羆嵐:ヒグマの恐怖

先日、我が家ではふとした話の流れでクマがいかに恐いかという話になりました。キャラクターとしてはクマはかわいい。パディントンもプーさんも好きだ。しかし、リアルなクマは恐い。

で、その数日後。偶然にもTwitterでもクマの話に。やっぱりクマ恐いよ!

かつて知り合いのカメラマンから、ホッキョクグマは恐いよ、もの凄いスピードで走ってくるので追われたらとても逃げられない、という話を伺ったことがありますが、ホッキョクグマには北極行かなきゃ遭遇しない。でも、ヒグマは日本にもいるよ。ヒグマの恐怖を描いた本といえば、これ。

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羆嵐』吉村昭著、新潮文庫

私のクマ恐怖ネタは、ほとんど映画『グリズリー』と小説『羆嵐』の受け売りです。

1915年(大正4年)12月9日から14日にかけて、北海道苫前の三毛別で発生した日本史上最悪の熊害事件「三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)」を題材にした小説。これは2日間で7名が死亡、3名重傷という大惨事であった。


『グリズリー』は異国の動物ホラーですが、本書のおかげで日本にも巨大熊の恐怖が実話として存在することを知り、ヒグマへの恐怖にうちふるえた私。まあ、東京でヒグマの恐怖にふるえてるのも、どうかと思いますが、この小説の元になった事件がおそろしすぎる。

ヒグマはねえ、執着心が強くて何度も戻ってくるんですよ…。さらに逃げるものを追っかける習性がある。そして、火を恐れない。

1970年に起きた福岡大学ワンゲル部の羆襲撃事件(3名死亡)でも、熊が興味を持ったキスリングを持って逃げたために、ずっと熊に追いかけられるハメになってしまったという分析をどこかでみましたが、とにかくヒグマの執着心ときたら、熊界一だと思われます。

さらに、クマにあったら死んだフリ、というのは自殺行為なんだってさ。要するに、ある日森の中でヒグマに出会ったら、死を覚悟ってことか(いや、実際には、冷静に話しかけながら、刺激しないようにゆっくり後ずさりをして…ということなんだろうけど、そんな冷静な対応ができるか?)

肝心の『羆嵐』の内容にふれてませんが、思い出すだけでも恐いので、ぜひ読んでください。三毛別羆事件については、Twitterで教えてもらったこのサイトに詳細が出てますし、Wikipediaにも記述があります。どうでもいいけど、現場に再現されたヒグマでけえな!

この事件をとりあげたノンフィクションに、木村盛武氏の『慟哭の谷―The devil's valley』がありますが、こちらは未読。関係者の証言をもとに事件を追った本として興味深いので、私の恐怖がおさまったら読んでみたい。

ヒグマにしてみれば、後から来た人間のほうが邪魔なんですよね。クマも含めて本当に自然に対しては畏怖・畏敬の念を抱くことしきり。
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Commented by minaco. at 2010-10-06 01:08 x
小説は未読ですが、いやいや三毛別羆事件怖すぎますよ。
うちの方もちょっと山へ行けば熊が普通に出てきますが(たまに街中にも出てきてビビりますが)ツキノワグマなのでまだ良いものの(?)…
何でも北海道へ入植した開拓民の集落ゆえ、ヒグマを知らなかったとか。あと、一度人間の味を知ったら撃ち殺すしかなく、しっかり仕留めないと手負いの熊はますます危険。福岡大学ワンゲル部事件の当時のドキュメント検証番組観たら、死んだふりも火も全く意味なかった…しかも一度手をかけた(人間の)荷物を他の荷物としっかり判別してたし…。

ヒグマには一生出会いたくないけど、せめてものサバイバル術は研究しておいきたいものですね…ガクブル
Commented by rivarisaia at 2010-10-07 12:19
ツキノワグマがマシに思えてくるヒグマの恐怖。
三毛別羆事件、怖すぎますよ。ひとつ判断をあやまったら、もっと被害が大きくなってた。小説版でも、開拓民の人々が本州のクマと体格も性格も違う、とおののく描写が出てきました。唯一冷静だった人はマタギ。いやはや、マタギの精神力はすごいな。

