Me Before You(ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日)

去年は書けなかったけど、そろそろ書いてもいいかな〜という、若干内容にふれている本の感想です。

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Me Before You』Jojo Moyes著、Pamela Dorman Books

ちょうど昨年フランス映画『最強のふたり』が公開された頃に読んだ本で、「身体が麻痺してしまったお金持ちが、労働者階級の介護者と交流することで、お互いに触発されて云々」という設定は同じですが、内容はまったく違う方向に進みます。

失業して困っていたルーことルイーザは、バイクの事故で四肢麻痺となった男性ウィルの付き添いとして働くことになる。

専門の介護人はほかにいるので、ルーの役割はあくまで「付き添い」だが、ウィルはまったく心を開かず、ルーはほとほと困り果て、仕事を引き受けたことを後悔するのだった。


というところから話がはじまり、しだいにウィルとルーが打ち解けて……というのはみなさんの想像通りです。ウィルは上流階級の人間で、いっぽうのルーは労働者階級。この対比はおもしろく、字幕のついた映画なんて観たことないというルーに仰天したウィルが、ルーに新しい世界を見せてあげようとする『マイ・フェア・レディ』的な展開もひかえていて、すっかり心あたたまる話と思いきや。

ルーが雇われた本当の理由が明らかになるのですが、それは、ウィルが自殺しないように見張ること、だった。

そう、事故を起こすまで人生を謳歌していたウィルは、身体が不自由となったいま、これは自分の人生ではない、と絶望しており、Dignitas(ディグニタス ※スイスに実在する団体です)に安楽死の申請をしているのでした。これを知ったルーは、なんとかウィルの気持ちを変えようと奮起し、ウィルの家族もそんなルーに期待をよせ…と、じつに重い展開になっていく。

結末はここでは語りませんが、「尊厳死」についていろいろな角度から考えてしまう話です。というわけでロマンチックコメディのようにみえて、中味はすごくビターでずっしりくる小説。ときどき語り手が変わるんですけど、なぜあの人は語り手にならなかったのかな…といまも考えちゃう。

評判になった本なので邦訳も出るのではないかと期待。映画化の権利も売れているので、いずれ映画にもなるかもしれませんが、『最強のふたり』の二番煎じと受け取られるともったいない。というか、『最強のふたり』のリメイクよりも、こっちを先に制作したらいいのにねえ。ただ、映画用に重要な部分が変更されると台無しになるからそれも心配。
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by rivarisaia | 2013-12-20 23:53 | | Trackback | Comments(0)

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