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見たもの読んだものについての電子雑記帳


by 春巻まやや
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ウインド・リバー

先日アメリカの先住民の話をしたばかりですが(コチラ)、ちょうど先住民を描いた映画を観ました。これがとてもよかった。おすすめ。

ウインド・リバー_b0087556_00044020.png
ウインド・リバー(Wind River)』監督:テイラー・シェリダン

ワイオミング州ウィンド・リバー保留地。野生生物局の職員である白人ハンターのコリー(ジェレミー・レナー)は、雪原で少女の死体を発見する。それは自分の娘の親友、ナタリーだった。

死体発見現場から5キロ以内には民家はなく、前の日の夜の気温はマイナス30度。それなのに殺された少女ナタリーは裸足だった。

捜査のためにFBIからは新人捜査官ジェーン(エリザベス・オルセン)が派遣されるが、厳寒の大自然はあまりに過酷な環境で、おまけに広大な土地に地元警察官は6人しかいない。

検死結果によって、ナタリーは暴行を受けていたことがわかるものの、直接の死因は冷気を吸い込んだことが原因の肺からの出血死。他殺と認定できないため、ジェーンはFBIの応援を呼ぶことができない。しかしジェーンは応援なしでも事件を解決するべく、地元警察官とコリーの協力を得て捜査を続行することに……。

コリーは過去にネイティブアメリカンの女性と結婚していて、ふたりの子どもがいるのだが、娘のほうはどうやら数年前に亡くなり、妻とも離婚しているらしいことがわかる。コリーは、ナタリーの死に娘の死を重ねあわせている。

いったい犯人は誰なのか。ナタリーに何があったのか。かたときも目が離せない展開でした。そしてジェレミー・レナーは本当にいい役者だった。

最初に「映画は実話をもとにしている」とあって、ラストの「失踪したネイティブアメリカンの少女の数は把握されていない」とテロップになんとも言えない気持ちになったけど、実話をもとにしているというのは、数年前の New York Timesの記事じゃないかと思う。(追加で註:以下の記事ですが、映画とまったく同じ殺人事件の話ではなく背景についてなので、記事を先に読んでも平気ですよ)


保留地は、貧困やドラッグやアルコール中毒、うつ病などさまざまな問題を抱えていることが多く、でも政府からは放置されているという印象で、これはどう改善したらいいのか。この作品でもそうした背景が描かれていて、私がいちばん泣きそうになったのは、ナタリーの父親が「儀式をしたいけど教わってないからどうしていいのかわからない」と言う場面。伝統や文化も奪われてしまっているということだよね。

そういえば『フローズン・リバー』も、テーマは異なるけれど保留地の寒い冬の話だったことを思い出して、もう1度観たくなりました(感想書いたつもりで、書いてなかったな)。



by rivarisaia | 2018-08-07 23:58 | 映画/洋画 | Trackback | Comments(0)