今年は気候がおかしかったせいか、本州各地でクマ出没らしいですね。クマもエサがないと冬眠できないから仕方ないとはいえ、いざクマに出会ったときのためにいろいろ肝に命じておきたいものですよ。しかし実際に遭遇したら実行できる自信ないです。たぶん腰抜かすと思う。
Commented by fontanka at 2010-10-08 23:54 x
ヒグマ
・Wikを読んで、「神様、即死させて下さい」と思いました。

・この事件をTVドラマにしたのを見た覚えがあります。
その中で、クマが「女の衣服」に執着したというのがありました。
・その昔北海道に旅行(バスツアー)した時に、ガイドさんが言ってたんですが、大学生を(福岡大かと思います)襲った熊の剥製がありますが、小さいんです。だから、小さくても絶対近づいちゃいけませんよ。
(ホテルで、夜は絶対に外に出ないで下さいと言われました。知床)
・夫が北海道出身、近所にラッパ森という名前の森→危険だからラッパを鳴らして行く森だったとか(これヒグマには×と知りました)
・熊牧場にいったことあります。エサやりしました。
 人の檻に入ってクマを近くでみました→大きかったです。

クマ牧場のHP見ると歴代ボスとかあって、「深い」です。
Commented by ゆずきり at 2010-10-09 22:04 x
ヒグマ関係のリンクを読んだだけで、こわくておなかが痛くなりました。ホントに。
いやーこわい!こわすぎる!
ン十年前のわたくしならば、泣いてたと思います・・・ってすみません、春巻さんのせいじゃないのに。
ヒグマが出る可能性のない場所に住んでいて幸せ。
当分、ハイキングもしたくありません。
『グリズリー』も一生見ないようにしようとさえ思いました。
根源的にこわいものの存在を目の前に・・はしてないけど、そういうものってあるんだなあと思いました。
両リンクにはいろいろ分析はありましたが、サバイバル術が書いてなかったのがまたこわいですね。

Commented by rivarisaia at 2010-10-12 01:23
>fontankaさん
私も生きながら食われるの嫌です。
で、TVドラマになってたんですね。TVなら大丈夫そうだけど、マジで映像化するとかなりホラー。三毛別のヒグマは、最初に女の人を襲ったので、女の匂いのついている衣服に執着したのではないかと、小説では書かれておりました。

知床はヒグマで有名ですよねー。遠くからヒグマの親子を眺めるのであれば、ちょっと見てみたい...。クマ牧場もちょっと行ってみたい。でも人の檻に入るのは怖いかも...。
Commented by rivarisaia at 2010-10-12 01:39
>ゆずきりさん
怖いですよね。なんというか、逃げ場がどこにもない感じが一番いやです。クマ出没の可能性があるなら、登山なんてできない!とさえ思いました。

クマが人里に出てこなくてもいいように、山の大自然がきちんと残されていればいいんですが、しかし今年は夏の天気がおかしかったせいで、山にエサがないと聞く。クマが出る土地の人は大変だ...。

『グリズリー』は子どもの頃は怖かったけど、今観るとどうなんだろう。でもこちらはフィクションの映画なので、三毛別の本にくらべたら怖さの度合いが違う気もします。

何よりもサバイバル術を教えてほしいところですが、これなら100%大丈夫っていうものはないんだろうなあ。
Commented by fontanka at 2010-10-12 22:38 x
北海道出身の夫にこのヒグマの話をしたのですが、反応が悪いというか。
人がいるって知らせれば(音たてるとか)大丈夫と、かるーくいわれちゃいました。
Commented by rivarisaia at 2010-10-13 22:06
さすが、道産子は違う。ヒグマ免疫ができていて肝が据わってるんですよ!
by rivarisaia | 2010-10-05 23:58 | | Trackback | Comments(8)

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