The Beginner's Goodbye

久しぶりのアン・タイラー。いつものアン・タイラーと言われれば、その通りなんだけど、安定のアン・タイラー。ほんと何気ない描写でしみじみとしちゃうんだよねえ。身近な人を失った悲しみと喪失感をゆっくり乗り越えていく話です。

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The Beginner's Goodbye』Anne Tyler 著、Knopf

冒頭の文章がこうです。

The strangest thing about my wife's return from the dead was how other people reacted.


死んだ妻が、ある日戻ってきた…って一体何が起きているのか。
幽霊の話なのか…!?

さて、主人公は、1年前に妻ドロシーを亡くしたアーロン。ドロシーは青天の霹靂のような天災事故で突然この世を去ってしまったのだった。ポッカリと人生に穴があいたようになってしまったアーロンは、日常にうまく対応できない。もちろんうまくできる日もあるんだけど、どうにもだめな日もあるわけで。

おせっかいな姉や同僚、変に気を遣ってくる友人などに対して辟易したり(事情があってアーロンはそのあたり特に敏感なのだ)、妻とのさまざまな思い出をふりかえったりしながら、ゆっくりとつまづきつつも前に進んでいくアーロンなのだった。

わりと短いシンプルな小説なのですが、これはまたいつか再読したい。とても深い悲しみを描いているんだけども、ユーモアも交えていて、そのバランスが(いつもながら)すばらしいのだ。

出だしの文章でぐっと引き込まれたんですが、いちばん最後の文章もとてもとてもいいよ。
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by rivarisaia | 2013-03-11 22:54 | | Trackback | Comments(0)

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