The Fates Will Find Their Way

私は思春期の少年のもやもや感が嫌いなのに、思春期の少年のもやもや全開の小説を読んでしまった。途中どうしようかと頭抱えそうになったけど、後半からラストにかけて、つまり少年が大人になったあたりで、じんわりとくるものがありました。

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The Fates Will Find Their Way』Hannah Pittard著、Ecco

ハロウィンの日に、僕たちの前から姿を消した16歳のノラ・リンデル。彼女はどこにいるんだろう。彼女に何があったんだろう。今はどうしているんだろう。残された僕たちの人生には、消えてしまった彼女がさまざまな影を落とす。


行方不明になってしまった少女について、友人だった「僕たち」(語り手は一人称複数です)は、あれこれと妄想をふくらませます。見知らぬ男の車に乗って去っていったのかもしれないし、殺されたのかもしれない、メキシコ人と一緒に暮らしているかもしれない…あれこれと噂が飛び交うものの、結局のところ真実はわからないまま。

不在の少女の物語は、そこにはもういない少女の仮定の人生についてあれこれと思いをめぐらしながら、やがて大学に進学し、大人になり、結婚し、新しい出会いや別れに遭遇し、ここにいる自分たちの人生を受け入れていく、という「僕たち」の成長の物語でもあるのでした。

最後の最後、空がピンクから紫色に変わる頃の情景がなんだかとてもよかった。

それはそうと、「僕たち」は地元から離れず、大人になって結婚しても、一緒にいる仲間なのですが、ずっと同じ場所にいて昔と変わらない「僕たち」っていうのもすごいよなあ。たまに小中学校の同窓会に行くと、そういうタイプのクラスメイトもいるんだけど、私などは「えっ、まだそんな頻繁に会ったりしてるんだ」とけっこうびっくりしちゃう。

アメリカの田舎町で、いつまでも地元にいてしょっちゅうつるんでいる男性を想像するに、どうも排他的で保守的な人たちのような感じがしてしまい、あんまりお近づきになりたくないとも思ってしまうのでした。ま、かなり偏見ですけどね!
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by rivarisaia | 2011-07-21 02:50 | | Trackback | Comments(0)

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