Stay Awake: おすすめ短編集
2012年 05月 10日
多忙ゆえに映画館にも本屋にも行くよゆうがなく、図書館でも上限ギリギリ資料本しか借りてないので、気分転換の映画と本は DVD と Kindle に頼りっきりである。
ちょっと前までは、寝る前に気軽に読めるということもあって、短編集ばかり読んでました。そのなかでいちばんオススメなのがこちらです。
『Stay Awake』Dan Chaon著、Random House
Dan Chaon の本は初めて読んだけど、いいですね! 他の著作も読んでみよう〜。
そもそも本書を読むきっかけとなったのは、表紙デザインが気になって、海外の読書SNS で検索してみたら、おおむね高評価で星が5つや4つ付いているなか、「どの短編もとてもとても暗いんです…。嫌なことがあった日に読まないほうがいいです(星2つ)」とか「旅行に持っていったのですが、台なしになりました(星3つ)」というコメントが混じっており(とはいえ、そんな人たちも熱心に長い感想を書き込んでいる)、むくむくと興味がわいたからでした。
「曇り空の日やしとしと雨がふる日に読むには最高! まちがってもビーチで読むな(星5つ)」というコメントにしたがい、雨の多かった4月の東京で読みましたとも。
結論から言いますと、あとからいろいろと熟考させられる暗さであって、後味は悪くなかった(私は)。嫌なことのあった日に読んでも平気じゃないかなあ。かえって、自分の人生そう悪くないかも、という気になったりして。
本書には、全部で12話入っています。どの話の主人公も、両親が自殺してしまったり、奥さんを事故でなくしていたり、生まれてきた赤ちゃんが死んでしまったり、はたまた赤ちゃんに頭がふたつあったり、別れた夫が事故で脳障害をおってたり、子どもの頃にある出来事があって兄弟姉妹がバラバラになってたり、雨の日に出張先の町で道に迷って永遠にホテルに戻れなかったり、大学出たのに仕事がなかったり…と、こう書き出してみると確かに救いがなく、みな自分の過去や過ち、喪失感に悩んでいてやるせない。
ひとつ読み終わるたびに、この後主人公はどうなるのだろうか、あるいは、あの時のあの出来事は何かを暗示してたのだろうか、とじっくり考えてしまうという、反芻タイム(余韻ともいう)も非常に充実しました。
そしてたいていどの話にも心臓をぎゅうっとつかまれるような何ともいえない瞬間があるんですけど、それがかなり不意打ちなので、油断なりません。それとない表現の変化球が飛んできて、ワンテンポ遅れてじわじわきたりする話もあります。
しょっぱなの『The Bees』 だけは、ホラー要素が強い。過去を捨てて、幸せな人生を再スタートさせた若い父親が主人公。彼の秘密につながる「悪いもの」が、現在の生活にゆっくりと浸食してくる話で、深夜に読んでいて何度か鳥肌立った。怖いよ。
ちょっと前までは、寝る前に気軽に読めるということもあって、短編集ばかり読んでました。そのなかでいちばんオススメなのがこちらです。
『Stay Awake』Dan Chaon著、Random House
Dan Chaon の本は初めて読んだけど、いいですね! 他の著作も読んでみよう〜。
そもそも本書を読むきっかけとなったのは、表紙デザインが気になって、海外の読書SNS で検索してみたら、おおむね高評価で星が5つや4つ付いているなか、「どの短編もとてもとても暗いんです…。嫌なことがあった日に読まないほうがいいです(星2つ)」とか「旅行に持っていったのですが、台なしになりました(星3つ)」というコメントが混じっており(とはいえ、そんな人たちも熱心に長い感想を書き込んでいる)、むくむくと興味がわいたからでした。
「曇り空の日やしとしと雨がふる日に読むには最高! まちがってもビーチで読むな(星5つ)」というコメントにしたがい、雨の多かった4月の東京で読みましたとも。
結論から言いますと、あとからいろいろと熟考させられる暗さであって、後味は悪くなかった(私は)。嫌なことのあった日に読んでも平気じゃないかなあ。かえって、自分の人生そう悪くないかも、という気になったりして。
本書には、全部で12話入っています。どの話の主人公も、両親が自殺してしまったり、奥さんを事故でなくしていたり、生まれてきた赤ちゃんが死んでしまったり、はたまた赤ちゃんに頭がふたつあったり、別れた夫が事故で脳障害をおってたり、子どもの頃にある出来事があって兄弟姉妹がバラバラになってたり、雨の日に出張先の町で道に迷って永遠にホテルに戻れなかったり、大学出たのに仕事がなかったり…と、こう書き出してみると確かに救いがなく、みな自分の過去や過ち、喪失感に悩んでいてやるせない。
ひとつ読み終わるたびに、この後主人公はどうなるのだろうか、あるいは、あの時のあの出来事は何かを暗示してたのだろうか、とじっくり考えてしまうという、反芻タイム(余韻ともいう)も非常に充実しました。
そしてたいていどの話にも心臓をぎゅうっとつかまれるような何ともいえない瞬間があるんですけど、それがかなり不意打ちなので、油断なりません。それとない表現の変化球が飛んできて、ワンテンポ遅れてじわじわきたりする話もあります。
しょっぱなの『The Bees』 だけは、ホラー要素が強い。過去を捨てて、幸せな人生を再スタートさせた若い父親が主人公。彼の秘密につながる「悪いもの」が、現在の生活にゆっくりと浸食してくる話で、深夜に読んでいて何度か鳥肌立った。怖いよ。
by rivarisaia
| 2012-05-10 21:08
| 本
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