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ジャッロからはじまるイタリア語の色の表現の話

先日、イタリア人に聞いた「ジャッロ」と「ホラー」の違いの話をしたついでに、イタリア語の色の話でも。

すでに記した通り、イタリアでは、ミステリのことをジャッロ(Giallo)と言います。シャーロック・ホームズもアガサ・クリスティもジャッロ。「Giallo」とは「黄色」という意味です。

これは、モンダドーリという出版社から出ていた「IL Giallo Mondadori」というミステリ・シリーズの表紙が黄色だったことに由来します。つまり黄表紙だ。こちらはそのシリーズから出ているアガサ・クリスティの『オリエント急行殺人事件』。

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確かに黄色ですね。いまでもこのシリーズはクラシック・ミステリ・シリーズとして出てるっぽい。公式ブログもあるし。

ちなみにシリーズの1冊目は、1946年の『Perry Mason e l'avversario leale』(E.S.ガードナーのペリー・メイスンシリーズ『おとなしい共同経営者』)。

モンダドーリから出ている最近のミステリの表紙は別に黄色じゃないんですが、どこかに黄色が使われているのはやっぱりジャッロだからでしょうか。謎だ。

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さりげなくタイトル文字が黄色だったり、表紙に黄色い輪っかがついてる。真偽のほどは定かじゃないけど、ミステリだからなのか?と考えてしまうわ。

そしてジャッロの中で細かく「il poliziesco/警察物」「il Noir/ノワール」「il thriller/スリラー」「il romanzo di spionaggio/スパイ小説」とわかれてるので、イタリアの本の通販サイトやお店でミステリを探すときは「Giallo」の複数形「Gialli(ジャッリ)」というカテゴリを見ます。

前回説明したように映画もミステリならジャッロ。ジェシカおばさんもコロンボ刑事もそうだし、CSI や Law&Order もジャッロです。

ちなみに怪奇小説は「il romanzo nero/romanzo=小説、nero=黒」。黒い小説…というと松本清張を連想してしまう私ですが、フランケンシュタインやドラキュラなどのゴシックホラーもここに入ります。

ロマンス小説は「il romanzo rosa/rosa=ピンク、バラ色」。直訳するとピンク小説に(笑)。ここはバラ色小説と考えたほうがロマンス度があがるかしら。

ポルノは「a luce rossa/赤い光の」となり、ポルノ映画は「film a luci rosse(←複数形なので語尾が変わる)」。何故に赤なのかと言うと、聖書に出てくる娼婦ラハブが窓から赤い紐を垂らしたエピソードからきているという説や、歓楽街で赤いランタンが使われているからという説などがあって、よくわかりません。あ、でも日本も歓楽街に関しては「赤線」っていうし、遊郭の印象も緋毛氈や赤い布団だったりしますね。

ついでに書いておくと、新聞記事やニュースのことを「la cronaca(クロナカ)」というのですが、これも次のように色で表現します。

la cronaca nera=黒い記事=社会欄、犯罪記事
la cronaca rosa=ピンク/バラ色の記事=有名人の結婚、おめでた、ゴシップなど
la cronaca bianca=白い記事=家庭欄、あるいは地元の公共機関の情報など

色で表現するっておもしろいですよねえ。他にも調べたら、まだまだありそう。
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by rivarisaia | 2011-08-14 23:55 | ラテン語・イタリア語 | Trackback | Comments(0)

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