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ドリーム

相変わらずバタバタしていて、フィルメックスには行けそうにないですが、映画祭の前に観た映画の感想をちまちまアップすることにします。

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ドリーム(Hidden Figures)』監督:セオドア・メルフィ

最初は「私たちのアポロ計画」という副題がついていたけど、「マーキュリー計画なのに、なんでアポロやねん!」という批判が起こり、副題は撤去されました。のちのアポロ計画にもつながってるからって、メインはあくまでマーキュリー計画なのにアポロはナイ。ドリームっていうのもちょっとズレていますが。

1960年代初頭、ヴァージニア州にあるNASAのラングレー研究所が舞台。トイレもバスの座席も学校も、社会のあちらこちらが白人用と有色人種用に分けられていた時代のアメリカ。

計算手のキャサリン・ジョンソン(タラジ・P・ヘンソン)、計算部代理スーパーバイザーのドロシー・ヴォーン(オクタヴィア・スペンサー)、エンジニアのメアリー・ジャクソン(ジャネール・モネイ)という3人が、黒人でしかも女性という二重のハンデを背負いつつも、偏見や差別と闘い「マーキュリー計画」に大いに貢献する、という映画です。

電子計算機が登場する以前は、「コンピュータ」とは「計算をする人間」を指し、大勢でチームを組んで複雑な計算を人力で行っていて、NASAでも多くの黒人女性が計算手として雇われていました。

脚本なのか編集なのか、ややひっかかるところや、史実とは異なり盛っている部分もあったとはいえ、全体的にはよくできていて、主演3人が前向きなので暗く重々しい雰囲気にならず、明るい気持ちになれるのがよかった。

とにかく私は、前例がないことをやったり、既存のバカっぽいルールを壊したりする人の話が好きなのです。

ただ手放しですっきりする映画というわけでもなくて、NASAのような進歩的な人たちがたくさんいるはずの場所で、おまけにズバぬけて優秀な人材に対してもこの扱いか、じゃあ一般社会での凡人はもう絶望的じゃないか、という気持ちにもなっちゃう。

主演3人がチャーミングなのはいうまでもないんだけど、いま振り返ると強烈に印象に残っているのが、キルステン・ダンストが演じていた計算部の白人女性上司ヴィヴィアン・ミッチェル。

たぶん彼女は、女性の地位が低い職場で苦労している人なんだと思う。だから、私だって我慢してすごくがんばっているんだから!と考えているはずで、偏見に満ち満ちた態度を取ってしまっていることに、マジで気づいてなかったというか、そんなことを考える余裕もなかったんじゃないかなあ。

こういうことは往々にして起こる。彼女のような人はどこにでもいるし、誰の心の中にも、当然私の中にもきっとヴィヴィアンはいるから、まさに他山の石としたい人物だった。

そしてヴィヴィアンの男性版が、シェルドンことジム・パーソンズ演じるポール・スタフォードで、ヴィヴィアンとポールは私たちの反面教師コンビなのでしょう。

いっぽうでジョン・グレンが見た目も行動も好感度メモリ最大限までアップした状態で登場するんですけど、男前すぎないですか。「あ、彼女たちにも挨拶させて!」とにこやかに黒人計算手チームに歩みよっていく場面とか、なんだろうあの爽やか好青年っぷりは。

by rivarisaia | 2017-11-20 23:25 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(0)
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