとよいのではないでしょうか。

2冊目は中世ドイツの騎士と城の本。

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中世への旅 騎士と城
ハインリヒ・プレティヒャ 著、平尾浩三訳、白水社

そもそも騎士とはどういう人たちなのか、騎士道とは何か、といったところから、城の構造、食事、ファッション、娯楽、遊び、武器、十字軍、と多方面から騎士の生活について解説されています。著者は高校の先生だったらしく、どうりで楽しく読めるはずだと納得。

中世の貴族の食事はかなり胡椒がきいていた、というのは有名ですが、ワインにも胡椒入れて飲んでたとは知らなかった。どんな味になったんだろう(現代のワインと当時のワインは濃さが味も違うだろうから見当もつかない)。

あとこちらの本はですね、私の好きな『マネッセ写本』についても言及してますよ!騎士文学についての章があって、ほかにもニーベルンゲンやクードルーン、イーヴァインなども解説されています。


先日の古代ローマの本にしても今回の2冊にしても、その時代の人々に対する著者の愛情が感じられるんですよね。昔の人は現代人にくらべて過酷な条件下で暮らしていたけれど、だからといって「昔の人は大変だよね〜」と現代人の尺度で見ていない点がいいです。ま、ふつう歴史の本はそうなんだけど、一般向けに書かれた本には現代人の視点で比較するような内容も多くて、そうなるとけっこう大事なことを見逃してしまうこともあるよね。

フランス、ドイツ...ときたら次は中世イタリアか…。中世のイタリアは混沌としてるというかコムーネの時代。いずれにしてもドイツもフランスもイタリアも便宜上そのあたりの地域を指してるだけで、国としてはまだ存在してないですけどね。中世イタリアのコムーネ時代の入門書で何かいい本ないかしら。
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Commented by fontanka at 2010-08-25 17:24 x
この本も探してみようかと・・・
わたしは「中世騎士道事典」を会社の昼休みに読み切りました(爆)
厚くて持ち運べなかったもんで・・・

歴史を専攻していた身とすれば、(学者ではなく)歴史好き→その時代に心を飛ばすことができる(爆)・・・・タイプが多い気がします。
あの時。。。。を知っている気持ちになっちゃうのが、歴史好きなんです。

Commented by rivarisaia at 2010-08-30 21:59
事典もおもしろいですよねえ。いろんな種類の事典が家にあったら楽しいけど、本棚の場所がナイ。

そして事典に限っては、電子本はダメなんだよなー。ページをパッとひらいててきとうに読むのが醍醐味だったりするので。

そうそう、あの時にまるでそこにいるかのような気分になるのが、楽しいですよね。
Commented by fontanka at 2010-09-27 21:05 x
ドイツに行ってまいりました。
いや直前にこの本読んだおかげで、騎士はritterなのよねとか楽しめましたです。
Commented by rivarisaia at 2010-09-29 18:21
旅行記楽しく読んでます!けっこうハードなスケジュールにもみえますが、楽しそう。いいなー。

やはりドイツといえば騎士ですよね。私も武具博物館にいきたい。
Commented by fontanka at 2010-09-29 21:17 x
旅行→あれもこれもと、やってしまうんです。
ツゥインガー宮殿の武器博物館で、羽根飾りをつけた1対の騎士(馬も鎧)が槍試合をするディスプレイ→これをみたかったのよと感激。

これで、グラーツの武器庫(世界最大とか)に行かなくてすむと思っちゃいました。
新しい建物を積極的にたてるグラーツの姿勢が「死んだ街が好き」な私にはムリと思いはじめたので。
Commented by rivarisaia at 2010-10-01 21:51
>fontankaさん

私はあれもこれもと欲張ってしまう性質です。
槍試合をするディスプレイ、いいなー!それは見たい!

グラーツの武器庫も魅力的だけど、槍試合にはかなわない気がします。グラーツってそういう町なのか。死んだ街、いいのになあ。
by rivarisaia | 2010-08-24 23:19 | | Trackback | Comments(6)

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