バードショット:東京国際映画祭2016

東京国際映画祭で上映される、動物がテーマあるいは重要な役割を果たしている作品を、私のまわりでは密かに「今年の動物枠」と呼んでいるのですが、おそらく今年の動物枠メインは『サファリ』(私は未見)、そしてこちらのフィリピン映画も動物枠の1本です。

どんな話なのか見当もつかずに観たので、謎が謎を呼ぶ展開にたいそうどきどき(というかびくびく)してしまった。

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バードショット(Birdshot)』監督:ミカイル・レッド

フィリピン。田舎の山奥で、乗客を乗せたまま行方不明になっていたバスが見つかる。新米警官ドミンゴと、型破りな上官メンドーサが捜査を開始するが、はたして乗客がどこへ消えてしまったのか、皆目わからない。唯一見つかった手がかりは、赤いシャツの切れ端だけだった。

農場の娘マヤは父親とふたりで森林保護区のそばで暮らしていた。ある日、マヤは保護区の中へ入り込み、絶滅危惧種のフィリピンワシを撃ち殺してしまう。父親はこのことは誰にも言ってはいけないと固く口止めし、ワシを食べたあとの残骸や銃を埋めて隠してしまう。

バス失踪事件解決の糸口はつかめないまま、ドミンゴとメンドーサは担当を外され、新たに絶滅危惧種のフィリピンワシを殺した犯人探しを命じられるのだった。

「土地の件で何か不正が行われており、それを訴えるために出かけていった家族の行方がわからない」と白黒写真を持って警察署にやってきた女性がいた。彼女から写真を受け取ったドミンゴは、担当を外されてもバス事件の捜査を続行しようと試みるが、署長から叱責され、さらには正体不明の人物から恐喝を受ける。

正義感に満ちていたはずのドミンゴが、自分の家族に危険が及ぶことを恐れ、バス事件の解決を断念するあたりから人が変わったようになってしまうのが恐ろしい。バス事件に向けるはずだった義憤はにっちもさっちもいかない状況でフラストレーションに変わり、フィリピンワシ殺しの容疑者であるマヤの父親へと向かい、間違った形で暴発する。

大自然に囲まれて自由に生きるマヤと、警察というしがらみにとらわれて生きているドミンゴの対比が切なく悲しい。

純粋な精神の持ち主であるマヤも、また本当は純粋だったはずのドミンゴも、超自然的な何かを感じ取る力を持っているんだけれども、道を踏み外してしまったドミンゴにはもはや失踪事件の謎を解くことは永遠にできない、と上映終了後のQ&Aで監督は語っていた。だから、無垢な世界に踏みとどまることのできたマヤだけが、行方知れずとなった人々の居場所を知ることができるのだった。




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Tracked from ここなつ映画レビュー at 2016-12-19 12:16
タイトル : 「バードショット」第29回東京国際映画祭
アジアの未来部門作品賞受賞。フィリピン映画。監督及び脚本、編集はミカイル・レッド。アジアの未来部門の対象は、長編監督作品が2作目までの新鋭監督作品で…。などとの能書きはどうでも良い。本作は上映終了後、かなりな熱狂を受けて観客に迎えられた気がする。ただ、私はどちらかというと好きになれなかった。もちろん面白かったし、ショッキングな部分もあった為印象に残った作品ではあったが、あくまで好みの問題として好きになれなかった。まあ、偽悪的に言ってしまえば、たかが鳥じゃん?人命より価値のある鳥って何?ということなん...... more
by rivarisaia | 2016-11-13 23:34 | 映画/アジア | Trackback(1) | Comments(0)

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