シェイプ・オブ・ウォーター

デル・トロ監督、よかったね! 作品賞と監督賞などなど、ほんとにほんとにおめでとう! 今回は日本版のポスターもこのイラストを採用してとてもよかったと思います。

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シェイプ・オブ・ウォーター(The Shape of Water)』監督:ギレルモ・デル・トロ

60年代初頭のアメリカ。障害があって言葉を話すことができないイライザは、政府の研究施設で、夜間に清掃員として働いている。ある日、研究施設に南米から謎の生きものが連れてこられた。イライザはその生きものに興味を持って……

という話。ざっくりとした展開はたぶん誰もが想像する通りの流れなんだけれども、「いまの世の中を映し出した寓話」として映画をふりかえってみると、私たちのくらす社会が抱えている問題(移民、貧困層、失業者、人種差別、ジェンダー、性的少数者、強大なシステムと従わざるを得ない人や虐げられる人、使い捨てにされる人など)がいろいろな形で映画の中で描かれていて、しみじみと泣けてきちゃう。

イライザの隣人の絵描きのジャイルズさんが、仕事で命じられて描いている「理想のアメリカの家庭」があるんだけれども、それは本当にイラストの中にしか存在せず、世の中は青でも緑でもなく、なんか曖昧なその中間の色のティールにどんよりと覆われていて、みんなそんなどんよりした色の世界でくらしている。

悪役であるところのストリックランド氏ですら例外ではなく、表向きは絵に描いたようなアメリカ中流家庭の人のようでありながら、実際には失敗したらセカンドチャンスもないまま切り捨てられるような世界で傷口を腐らせながら生きているのだった。つらい。

わたしは『パンズ・ラビリンス』は悲しいハッピーエンドだったと思っているけど、今回はそれよりは悲しさが少し薄らぐ感じのハッピーエンドで、ただしかし、このティールな世界に残されて生きていかないといけない人たちのことを考えると、ひたすらに切ない。みんなにいいことあるように、ゼルダとジャイルズに幸いあれと願うばかりです。




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Commented at 2018-03-15 10:17 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by rivarisaia at 2018-03-20 00:34
こんにちは。いろいろと大変そうですね。私もこちらのブログを更新するする詐欺状態ですみません。そんな有様ですが、いつでも覗きにいらしてくださいー!

適度に息抜きしたり、気分転換したりして、根を詰めないようにしてくださいね。
by rivarisaia | 2018-03-07 18:59 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(2)

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