メッセージ

テッド・チャンの短編『あなたの人生の物語』の映画化。最初に映画化すると聞いたときは、無理じゃないかなー、安っぽい映画になりそうだなー、と心配したけど、まあまあよくできていた(ずいぶんと上から目線な書き方である。すまぬ)。しかしささくれのように心にひっかかる部分もあって、日が経つにつれてもやもやが大きくなった感じもある。

以下、内容に触れてます。

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メッセージ(Arrival)』監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

ある日、謎の宇宙船が世界のあちこちに出現。彼らがやってきた目的を探るべく、人類は地球外生命体である「ヘプタポッド」とコミュニケーションを取ろうとする。

アメリカでは言語学者のルイーズが数学者のイアンらと共にヘプタポッドの言語の解読を試みるのだが、その過程でルイーズは新たな能力を身につける、という話。

ヘプタポッドの言語を会得することにより時間の認識の仕方が変わり、「未来を知る」ことができるようになった結果として自由意志が失われる。

これが「未来を予知すること」とはまったく違うのは、予知の場合は起きてほしくないことを避けるという選択が可能だけれども、未来をすでに知っているというのは、過去の出来事のように未来の出来事を思い出せるというのに近く、要するにそこに選択の自由はなく、未来を変えることはできないのだ。

ただ映画だと、悲しい未来を知りつつ、ルイーズはあえてそれを選択したかのように見えなくもない、というのが気になったところ。そして原作にはない、攻撃を中止させる電話のエピソードだけど、あれって成り立つのかなあ。

さらにもうひとつ、ひっかかるのが、娘の死因を事故ではなくて不治の病にしたところ。病気は避けられないことだけど、事故は避けようと思えば避けられたかもしれない。それなのにやはり避けるという選択肢を選ぶことは不可能だったのだ、という原作の設定のほうが自由意志の消失を補強してた気がしたので、なんで変えちゃったんだろう。

原作はドライな印象だったのに比べて、映画はウェットなイメージだったんだけれど、映像がみずみずしかったせいかもしれない。宇宙船に入る場面で重力のあり方が変わるところは面白かった。

思い返してみると、宇宙人とのコミュニケーションでいきなり英語を使うのも不思議かも。人類が前に宇宙に送ったメッセージはイラストだったよね、そういえば。



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Commented at 2017-06-24 10:15 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by rivarisaia at 2017-06-28 00:02
大変なことが続く時は続きますね....。最近では入院の時の保証人がいない場合に、いくらか払うと代わりに保証人を代行してくれる会社があるみたい(そういうパンフレットを病院で見たことが)。くれぐれもご無理なさいませんように。
by rivarisaia | 2017-06-23 19:43 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(2)

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