名探偵ポワロ オリエント急行の殺人

連続してリメイク版は好みませんという話を書いた私ですが、今月上旬にNHK BSで放映された「名探偵ポワロ オリエント急行の殺人」は秀逸でした。

「オリエント急行〜」といえば、シドニー・ルメット監督の映画版が有名で、この映画は今にして思えばありえないくらいの豪華キャスト。TV版ポワロは、ポワロ作品をすべて映像化するつもりのはずなので、当然ながら「オリエント急行〜」を避けるわけにはいかず、さらにどうしても映画版と比較されちゃうという宿命を背負っているわけです。

そこでイギリス版どうしたかというと、なるほど、そうきたかー(涙)という脚色がなされておりました。

正義の名のもとに、法ではなく人が人を裁いてもいいのだろうか、というテーマで、出だしから暗い予感を抱かせる演出になっていましたが、謎解き後にここまで煩悶するポワロは初めて見ました。もうね彼の苦悩を思うと、わたくし号泣ですよ、号泣。

映画版では2つのうちの「無難な」解決が採択されて一同が安堵となりますが、人を殺しておいて、ああよかったよかった乾杯!っていうのも(事件を考えると理解できるんだけど)、ちょっとおめでたい気もなきにしもあらず。ドラマ版では謎解きのあとのポワロの激昂、非難、それに対する犯人側の反応が見どころで、非常に重い話になっていました。ポワロの苦悩vs犯人側の苦悩。またドラマ版は、殺人シーンも過酷だった…。あれは殺すほうも相当後味悪いよね。

犯人側が息をのんで見守るなか、ポワロが苦渋の決断を下す雪のラストシーンは深い深い余韻を残したのでありました。

ちなみに原作では2つの説のいっぽうが医師と鉄道会社重役に選択され、自分は解答を出したので手を引きますというポワロの台詞で終わってます。

それにしても、この調子でポワロ最後の事件『カーテン』の映像化までいったら、私、またもや大泣きするかもしれませんよ。ああ。

ちなみに、3月のNHKはミス・マープルのドラマが放映されます。3月19日の『ポケットにライ麦を』では、ニール警部役で私の好きなステキ困り顔のマシュー・マクファディンが出るよ! 今回は、ちょびヒゲ面だよ!しかし最近、ほんとマシューづいてるな...出演作映画の感想も早く書けということか?
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Commented by fontanka at 2012-02-28 21:38 x
正直な気持ちは「映画版をスーシェでみたかった」です。
カーテンにつなげるためのトータルな視点ではあるんだとは思うんですが、古き佳きポワロさんが好きな私は、最近のこのシリーズに、ヘイスティングスもミス・レモンもでないのを悲しんでいます。

今回、賛否両論のあるポワロ。春巻さんは「賛」だったんですね。
Commented by rivarisaia at 2012-02-28 23:05
最近のこのシリーズね、ヘイスティングスとミス・レモンとジャップ警部が出ないので淋しい限りで、あんまり好きじゃなかったんですよ。でも、今回のオリエント急行は映画と違う試みでよかった。でもすんごく哀しい話になってた…。

それにしてもですよ、『カーテン』にはヘイスティングスが不可欠だけど、どうするんだろう。出るのか…同じ役者さんで…。じゃないと不満が。
by rivarisaia | 2012-02-27 21:45 | 海外ドラマ | Trackback | Comments(2)

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