The Englishman who Posted Himself and Other Curious Objects:偉大なる郵便実験
2011年 01月 20日
すごい本を買いました。世の中には変な人がいっぱいいる。そしてこの英国人も変。郵便局へ挑戦を挑み続けた男。おそらく彼は帳面派でもあったことだろう。
題名は「自分自身とそのほかの変なモノを郵送した英国人」。私はこの「自分自身を郵送」っていうのが何を言ってるのかよくわかりませんでした。本書を読むまでは。
イギリスの中産階級の会計士、Willie Reginald Bray氏 (1879-1939) は、1898年に『Post Office Guide』つまりイギリスの郵政省が発行している「郵便の手引き」を入手する。そして、彼はいろんなものを、いろんな方法で、郵送できると知り、郵便局の極限を試すかのごとく、「これでも郵送できるのかい?」という実験を開始するのであった。
世の中にはメイル・アートというものが存在するが、彼の場合はなんというか、アートというより実験に近い。ものすごい数のあらゆる種類の郵便実験。
変わった物体を送るのはもちろんのこと、変な宛名書きをする(刺繍や絵文字で宛名を書く)、奇怪な住所宛に送る(○○駅××鉄道△号の機関士宛とか※上の写真)、自分が行ったことのない場所からそこに行かずして自分宛に葉書を送る方法を複数編み出す、などなど、郵便局員にとってはハタ迷惑だったのではないか?と心配になるような実験を繰り返しているのである。
挙げ句、彼はペットの犬を自宅に郵送し、ついには自分自身も自宅宛に郵送するということをやってのけた。それも三回も。
このページに出ている写真が、「公式に郵便として受け付けられ、郵便局員に自宅へと配達されたBray氏」のようすである。
中央に自転車を支えて立ってるのがBray氏。奥の玄関先には受領書もらってるような雰囲気の郵便局員の姿が。
ええっと、会計士って変な人多いんですかね。『キック・アス』のビッグ・ダディも会計士だったしさ。
また彼は稀代のサイン・コレクターでもあり、「サインして送り返してね」と有名人や政治家、王室などに遠慮なくハガキを送りつけてサインを集めまくった人物でもある(サインはいたしません、という断りの返事も蒐集された)。
彼のライフワークであった膨大な郵便実験プロジェクトとサイン・コレクションは、彼の死後、バラバラにオークションで売られてしまったが、使用済み切手コレクターである本書の著者が、偶然入手したいくつかの使用済みハガキをきっかけに、彼の存在に気づいて腰を抜かした、という次第なのだった。
Bray氏の数々の郵便プロジェクトとサイン・コレクションは著者のサイトでも見ることができるので、興味のある人はどうぞ。
リンク先:www.wrbray.org.uk
もしあなたがイギリスの使用済みハガキを入手して、そこにBray氏の名前を発見したなら、ぜひともご一報を!
追記:基本、ビジュアル書に近い構成なので、文章は少なく、図版が多いのですが、いかんせん図版はハガキ。写真を眺めるというよりも、キャプションと説明文もあわせて読むと楽しいですよ。
『The Englishman who Posted Himself and Other Curious Objects 』
John Tingey著、Princeton Architectural Press
題名は「自分自身とそのほかの変なモノを郵送した英国人」。私はこの「自分自身を郵送」っていうのが何を言ってるのかよくわかりませんでした。本書を読むまでは。
イギリスの中産階級の会計士、Willie Reginald Bray氏 (1879-1939) は、1898年に『Post Office Guide』つまりイギリスの郵政省が発行している「郵便の手引き」を入手する。そして、彼はいろんなものを、いろんな方法で、郵送できると知り、郵便局の極限を試すかのごとく、「これでも郵送できるのかい?」という実験を開始するのであった。
世の中にはメイル・アートというものが存在するが、彼の場合はなんというか、アートというより実験に近い。ものすごい数のあらゆる種類の郵便実験。
変わった物体を送るのはもちろんのこと、変な宛名書きをする(刺繍や絵文字で宛名を書く)、奇怪な住所宛に送る(○○駅××鉄道△号の機関士宛とか※上の写真)、自分が行ったことのない場所からそこに行かずして自分宛に葉書を送る方法を複数編み出す、などなど、郵便局員にとってはハタ迷惑だったのではないか?と心配になるような実験を繰り返しているのである。
挙げ句、彼はペットの犬を自宅に郵送し、ついには自分自身も自宅宛に郵送するということをやってのけた。それも三回も。
このページに出ている写真が、「公式に郵便として受け付けられ、郵便局員に自宅へと配達されたBray氏」のようすである。
中央に自転車を支えて立ってるのがBray氏。奥の玄関先には受領書もらってるような雰囲気の郵便局員の姿が。
ええっと、会計士って変な人多いんですかね。『キック・アス』のビッグ・ダディも会計士だったしさ。
また彼は稀代のサイン・コレクターでもあり、「サインして送り返してね」と有名人や政治家、王室などに遠慮なくハガキを送りつけてサインを集めまくった人物でもある(サインはいたしません、という断りの返事も蒐集された)。
彼のライフワークであった膨大な郵便実験プロジェクトとサイン・コレクションは、彼の死後、バラバラにオークションで売られてしまったが、使用済み切手コレクターである本書の著者が、偶然入手したいくつかの使用済みハガキをきっかけに、彼の存在に気づいて腰を抜かした、という次第なのだった。
Bray氏の数々の郵便プロジェクトとサイン・コレクションは著者のサイトでも見ることができるので、興味のある人はどうぞ。
リンク先:www.wrbray.org.uk
もしあなたがイギリスの使用済みハガキを入手して、そこにBray氏の名前を発見したなら、ぜひともご一報を!
追記:基本、ビジュアル書に近い構成なので、文章は少なく、図版が多いのですが、いかんせん図版はハガキ。写真を眺めるというよりも、キャプションと説明文もあわせて読むと楽しいですよ。
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by
miyota
at 2012-11-27 21:15
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おもしろそう!欲しくなっちゃいましたo(^▽^)o
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rivarisaia at 2012-11-29 23:23
おもしろいですよ! ただし、ハガキの絵柄自体はけっこう地味です。
by rivarisaia
| 2011-01-20 23:04
| 書籍
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