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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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ブリーク・ハウス

ドタバタしているわりには、いや、だからこそ、ひょいと息抜きに Hulu を見まくっている私である。そういや今年はディケンズ・イヤーでしたよねえ。ということで『荒涼館』のドラマ版が Hulu にございますよ!

ブリーク・ハウス_b0087556_21472654.jpg

ブリーク・ハウス』BBC版

ディケンズの小説のなかでも『荒涼館』はかなり好き。謎が謎を呼び、殺人事件あり、人体発火あり、出生の秘密あり、ついでにロマンスありと、これまたてんこ盛り小説。登場人物のキャラクターもバリエーション豊富。ドラマもなかなかおもしろかった。

延々と続いている謎の裁判「ジャーンダイス vs ジャーンダイス」訴訟。
裁判の結果次第では遺産を相続することになるエイダとリチャードは、後見人のジョン・ジャーンダイス氏のお屋敷、荒涼館ことブリーク・ハウスに引き取られる。

また、孤児のエスターも、エイダの世話役としてブリーク・ハウスで暮らすことになる。

やがてこの裁判がすべての運命を大きく変えていく…


物語のきっかけとなる裁判は、あまりにも長く続いているために、もはやだれも内容を理解できない、という謎の裁判(笑)

だから裁判の内容がよくわからない…というのはデフォルトなので気にしなくていいです。意味不明の裁判に翻弄される人々が右往左往。お金はないけど心はまっすぐ!という人もいれば、憎たらしいほど悪徳な弁護士やガリガリ亡者の金貸しも登場します。ディケンズらしいですね。

可憐なエイダ役はキャリー・マリガン。そして過去に秘密を抱えるデッドロック卿夫人に、「X ファイル」のスカリーです。スカリーのジリアン・アンダーソンっていい女優ですよね。ずっと前にみた『Any Human Heart』というドラマではシンプソン夫人を演じてて、そのときもよかったんだよなあ(次回にでもそのドラマの感想書くよ…)。

ところで、いちおう主役は、エスターだと思うのですが。なんだかエスター役が、若いんだか老けてるのかよくわからない女優である。エスターの身の上にあることが起きたとき、「どうせ、もともとわたし美人じゃなかったし」と言うのだが、それにしてもあの顔で、なぜそこまでモテモテ…。とはいえ、性格はとてもいいので、ときどき可愛くみえることもある。

もうひとりの主役ともいえるジャーンダイス氏も気のいいふつうのおっさんで、決してロマンスグレーではないため、後半の展開がどうにも居心地悪かったです。すみません。

かようなわけでして、ドラマでの見どころは、主役よりも脇役。脇役が完全にメインキャラを食ってますが、それまたディケンズらしいということで。山アリ谷アリの激動の展開ですが、最後は"おおむね"ハッピーエンドですよ。
by rivarisaia | 2012-05-27 21:47 | 海外ドラマ | Trackback | Comments(0)